▲災害用 貯留式トイレ
議員になった7年程前から私は、震災等非常時に市民を守るためには市庁舎のセンター機能をいかに維持するかが重要であり、業務継続計画つまりBCPの視点が必要と考えました。
東日本大震災の発災直後に遠野市、石巻市、陸前高田市、釜石市等に復興支援ボランティアで駆けつけた時にも市全体を守るためには庁舎のセンター機能をいかに維持するかが市民の命を分けることを痛感して帰って来ました。
そして中でも市庁舎機能の維持には電源や水、食料の他、災害用トイレの確保が最重要ポイントの一つであり、当初からマンホールトイレの可能性に注目して来ました。
しかし一般的なマンホールトイレでは、下水管が破壊されると使用不能となる弱点があり、かといって携帯トイレは経費が高く、仮設トイレも短時間で使用不能となってしまいます。
そこで注目したのが、阪神大震災の後に神戸市とメーカーがタイアップして開発を進めたと言われる貯留式のトイレでした。
貯留式トイレは一定程度地下タンクの中に汚物をためて置くことができ、断水しても下水管が破損しても市庁舎で働く職員500人が少なくとも数日間は使用し続ける事ができます。
BCP事業継続の視点から見ると、非常に優れた特性がある事から平成20年6月定例会を皮切りに、4回に渡り一般質問で貯留式トイレの採用を提案して来ました。
今回、総務部を中心とした検討の結果、優れた特性と費用対効果が認められ、災害用貯留式トイレの設置が実現しました。
市庁舎の業務継続BCPという視点から貯留式トイレを整備したのは東京都で小平市が初めてだそうです。
設置場所は庁舎の南東側駐輪場の近くの樹林地内で、トイレ設置数は5基、そのうちの1基は障がい者用です。
土の中に災害用トイレ専用の排水管と貯留弁を埋め込む事で上下水道が被災して庁舎内のトイレが使用不能の非常時でも便座とテントをのせて使用できます。
汚物が溜ったら貯留弁を開け、直結の下水道へ排水します。特徴としては、
◆断水時でも、雨水等を利用して使用が可能。
◆下水道管が破損した場合でも、トイレに汚物を貯留できる。
◆臭気が少なく、衛生面、環境面に優れる。
◆費用が安く非常時の市役所機能維持に大きく貢献できる。
▼ブルーシートの下に5基のトイレ口が埋設されています
▼普段は何の変哲もないマンホールのフタが並んでいます
▼6年越しの提案がようやく形となって実を結びました
災害への備えが着実に進む事を願っています。
あぶかわひろしは今日も行く
あぶかわ浩(虻川浩)小平市議会議員のホームページ
ワカモノのミカタ