水耕栽培による家庭菜園日誌

屋上での水耕栽培・人工光源を使った室内水耕栽培および屋外での有機水耕栽培に取り組んでいます。

高麗人参の水耕栽培2 (H25.5.1~5.15)

2013年05月13日 | 高麗人参
<高麗人参栽培上のアドバイスや栽培上の課題>
5月14日 高麗人参栽培に関してインターネット上の参考記事や大学の研究レポートなどを読んでみると光量(照度或いは遮蔽率)・光質、養液のpH・肥料構成、栽培環境(温度・湿度・日射時間など)が重要であることがよくわかりますがその中で参考になる指標が記載されているもの(長崎大学薬学部の研究レポート:オタニニンジンの生理・生態より)を引用すると    
    ●栽培照度は2000~4000LXが最適とのこと
    ●光合成の光飽和点は7000LXでかなり低い
    ●平均室温は25度以下に 15度から28度位に設定できれば問題なし
    ●肥料成分は各要素を欠くことはできないがほとんど吸収されないので微量でよい

とのこと。この数字を見ると太陽光利用はよほど遮光しない限り使えないような数字です。
会社の事務所で現在すりガラスの窓越しにブラインドを通して照射さえる太陽光の照度を測っても8000LX以上はあります。光飽和点が7000LXと低いので照度から言えば蛍光灯で十分ということでしょう。蛍光灯よりも赤・青のLEDを使った方が葉の育成にはいいのかどうか研究事例が見当たらないので並行して両者をやってみるほかないでしょう。

また養液濃度と成長についてもレポートがありましたが具体的なEC値の設定値の表示はありません。あてずっぽうですが大塚ハウスのA処方なら規定の3分の1位の使用でよいのでないかと思っています。その場合ならEC値は0.5~0.8位ではないでしょうか。ただインターネットの記事には化学肥料では根腐れを起しやすく数年にわたって栽培することが難しい旨書かれている記事もありましたがこれとてどちらかというと露地栽培での経験値であって水耕栽培の場合のデーターでないので数年かけてやってみないとわからないという状況に変わりはありません。
           
    ●養液は酸性を好むとあるので研究機関の設定値は5.5~6.0なのでそのあたりで設定
    ●照射時間について光源と照度により異なりますが露地栽培を参考に検討する必要があります。
    ●根腐れ防止策についての研究レポートもありませんのでとりあえず雑菌混入を防止し根腐れ病対策としてオクトクロスを使用
    
栽培方法としては高麗人参も根菜類の水耕栽培ですから根部の成長を促進させるような方法でなければいけないのですがこの点がなかなか難しいようです。大根や蕪のような成長速度の速いものは数か月で結果がでますので適格な対応の仕方を模索することも簡単にできますが高麗人参の場合は数年をかけて根部を成長させていくわけですから余りにも時間を要するのでこれまでにも決定的な栽培方法の研究がされてこなかったのかと思います。とりあえずいろいろな研究機関が行ってきた栽培方法や人参水耕栽培などの例を参考にしながらトライしてみようと思います。方法としては
    ●噴霧水耕   葉を育てるにはこの方法がいいと思うがパネルにつるす方法で根がうまく成長するかどうか研究事例なし。
    ●液面上下水耕 パネルにつるすよりも固形培地*をいれた筒を立ててその中で根部を育てる方が良いとの研究事例有り。
    ●養液滴下式  これも固形培地*を使用しその中で根部を育てる方法(通常の人参を育てる方法)通常の人参などの場合は
            底面吸収を併用させると良いようですが高麗人参の場合は加湿にならないか。
    ●吸水式    これも人参栽培方法の一つで吸水シートで養液を吸い上げながら成長させる方法



根菜類の場合はあくまでも葉で光合成されたでんぷん質を貯蔵する機関が根部ですから基本的には葉を成長させないと根も成長しないと思うのですが高麗人参の場合は葉の生育が特殊なため通常の根菜類とはその成長プロセスが若干異なるのかもしれませんので詳しく知りたいですが「高麗人参の葉の成長と根の成長との相関関係」についてのレポートは見当たりません。また光合成を促進させるうえで炭酸ガスが重要ですが炭酸ガス濃度と生育状況などの研究レポートも今のところ手元にございません。少ない葉面積・弱い光の中でどのように光合成を促進させ根部の成長を促進させるか、この点が高麗人参栽培のもっとも難しい問題だけに研究レポートがあれば助かります。
    *固形培地としては①パーライト100%、②パーライト:バーミュライト=2:1
     また養液滴下式の場合は保肥力・保水力に優れた人工培土「ベルデナイト」などの使用も考えております。

