ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

雅(みやび)、いい響きねぇ・・・

2004-10-04 21:26:57 | Weblog
つい、この前までの猛暑、酷暑が、遠い昔のように感じる、きのう、きょうの陽気。
「暑さ寒さも彼岸まで」なのに、秋のお彼岸が過ぎても、時々「忘れちゃぁいめえ!」
って、時々思い出したように、真夏日(30℃)の日があったりで、いやらしく、
立ち去りがたい風情だった夏も、ようやくここに来て、夏ならさしずめ「やませ」
にあたる北東の湿った冷たい風が、この関東に入り込み、これからおよそ半年の寒い
季節の到来を告げる露払い。

折角、四季の美しさの中に生きてる私達ですものね。時には、その移ろいに、足を止めて
みるのもいいわよね。
 
毎朝、新聞を取りに、お玄関の扉を開けると、「秋ですよう~~~」って、金木犀の
香りが、あたり一面に。こぼれおちる小さな小さな花びら達は、ペルシャ絨毯もいかば
かりかと思わせるほどの、ふっくら厚みを乗せた重厚な絨毯。裏のお宅の金木犀。

相変わらず、元気な女の子達を・・・雅(みやび)な世界へ。

    めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に
               雲がくれにし 夜半の月かな  紫 式部 

    夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも
               よに逢坂の 関はゆるさじ   清少納言

この2首は、人についての歌。
けれども、

   村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に
         霧立ちのぼる 秋の夕暮れ    寂蓮法師
    
 
秋の夕暮れを詠んだこれがいいわねぇ。
ちなみに私達3姉妹は、母の読み上げる上の句で、「雅」とは遠くかけ離れた
世界で、奪い合いをしたものよ、小学生の頃から。特にこの歌は長姉の得意中
の得意。それを阻止したい下2人。「キャー、キャー、私が先だったのに~~!」
のひっかく、つかむの大騒ぎ。秋になると思い出す歌。お正月は、母を読み人
にして、我が家の息子達とも遊んだものだったわねぇ。それも今や遠い昔の話。
 
学校を卒業したんだから、お勉強しましょう、楽しみましょう! これが私の
自論よ。姉にかなわなかった学校の成績。その私の「負け犬の遠吠え」かも知
れないけれど、 ホラ、な~~んかわかるでしょう?風景として。
しっかり口語訳を!だって?またあ、そんな無粋な事を~~。
心で詠みましょうよ。肌でもいいわね。

この次は、恋歌を「百人一首」から拾い出しましょうか?
恋に夢中の人、恋に破れた人、片思いの人、身悶えも枕を濡らした事もない人、
そんなこともあったねえの人。
やはり、人は恋をしなきゃね。パッサパッサの人生になっちゃうわ、ねえ。

感情は、幸か不幸か、年をとらないのよ。ただ、肉体の老化とのギャップが辛い。
決して美しくないわが身におののき、若者は、そんな年寄りの恋を認めたがらない。
「シワ? 私が生きてきた証(あかし)、勲章よ」
と、言ってのけたフランスの女優がいたけど、それは負け惜しみでは決してなく、
人に寄らず、自分で生きてきた自信が言わせた言葉だと思ったわね。
若さは、素晴らしく、まぶしく、その強いバネに、一抹の羨ましさを持たないで
もないけれど、その未熟さは、ちょっと恥ずかしい。・・・のよ。

ケータイや、本当はこのサイトなんかでも味わえないものかもしれないけれど、
すっごく贅沢な気持ちになるでしょう?そう、俳句や短歌は、私達の文化遺産ですもの。
しとしと降り続く秋雨の中、ちょっぴりい~い気分になってる夜です。