たわごと~産業カウンセラーとして~

資格取得後もまだまだ研鑽の日々です。勉強会で感じたことを中心に、日々思う事や季節のことレシピまで自分を表現する日記です。

家族療法~その2~

2009-11-02 10:27:25 | 家族療法
今、家は、外壁塗装工事の真っ最中です。南も北も足場が組んであって、工事の人が行き来するのでカーテンしめたまま・・・なんか穴倉にこもっているようです。今週南側のベランダが使用不可になって窓も開けられなくなります(泣)

前回の続きとして「家族カウンセリング」の勉強会がありました。
今回は少し踏み込んで理論やアプローチ、歴史についても触れました。

アプローチの種類もたくさんあり、理論は複雑で、ここですべてを紹介できないのですが、「コミュニケーション派MRIグループ」の理論では、短期療法、ブリーフセラピーがここから生み出されたという事は初めて知りました。

家族カウンセリングとは・・・

たとえば、家族に「うつ」になった人がいる場合、そのひとりだけをカウンセリングするのではなく、家族のシステムになにか歪みが生じ、その中のひとりがメッセージとして「うつ」という病になってしまったという考え方から、家族全員にアプローチをするものです。
誰が悪いとかいいとかいうものではなく、家族のそれぞれの関わり方を見直してみようというアプローチです。

「ジェノグラム」という方法では、記号を使用して、家族との関わりを表にします。

父→母 父→娘 父→息子 
母→父 母→娘 母→息子
娘→父 娘→母 娘→息子
息子→父 息子→母 息子→娘

家族それぞれへの感じている関わり方を「親密」「疎遠」「敵対」「融合」など他にもありますが記号に置き換えて表を作成します。面接時に家族と一緒に作成します。

「FIT(Family Image Test)」という方法では、
家族でいる風景を思い出し、その中で、自分や、家族の元気や発言力が強い~弱いまでの5段階から選び、そのあと家族との結びつきを太い線、細い線で結び表を作成します。

ここから家族全体の中の自分が見えてきます。
その他にも、地域や職場との関わり方の表を作成するものもあります。
家族ってわかっているようで、実はわかっていない事もたくさんあるはずです。

粘土法といって、粘土で家族のイメージを作成するというアプローチもありました。実習では、粘土法を体験しました。
家族のイメージといったって何を作れば???
でも粘土を触っていると、子供のころを思い出したり、なんか照れ臭いような感じなのか、みんな笑顔になって楽しそうでした。ペットを作成している人も多かったです。

ペットは家族の中でかなり大きな存在であることは、我が家でも実感しています。
この小さな存在が、家族の笑顔、会話を多くしてくれているのは間違いないです。
ということで←チョコ・・・

長くなってしまったので、フィードバックは次回にします。

家族療法~その1~

2009-07-11 22:56:23 | 家族療法
家族療法とは、どんなものか?
漠然とクライエントとその家族をカウンセリングするものなのかなと思っていました。
確かにその通りでしたが、基本的な概念に家族をシステムとして理解する「家族システム論」という 考え方が必要なのですが、とても奥が深く、わかりやすく説明するというのは難しいなと感じました。

家族システム論とは、家族を「ひとまとまりの統合体として機能するシステム」と捉えるのです。
家族内での相互間の影響、家族外の影響もからみあってシステムが形成し機能していく…
それぞれの役割だったり、互いのコミュニケーションだったり、相互に関わりながら、うまく機能し生活をしていくのです。

そのシステムになにかの歪みがあれば、どこかが壊れる…
どこかに問題のある箇所がでてくればシステム全体を見直すということです。

家族ってそれぞれ特別のルールのようなものができてきませんか。
他の家族とは、「え~違う」と思ったり、一般的な事と「あ、家は違う」なんて事たくさんあるはずです。
家族はひとつとして同じ家族はありえません。家族の数だけシステムも存在するのです。

お互いを思いやる仲の良い家族、それは良い事ですが、それのみが当たり前というわけではなく 親子の確執があったり、兄弟の軋轢があっても当たり前、それも家族です。
誰かが悲鳴をあげたら、システムを見直すチャンスなのです。

この家族システム論は、一般システム理論などの影響をうけたものです。
広くは宇宙全体をシステムと考え、小さくは個人の細胞をもシステムと考える…このシステムという考え方に、違う視点からとても興味を持ちました。
大きく宇宙をシステムと考えると、やはりすべてつながっていると思うのです。

今この瞬間に存在している、人間、動物、植物、空気、建物にしろ、システムの一部であれば、自分と関係のないものなどひとつもないと思えます。
地球がおかしいと感じたら、急速に変化している社会が変だと感じたら、家族がうまく機能していないと感じたら、システムの一部である自分自身を見直し、変えていく事からはじめていければと思いました。