農作業に勤しんでいると、時折訪問者の存在がある。多くは仲間の姿だが、それが森の仲間に変わることもあって、なかなかに面白い。野ウサギがはねたりイタチが走り回っていたり野鳥たちの来訪があったりで、結構賑やかだ。本日は野の野鳥たちが新年のご挨拶に来訪されたようで、耕地の上をチョコマカとうろついていた。小さな虫達の捕食のようで、彼方此方と動き回ってせわしない。どうやら朝食の時間でもあるようだ。本日の来訪者は「セキレイ」と「ヒヨドリ」、何れもお馴染みさんだ。
セキレイは「ハクセキレイ」なのか「セグロセキレイ」なのか判別はつかないが、どちらかであろうと思う。結構場慣れしていて、一定の間合いを取りながらも子狸の側まで接近してくる。とりわけ耕耘機を使用すると激しいようだ。土中からの虫達の出現を狙っているのだろう。カップルなのかは不明だが何時も連れだってペアでやってくる。最も同時に食卓に着くことは見掛けた事が無いのだが。
反してヒヨドリは「孤高の捕獲者」といった面持ち、何れの場合も単独だ。セキレイと違って耕地あさりはほとんどしない。どちらかというと虫達よりも木の実がお好きなようで、多くは木から木へと飛び回っている。種類はどうやら「イソヒヨドリ」の模様。イソヒヨドリは海岸沿いの崖地を好むようだが、数十キロも離れた山村にどうして飛来を・・・・・・尋ねて見たいが会話は不能だ。近くの石川を海と見立てているのかも知れない。
過去には渡り鳥の「ジョウビダキ」がよく遊んでいた。冬の渡りで晩秋の頃シベリア付近から避寒に来訪するようだ。スズメ位の大きさで数千キロもの渡りをするのだから、小さな巨人でもある。最近はトンと見かけぬようになってしまった。越冬地として忌避されたのかも知れない。環境的に避けられたのかと思うと、少々寂しいものだ。
ともあれ冬場の農園は小さな訪問者で賑やかだ。ジョウビダキと異なりヒヨドリもセキレイも留鳥、年がら年中同居している。いわば別の意味での仲間達、今年も仲良くやっていきましょうか。