昨日紹介した千本釈迦堂から歩いて5~6分の場所に千本閻魔堂(引接寺いんじょうじ)があります。
町名からして閻魔前町という名前がついているらしいです。
このあたりは、平安京の頃は蓮台野と言って、死んだ人を放置して、風葬にしたといわれる地域の入り口でした。
その場所に、小野篁(おののたかむら)という人がこの寺院を作ったと言われています。
小野篁さんは、昼間は朝廷に仕える役人でしたが、夜になると冥途通いをして、地獄の閻魔様に仕えていたとされています。
なので、この寺院には、ご本尊として、閻魔大王がまつられています。
ちょっと怖い感じがします。。。
その寺院の中に、紫式部を供養する塔が建っています。
なぜかということなんですが、当時の人々の言い伝えが残っています。
紫式部は「源氏物語」という、はしたない物語をえがいて、「世間の風紀を乱した」ということで、地獄に落とされて苦しんでいると思われていました。
今では、物語を創作するのは、当たり前なんですが、なにせ平安時代なもので、架空の作り話をでっちあげるということは、いかがなものかということもあったようです。
そこで登場するのが、小野篁さんなんですが、地獄の閻魔様に顔が利くということで、何とかしてもらえないかと思われて、このお寺に供養塔が建ったという話が書かれていました。
そもそも、小野篁さんの方は平安時代の初期の方なので、紫式部よりもだいぶ前の時代らしいですが、庶民の中ではそういう話が語られていたそうです。
怖い怖い閻魔様と、紫式部の供養塔があって、なかなかユニークな寺院だと思いました。
この千本閻魔堂は、千本閻魔堂大念仏狂言というものが行われて、大勢の方でにぎわうそうです。
この地域は、現役で仕事をしていた頃に、職場があった地域です。
毎日のように、前を通っていたのですが、そんなものがあるとは、全く知りませんでした。
今年は、大河ドラマの影響もあって、私以外にもポツポツと参詣の方が来られていました。
千本釈迦堂と千本閻魔堂と二つも同時に行けたので、大変満足でしたが、近くにまだまだお寺や神社があるので、ついでと思って、次の場所へと進みました。
その話はまた次回にします。