木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

日だまりの森

2023年02月07日 06時20分59秒 | 耕作放棄地

今頃が1年中で一番寒い時期であろう。それは事実なんだが、日中のお日様の下ではホッコリとした雰囲気も存在する。昼下がり、風も無いような時間帯であれば、何となく春めいて時にはポカポカした陽気に包まれるものだ。寒さに弱い子狸だが、こうした微かな時間帯に惹かれ、作業時間を楽しむようにしている。農園の周囲は小さな森だとご紹介しているが、場所によっては立ち入りも可能だ。竹林などその最たるもので、彷徨うだけでも結構楽しめる。この竹林も当初は酷いモノだった。枯れて折れた竹が散乱して、完全なヤブ状態だったのだ。当然ながら人の出入りなど不可能で、1本づつ引き上げて焼却したのも懐かしい思い出である。

師匠は森の一角に杉や檜の植林を行い、自家用の材木林として活用しておられる。時折、間伐や枝打ち等で不要な小枝が生じると、農業用資材として頂戴するのも有り難い状況。特に檜の小さな丸太など使い勝手が良く、耐用年数も長くて重宝している。米作りを行っていた頃は、この檜の小枝がいわゆるハザ掛けの資材として大活躍してくれた。天日干しの米作りに欠かせぬ用材だったのだ。師匠宅の米作りも機械化が進んだ。現在は天日干しする農法の採用も無く、小枝の必要性も薄れたようだ。腰を痛めた師匠には、登っての枝打ちなど最早困難だろう。時代の推移と共に、役割分担も変わっていくのかも。

小さな森は専ら野鳥たちの住処のようで、彼方此方を飛び回っている。主な住人はセキレイやガラ類それにヒヨドリやムクドリなど。例によって農作業を邪魔する害鳥とも言えるが、遊び仲間達でもある。耕作する傍らをチョコマカとエサを探し回る姿は何とも愛らしい。思わず見とれて眺めてしまうほどだ。作業の間合いを図って休憩を入れる、腕時計代わりなのかも知れない。

森には小動物も潜んでいるようで、夜間は連中の晴れ舞台な模様。好みの野菜類があれば躊躇無く略奪してしまう。子狸のトウモロコシなど全滅状態だった。1本も収穫出来ずに栽培を終えてしまったのだ。恐らくだがアライグマの仕業と睨んでいる。まあ連中も子育てや生活に追われて、略奪しないと生き抜くことが出来ないのだろう。やむを得ないか。

斯くして野鳥や小動物達と戯れながら、ボチボチと農作業を続けている。耕作放棄地だった現場だが、通常の確かな農園へと生まれ変わった。我々の役割も一応は果たせたのかな。

 

 

 

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