ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

雨の鎌倉大仏、長谷観音

2004-10-26 20:00:26 | Weblog
      ◎ 本日のキャスト
  
   イエーツ、マッキニィ、クリスチャンセン、ラン(gu)ストン・・・宣教師アメリカ人、カナダ人
   2人の日本女性・・・宣教師
   1人の日本男性・・・宣教師見習
   7人のアメリカ人・・宣教師
   ドイツ人女性 ・・・ミドルエイジ(多分)観光客 
      私   ・・・インスタント・ツアー・コンダクター?

「もしもし~」
「はい、あらっ、マッキニィ?おはよう!」
「どうしますか?」
「雨よ、当然中止よね。だけど、どこか他に行きたい所がある?」
「ちょっと待って下さい。もう1回電話します」
と、マッキニィから。 
11月に、アメリカに帰ってしまうイエーツと、我が英会話クラスのもう一人の先生、
マッキニィ、そして日本に着任して、半年にもならない2人の宣教師のために、鎌倉と
江ノ島へ行こう!の約束日。
昨夜の天気予報で、もう中止と決め込んで、セニョール・ダンは「人間ドッグ」。
彼が出かけた後、じっくり新聞を広げて読んでいたところへ、リッリーン。否
「007のテーマ」曲が携帯電話の着信音。それが又鳴って、
「やっぱり行きます」
「行くの~~?」
「はい」
まあ、それからの忙しかった事。大急ぎで壁塗り(サッパリお化粧だけど)して、
バッグに、今日は「和英辞書」を突っ込んで、鎌倉・江ノ島観光本、折り畳み傘その他。
なるべく傘はさしたくないので、ビニールコーティングコートを羽織り、帽子をかぶってゴー!

まず、湘南台駅に、いつもの宣教師達、4人。藤沢駅で、5人。長谷駅で5人の宣教師達が合流。
14人中、11人がアメリカ人とカナダ人。この一行は何のグループ?
なにしろそこに、場違いな、異色な人間(私)が1人いるのですもの。〆て15人よ。

「今日は、あなた達のお母さんよ、私は」。おばあ様が大磯にお住まいのイエーツは、何回か
鎌倉には来ているって。そして、鎌倉が、担当地域になっている、心強い宣教師に道案内しても
らって、なんてことはない、私はラク~~なツアコン。
ただ、説明文(英訳)がない像や、仏陀、如来、観音様、七福神などの説明をしたり、いつ建立
されたかなどの説明は、私。

江ノ電の駅「腰越」の由来や、初めて武士の政府が出来たこと。その前は貴族社会だったこと等も。
権勢を誇ってた貴族の名前は「藤原氏」。イエーツ達がいる教会の日本人責任者のお名前が、藤原
さん。関係あるかな?って。当然、源頼朝と源義経兄弟の話も。そこが重要な「腰越」。
鎌倉幕府の出来た年は、「いい国作ろう。1192年よ。日本語で、語呂合わせ、という、テク
ニックで、覚えたものなのよ」って。
左右の家屋の軒先に手が届きそうな、単線の江ノ電に、ビックリしてたわ。

大仏の中にも入って、遠足の小学生達や、大勢の外国人。その他想像以上の詣で客。
「酔狂な人っているものねえ。こんなお天気なのに」
「酔狂って何?」って、こういう質問は、グッてつまるのよねぇ。
「酔っ払うと、いつもの判断が出来なくなって、とんでもない事をすることもある。そういうこと
みたいな行動をすることよ」「フ~~ン」

