野菜の栽培において「種子の入手」は必須事項なんだが、どうやっておられるだろうか。一般的には種苗店での購入であろう。後は自家採取かな。今回の主人公である「大御所」は自家採取に拘る御仁で、大抵の物は購入では無く採取若しくは育成だ。一例としてサトイモの種子入手というか種芋の育成を眺めて見ようかと思う。彼はサトイモの重点栽培を行っており、[サトイモ掘り体験]の道楽がある・・・・・とはご紹介したかと思う。当然ながら大量のサトイモが必要で有り、購入で賄うと大きな負担となる。其処でというわけでも無いが、自分で種芋を育てる手法に特化したようだ。
まずもって準備したのが黒マルチ、例の真っ黒なビニールだ。それと籾殻と稲藁と手鎌、準備用品はこれだけらしい。現場は無論、彼のサトイモ畑だ。茎は枯れ果て、既に収穫期は終焉かと思われる。ポイントを定め、その場のイモ茎を刈り取ってしまった。その跡に籾殻を入念に散布し稲藁を被せて、保温を図ったようだ。しかる後に黒マルチを被せ、隅を土止めして丸太等を乗せ準備完了。つまり栽培中のサトイモをそのまま種芋化する手法のようだ。イモは既に成長しており、中の子イモが春先には種芋として利用可能なそうな。彼に言わしむると成長が早く、種芋も大きく育っており、後々の育成が非常に楽なんだとか。経費的にも安価で大助かりだそうな。
サトイモの特徴は、水を好むこと、乾燥を嫌うこと、が最重要事項でしょう。連作障害が出やすいのもそうかな。従って、育成する畝を交互に変更する必要があり、環境としては水を導入しやすい場所が最適かと。
大御所のサトイモ畑は水路から近い位置に有り、水条件には恵まれている。子狸の耕地とは相違する条件だ。従って子狸的にはサトイモの栽培を行っておらず、「大御所」や「長老」のご厚意に甘えている。過去に数回、栽培にチャレンジしてみたが、やはり栽培畝に水を導入できない環境だと無事には成長出来ないようだ。
毎年、同様な作業を見かけているが、春先には芽を出した子イモがスタンバイしており、種苗店で購入した種芋よりも数段早く成長するようだ。可能ならば同様手段で種イモ作りに挑戦されたら如何かと思っている。