試験栽培できる苗の数が増えれば以上の方法について再度掘り下げてトライしてみようと考えております。
そして高麗ニンジンの植物工場での栽培で目指すべきポイントは
    ①栽培期間が数年であることから安定した栽培環境の構築
    ②環境制御により年間二毛作を実現し栽培期間の短縮を図る
ことに尽きるのではないかと思っています。
そのためにはどうすべきか、ということが素人なりに考えてテーマのように思えます。

<本日の様子>
5月13日 本日の様子ですが事務所に設置している窓際栽培棚の様子です。最初からの栽培棚の苗は5本は順調で葉の様子はもっとも元気そうです。ガラス越しの太陽光が最も適した明るさなのかもしれません。しかも照射時間はわずか2時間ほどです。ただ発芽していない2本はやはりいまだ発芽していません。7日に設置した栽培床からも今のところ発芽なしです。


室内栽培の方は従来の蛍光灯使用・噴霧式は順調に育っています。大きいのは12㎝位になっていますがこれも残っている2本は発芽成長していません。また葉の元気さや艶では事務所の窓越し栽培には負けています。
 

屋上から移したLEDで育てているベランダストッカーはうまくいかぬ時は不運が続くもので今日夕方見てみると水中ポンプが止まっていました。これはプロペラとシャフトの接着が外れていたためで早速予備部品に交換しました。
 

水面上下式は株数が少ないのですがあまり変化がありません。


<LEDに変更>
5月9日 屋上から室内に移した噴霧式のベランダストッカーの照明を蛍光灯からLEDに変更する。照度は2000~2300LXで蛍光灯とほぼ同じです。もう一方の蛍光灯照射との比較のためです。ただ24株中元気のない苗もかなりありますので良い選択かどうかはわかりません。
2台の噴霧式ベランダストッカーの様子です。
 

<窓際栽培を1台増設>
5月9日 吸水シートに挟んで養液を滴下させる方式での栽培は割とうまくいっているようなので瀕死の状態の苗を9本新たに設置した栽培ベッドに移しました。何本かでも発芽してくれればありがたいです。
 

<本日の様子>
5月7日 窓辺で育てている高麗人参の様子です。苗に問題があったのか7本の内2本は未だに発芽していません。
 

屋上で育てていた苗は噴霧装置のエスロンパイプが外れてうまく養液が噴霧されなかったためか3分の1ほどの苗が瀕死の重傷です。これは全く私の不注意が原因です。それに遮光ネットをかけているとはいえ強い太陽光が追い打ちをかけたようです。遅きに失するといけないのでとりあえず室内に移して蛍光灯照射で育てることにしました。
 

最初から室内の蛍光灯で育てていた苗は概ねよく育っていますが2本だけは大きくなっていません。
 

LEDで育てている苗は水面上下式ですが給水量が少なく十分養液に浸っていなかったようなので昨日タイマーの時間設定を変更し十分養液に浸せるようにしました。よさそうな苗は数本屋上から移したベランダストッカーに移し、屋上の弱っている苗をこちらに移して入れ替えを行いましたので今育てている苗は残念ながら状態はよくありません。


<参考になるブログ発見>
5月2日 高麗人参水耕栽培で検索すると「植物工場・水耕栽培をつくろう」(http://blog.livedoor.jp/kundori1/tag/植物工場)というブログを発見。高麗人参を水耕栽培で育てられています。しかも私より10日ほど先行しているので生育状況を見るのにも大変参考になります。
まずEC値について0.5~1.0設定。高いと裂根の原因になると書かれていたので早速調整しました。

<本日の様子>
5月1日 苗をいただいて1週間が経過しましたがそれぞれの栽培ベッドでの高麗人参の様子です。いただきた苗に個体差がありますので現状はあまり栽培方法によって影響されているとは思えませんがそれでもかなり生長の違いが出ています。
まず屋上の苗の様子です。18株の内5株から新芽が出ていませんでしたがこれはノズルからの噴射水が届いていないことによるかもしれません。
 

次は窓際に置いた吸水シートで挟んだ苗の様子です。太陽光が差し込まない状態で照度は3000LXほどありますから照度的には問題なさそうです。7株中2株から新芽がでていません。


LED照明を使った室内栽培の液面上下式の苗の様子です。未発芽株数は30株中13株。これはすべて給水されているので苗自身に問題があったのかもしれません。
 

蛍光灯を使った噴霧式で育てている苗が全体的に一番よく育っている感じです。未発芽は24株中1株だけです。一番大きな苗は葉の高さが6㎝になっています(根の先端から葉の高さまで)。葉は2枚ですのですべて2年生の高麗人参ということでしょうか。
 
10日後の状況を見て蛍光灯の方が格段に優れておればLEDも蛍光灯に変更してみようと思います。


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