わたくしは帰国しておりますが、
バトンタッチして代わりに入った協業社氏が、中国からすでに10日出られないでおります。
要は
「金型がまだ全然進まない」
んですね。
9割がた終わらせて帰国したわけですが
後の一割が全然進まない様子。
依頼している金型屋の機械は素晴らしくても、テクニックが限界にきていると感じ始めております。
大雑把なおもちゃの金型なら掘れても、秀作フィギアは作れても
「鉄道模型の金型を作るにはテクニックがなかったかもしれません」
現状、研磨は終わったにもかかわらず
彼らがやるべきことをしてやった樹脂注入関連の部分でトラブり
「きれいに抜けない」という事態に陥って既に6日が経過しているようです。
詳しいことを文書で書いても分かりにくいのですが
「なんでそんな樹脂注入プランになったんだ?」という部分が垣間見られます。
流石にそこまではわたくし共で設計をすることは不可能なんですね。
日本なら、
パーツ単位で3Dモデルを設計すればよいだけなんですが
今回はランナー配置まで日本設計(というか私)なんですね。
抜き勾配も日本設置。
基本的に抜け目なく設計しているんです。
抜き勾配も角度を大きくとって抜きやすく、それでいてロジックを使って隙間が少ないように作ったわけなんですが、
残念ながら今のところ躓いているようです。
こっちが悪ければいいんですが、そーもそうじゃないようで・・・。
相当現地は緊迫というか「すでに険悪な雰囲気」になっている模様で、
要は細かい成形プランが立てられないとみています。
本来、金型に樹脂を注入するときは、金型を温める温度や、押さえつける圧力、注入する樹脂の温度と、その注入圧力がカギとなります。
高すぎても粘りつきますし、低くても回らない。
強く押さえつけても金型が破損するし、弱ければバリになる。
強く入れ過ぎても今度は樹脂が硬く入り過ぎる部分と薄い密度で入る部分が発生して、薄い密度部分が引けやすくなる。
そのバランスが必要なわけです。
京成は中国でランナー配置をさせたんですが、なんせスッカスカで必要以上にマージンを取り、無駄なスペースを大量に発生させて、非効率なランナーになってしまいました。
それでいて十分な成型まで行くのにやはり遅れた。
で、金型高温、圧力ガンガンで注入した結果、歩留まりが非常に悪い製品になってしまっているんですよね。
温度あげすぎて、冷却が間に合わず成形樹脂が柔らかすぎて変形したとか、回らずに欠損が発生したりとか。
対処法もちょっと嫌な予感をしていたんですが「温度を上げよう、圧力高めよう!}のイノシシ理屈なんで・・・本来そうじゃない。
注入口を改善したり、注入口の数を調整したり、本来はより適切な圧力と温度に、計算して設定して調整していくことが必要なはずなんですね。
それを力技でやろうとするから、いつまでも収まらない・・・。
今回はプラモデル平均のランナー配置をして、試作までは成型できたけど、量産速度になるとけつまづく。
そんな状態にあります。
本来は、餅は餅屋に託す部分ですので、任せるのが筋。
ところか日本ならランナー配置の打ち合わせをして、ランナー設計などは金型屋がやるべきところなんですね。
それさせたら、もう想像をはるかに超えるレベルで話にならないことやられた。
京成の時は、その金型屋が本来やるべきランナー配置ですったもんだが大発生して、あまりにも苦労と現実が折り合わなかった。
まぁ中身を理解しようとしないんですね・・・・。
「なんで台車4つのリレーフ部品が、まとまって配置されず、とっ散らかって配置されているの?」
「なんで裏表ランダムに張られているの?」
を数日掛かって修正させ
「配置の細かいことは、もう半分くらいであきらめざる得なかったけど、パーツの表裏は整うまでやり直しさせた」ということがあったんですね。
例えばAとBのパーツは長さが違うだけだ・・・というものがあった時に、AとBのパーツは全部3Dで作っていたのに、
勝手に金型らの中で「Aを伸ばしてBに仕立てる」なんてやっていたもんだから全部やり直しさせた」
とかあったわけです。
「なんでこれじゃダメなんだ!!」なんて逆切れしてくるわけですが、違うもんは違う。
ダメなもんはダメ。
だって実際、金型屋で創ったBパーツは本来の設計パーツBと寸法が違うじゃない・・・・とかね。
根本から全然違ったりすることやられるのに油断ができないんですね。
今回は日本の金型屋さんに助言いただいて適切なランナー配置。そこまで設計して渡したにもかかわらず、中国工場が工夫を織り込んで一部変更してきたことは確かなんですね。
「こっちにこうしたほうができる」ということで。
で、結果は出来ないんですねぇ・・・・。
なんで変更したの。ということを言いたくなるわけですね。
既に外装は印刷済み。
パッケージも準備済み。
材料も確保済み・・・ですが、肝心の中身がやってきません。
雑な製品ならできるが、精密な製造ができない。
そんな壁に当たっております。
さて、京都イベントとJNMAでご披露できるんでしょうか・・・。
本当に何か月かかっているんだろう。