江戸幕府の檀家制度と明治政府の廃仏毀釈により翻弄されてしまった綱敷天神社御旅社
嵯峨天皇ゆかりの太融寺（扇町公園の西隣）の近くで、流罪の菅原道真公が愛でた見事な紅梅の地に、記念として梅塚を作り、梅塚天満宮が設営されました。
後に無罪となった折に、今の綱敷天神社の場所に、嵯峨天皇と菅原道真公が合祀される神社が創建されたそうです。（実際には嵯峨天皇を祀る神野太神宮と菅原道真公を祀る梅塚天満宮が合祀し、菅原道真公の故事に因んで綱敷天神社と命名されました。後々北野天神・喜多野天神・喜多埜天神とも呼ばれるようになったそうです。）
同時に、梅塚天満宮は、綱敷天神社御旅社となった訳ですが、江戸幕府の檀家制度のために、どこかの寺に属する必要があり常安寺という寺を作ってそこに属したそうです。さらに明治政府の廃仏毀釈によりその常安寺は梅塚天満宮とともに取り壊され、その土地は民間に払い下げられてしまったそうです。
そのゴタゴタのために、元の梅塚天満宮の位置が正確に分からなくなっており、今の綱敷天神社の200メートル南あたりくらいしか分かっていないそうです。
最終的には、梅塚天満宮、つまり綱敷天神社御旅社は、茶屋町の篤志家により土地が提供され、現在の茶屋町カッパ横丁の向かいに落ち着いた訳です。
このように梅塚天満宮つまり綱敷く天神社御旅社は、時の権力者の江戸幕府と明治政府に運命を大きく翻弄されてしまったというお話しです。
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