大仏の体内(?)に入るには狭い通路を通らなきゃならない。ギュウギュウで、入ってこよう
とした外人ご一行様に出るまで待ってもらって、その前に、カナダ人のクリスチャンセンが、
「英語じゃない」って、言ってたのに、思わず英語で
「どちらからいらっしゃいました?」
って、中年女性(白人の年令は全くわからないんだけど)に聞いたら、
「ドイツから来ましたけど英語が話せますか?」
「ちょっとなら」
「私も同じ」。
ここまでくらいなら問題なし。
さあ、いよいよ本題、そこから悪戦苦闘のはじまり~~~。
でも、世界中をまわって、香港から来て、広島の平和記念館も行った。奈良も京都も。
あと3日、東京にいて、次はオーストラリアに行く予定ですって。日本とドイツは、
共通項がある。戦後の復興も。まあ、こんな事を言ってたみたいよ。最後に
ドイツの私のうちへいらっしゃい、って言ってくれたけど、ありがたいけど遠すぎる。
どうぞ、良い旅を! で別れたの。
「オ~~~、疲れた~~~!」で、ベンチへへたり込みよ。
イエーツ先生に、
「ドイツ人としゃべっちゃった~、お互いに英語で」
「言ってる事わかりましたか?」
「ええ、なんとなく。それでいいのよね?」
「グー」って。
なにより、私の外国語は「度胸語」の何者でもないからねえ。話してみなきゃ、通じる
ものかどうかわからないでしょう? で、話し掛けるのよ。言葉は話してなんぼ、のもの
ですものねえ。 もしかして、南米人?とおぼしき小さなグループ。さりげなくそばに寄って
彼等の言葉を聞いていたら、英語。スペイン語だったら良かったのに、よ。

長谷駅に戻ったら、コンビニに入って、アイスクリームを買って、立ち食い。マッキニィ以外。
「立って食べるのはお行儀が悪いのよ」
イエーツったら、その場にしゃがみこむから、
「もう、それも駄目~!」
ン~~ン、これが日本に入ってきちゃったのよねぇ。悪しき輸入品(精神)。
なぜ、まわりの大人達が注意しないのか、そっちの方が重大なことよ。

他地域の若人達とは、それぞれの駅で別れて、いつものメンバーになって、やっと昼食。
もう、2時は回ってたわね。
「何を食べましょうか?」
「イエーツとは、もうすぐさようならだから、彼が食べたいものを」
って、マッキニィ。 結果「トンカツにしよう!」。
4人とも上手にお箸を操って、シジミ汁とご飯のおかわりも。
ただ、飲み物は「水」。お茶も禁止なのよね。ちょっと「?」よ。
「お品書き」の日本語を読んでもらったり、漢字の読み方を教えてあげたり。その後、
彼等の1週間分の食料品買い物に付き合って、5~6斤の食パンに、
「やっぱりパン?いつも」
「いいえ、ご飯は毎日炊きます」
「パンて、言う?それともやっぱり ブレッ?」
「ボッ」・・・両方て、こういうふうにしか聞こえないのよ。
イエーツとマッキニィと、もう少し話して、
お別れに「回転寿司」でしめようと思ってたのに、
イエーツの台詞に、思わず
「うっそー!何?信じられない話だわ」
男性2人に女性1人は、同席してはいけません、なのですって。まあ、女性と認識して
くれたのは嬉しいけれど、
「もう、かっては女。とういうことじゃいけないの?それに、例外のない規則はない、
って言うでしょう?」
「フフフ、はい。でもやっぱり決まりですから」
「昔の日本みたい。男女7歳にして、席を同じゅうせず。これは、子どもだけど、大人を
そこまで管理するの? あのね~え、あなたたちの神様は、自分に似せて作った人間を、
全然信用してないのね?
アレをしちゃダメ!コレをしちゃダメ!ああしなさい!こうしなさい!守らなければ罰。
仏教は、親鸞て、知ってる?その親鸞という人が言ったんだけど、阿弥陀様は、どんな悪人
でも、どこまでも追いかけて、救って下さる。そう、仏教は許しの宗教なのよ。それに比べて 
ゴッドは厳しいわねえ。
でも、わかったわ。ここでお別れしましょう」

食材がいっぱいつまった4つのスーパーの袋を持った、クリスチャンセンとラン(gu)ストン
と帰路へ。
電車の中でも楽しい会話。チャンポン会話よ、相変わらず。まわりの乗客は、不思議そうな顔
で、チラッチラッて、外人と楽しそうに話している私を盗み見してたわ。そうよねぇ、私達世
代は、「アッ、外人だ!」で、英語の授業は、読み書きだけだったのですもの。
  
