5月に見つけた野草の花
ウスギムヨウラン(薄黄無葉蘭)
Lecanorchis kiusiana Tuyama
ラン科 ムヨウラン属
花 期 : 5~6月
生育地 : 暖温帯の林床
分 布 : 静岡~九州の太平洋岸
RL指定 : 環境省準絶滅危惧種
撮影 5月 長崎県
ムヨウラン属は、発芽や初期の生育に必要な栄養分だけではなく、生活史全般で栄養を菌に依存する完全菌従属栄養植物であり、ベニタケ科の菌類と共生している事が知られている
これらの菌類は、木本と外生菌根を形成することが知られていて、ムヨウラン属は菌を通して樹木の光合成産物を得ている事になり、樹木、菌、ムヨウラン属の三者間共生が成立していると言える
ウスギムヨウランは、草丈20cm程で、茎先に5個前後の花を付ける
花は淡黄色~淡紫褐色で長さ約1.2cm、唇弁は白色で紫色の突起毛がある
ムヨウランに比べ花期が早く、花が小さくてあまり開かず、唇弁の縁に毛があることが区別点
唇弁は倒卵形で、蕊柱の基部と癒合し、先端近くは浅く3裂する。唇弁のふちには短毛、上部には長毛が密生する
ムヨウラン属は子房と花被片の間に副萼と呼ばれる付属器官をもつこと、中軸胎座、単粒の花粉の存在などから、ラン科の中では比較的原始的な属と考えられている
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