「北の山・じろう」日記

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南部ザポリージャ戦線でロシア軍が攻勢をかける意味と決戦の迫るチャシブ・ヤール<ウクライナ紛争2024.2.24

2024-02-24 21:07:32 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

現在ロシア軍は、アウデイーイウカ市内ではまだ多少残っているらしいウクライナ軍の掃討作戦と市内の後片付けをやっているようです。地雷の除去だとか道路の簡単な整備とか部隊の宿泊設備の設営とかそんなことです。
郊外にも多少進撃して、もみ合い程度の戦闘をやっています。ウクライナ軍も市街地に近い拠点は放棄していますので小競り合い程度の戦闘です。

南部ザポリージャ戦線では、第2次防衛ラインの北側にあるロボティネ村Robotyne方面を攻撃しています。
余りロシア軍にとって意味のある戦場とは思えませんが、おそらく東部で大きな軍事行動を起こす前の休養と選挙対策的な意味合いが強いと思います。
2023年ウクライナ軍に奪還された地域を再占領すれば、一応のお手柄にはなります。

ロボティネ村Robotyneの更に北のオレホボОріхів(オリヒウ)までウクライナ軍を押し戻せば、ほぼ元の支配地を回復できます。
そうしておいて第1次防衛ラインを建設しなおす心算ではないか・と思います。
トクマクТокмакの3層の防御網を作り直せば、ウクライナ軍がトクマク方面に再び進撃できる可能性は少ないと思います。
「後顧の憂い」を断つ・意味が大きいと思います。
3月一杯の限定作戦のように思います。

やはり2022年の失敗がありますから、多方面同時作戦はしないと思います。ロシア軍の2023年の基本戦略は、南部は守り・東部は攻める・でした。これは今年も同じだと思います。

とすると❓
陽動作戦的なザポリージャ戦線での攻勢は、いい加減なところで切り替えて本当の目標を攻撃し始めるように思います。

考えられる戦場は・・・

ハルキウ州「クピャンスクКуп'янськ」方面か、ドネツク州のバフムト西の「チャシブ・ヤールChasiv Yar」かどちらかではないか・と思います。
決めるのはロシアの将軍ですから、必ずしもこうなるわけではありません。

バフムト方面の戦況
2024.02.23
バフムートの戦い、ロシア軍が防衛ラインを突破してイワニフスキーに侵入
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-bakhmut-russian-troops-break-through-the-defense-line-and-invade-iwanivsky/

幹線道路のT-0504の途中にあるイワニフスキーIvanivskeのウクライナ軍の拠点を攻撃し始めました。こちらは標高が低い地点にありますので、チャシブ・ヤールChasiv Yarを攻撃する前に近隣のウクライナ軍を排除するのが目的です。

標高が比較的同じレベルにある裏道のO-0506からの攻めがチャシブ・ヤールChasiv Yar攻撃の通路です。
その北側の手前にやはりウクライナ軍の軍事拠点のホタニフカBohdanivkaが、あります。

順番としては、まずイワニフスキーIvanivskeを攻略して、その次にホタニフカBohdanivkaを攻略すると思います。これは誰が考えてもその順番です。
両方の軍事拠点を制圧できたなら、その後本格的なチャシブ・ヤールChasiv Yar攻防戦が始まると思います。

分かっていてもウクライナ軍が反撃できないのは、東部戦線全域でウクライナ軍が劣勢にあり攻撃部隊を用意できないからです。守るしかありません。

チャシブ・ヤールChasiv Yar攻防戦は、アウデイーイウカと同じように激戦になると思います。アウデイーイウカの方は負けても多少領土を失うだけで済みますが、チャシブ・ヤールChasiv Yarを失うと、ドネツク州北部の戦いは、一気にロシア軍が有利になります。
ですからウクライナ軍としては、絶対に負けられない一戦です。

ここの激戦は、遅かれ早かれ必ず始まります。

もう1か所が、クピャンスクКуп'янськです。
この方面にもロシア軍は4万人規模の部隊を集結させているという情報がありますが、同時に2か所は攻撃しないと思います。チャシブ・ヤールChasiv Yarを後回しにするなら、次はこっちだと思います。
クピャンスクは、ハルキウ州東部の戦況に影響を与えるバフムト以上の軍事的要衝です。当然、ウクライナ軍も防御を固めていると思います。
ここで戦闘が起きれば、あるいは2024年最大の戦闘になるかもしれません。
だからロシア軍も簡単には、大規模攻撃はしにくいと思います。

おそらく東部戦線でのロシア軍の攻撃を見ていると、2024年の始まりは、こうなる可能性が高いと思います。二つの軍事拠点を落とすような流れになると、ウクライナ軍はかなりの苦戦が予想されます。
ウクライナ軍が守り切るか❓
ロシア軍が攻め切るか❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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