今度は、お天気がいい日に、「江ノ島」へ行きましょうね。
こんな1日を過ごした事なんかなかったわ。神社仏閣は、厳密に言えば異教徒達のものなん
でしょうけれど、重要な、荘厳な建物、像から、日本の歴史、文化を感じてもらえたみたいなので、ホッ。
でも、イエーツの、「日本人の最初は朝鮮、中国、モンゴルから来たんですよね」発言にはちょっと
ビックリしたわ。お母様が日本人なのにってね。
「ウウン、元々いたのよ、日本人は。多くの人達がきて、色んな技術を教えてくれたけどね。そして、
中国や朝鮮、元は百済・新羅・高句麗なんて名前だったその国々から輸入してたものは、主に書物。
仏教関係の書物なども。日本人は、本当に賢く努力する民族なのよ。だから、あなたの半分の血には
それらが入ってるのよ。誇りにしていいものよ。よかったわねえ」。

ブルーがかった灰色や、その逆の瞳の色、グリーンがかったブルーアイ等、瞳の話になったら、
どの子も「洋服の色で瞳の色も変わるよ」ですって。
「カメレオンや、野ウサギ、ライチョウみた~い!保護色みたいじゃない?」
「そうです」だって。本当かしら?

雨の中を、酔狂な観光客の一員になっての鎌倉詣。ほんの一部だったけれど、イエーツは、
「鶴岡八幡宮」へは行ったことがあるって。なら、他の宣教師達をそこに案内するのは、
又次回にしましょう。残りの神社仏閣見学は。そして、江ノ島にもね。
江ノ島のあの階段の凄さを知らないでしょう?音を上げるんじゃあないのよ。フフフ、いやな
オバサンねえ私は。音を上げるのは私だったりして。何しろ彼等は若いのですもの。

   ☆ 本日の言葉・・・「男女7歳にして、席を同じゅうせず」
             「例外のない規則はない」
     本日の訪問地・・鎌倉大仏殿「高徳院」、鎌倉大観音「長谷寺」
     本日の歴史上の人物・・・ 源頼朝、源義経、親鸞

見捨てられなかった

2004-10-26 00:55:28 | Weblog
セニョール・ダンから、車のキーを受け取り、1人でドライブ。
桜並木のアーケードに入ると、遠慮がちに、無作為に赤く染まったその葉が道路に舞う。
花のような美しさ、華やかさはないし、夏の強い陽射しを遮った、強さももうないけれど、
秋を飾るにふさわしい、色と形は存在する葉。その木々の間を歩くなら、想像を遥かに越えた
自己主張する香りが、木全体から匂いたち、思わず、足を止めさせる。
けれど今日は車でつかの間の逢瀬。走馬灯のように、後ろに流れ去る。
それぞれの木々が、褪せた緑の服を脱ぎ、錦糸に彩られた衣装をまとう時、
騒々しい若者の季節が立ち去り、しっとり落ち着いた大人の季節が又今年も訪れた合図と知る。

大きな園芸店をのぞき、季節におかまいなしにある、幸せなのか、不幸せなのか
わからない植物群に、食指は動かなくなった。
プラ~っと一巡りして、又車中の人に。
果物を買おうと、スーパーに入れば、主役は九州発の ”みかん”。北国の”りんご”は、
どれも傷ついて、いつもの年なら「私が主役!」のはずなのに、今年は、かなり小さくなっ
ているその姿は痛ましい。記録ずくめの台風にいたぶられた結果。

葉菜は、「またいつかねぇ」で、買い物篭には、これまた入らない。
幾度かの台風による、野菜壊滅。入荷量の激減。2週間や3週間、緑黄野菜を食べないからって、
なんていうこともない。いつものように「騒ぐでない!」。
農家の方々の心中を慮(おもんぱか)れば、私達の栄養がなんたらなんて、毛ほどの重さもない。
まあ、寂しくはあるけれど。代わりに、頻繁に登場する"にんじん”と”かぼちゃ”。

支払いを済ませて、いまやどこのスーパーにもある園芸コーナーに。ひときは目を引いた
それは、徒長しきったパンジーの苗。花の姿はなく、ひたすら葉っぱだけの哀れな姿。

2ケースに幾つ入っていたか確認などひつようもないほどに、まさに処分前の姿。
なので、引き取られ先ができたことを喜んでくれての破格値段。見捨てられなかった、みじめな子達。
きれいなお花を咲かせましょう。この冬に! もちろん、見られるわ、三色スミレの愛らしい姿は。
そして、私も何色が「はじめまして!」になるかは知らないけれど、だから、楽しみではあるわ。