徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

ハマの職人工房『HAMA-TORY』中止のおしらせ

2020-03-02 17:29:40 | ブレイク
度々のご来訪ありがとうございます。しばらくブログの更新を怠っており、久々の投稿になります。

執筆活動自体は、定期的にお仕事を頂いている関係上絶えず頭の中で文章を考えている状態で、自分の中では作文に割く時間は変わらないものの、どうしてもブログが後回しになってしまいます。という言い訳です(笑)

さてさて、久々の投稿にて残念なお知らせをしなければなりません。

来る2020年3月7日~8日に開催を予定しておりました「ハマの職人工房『HAMA-TORY』」が中止となりました。

中止の理由は他でもありません、新型コロナウィルスによる感染爆発抑制?のためのイベント自粛の波をもろに受けた結果でございます。

このたびのイベント「ハマの職人工房『HAMA-TORY』」は、ヨコハマの ものづくりの技 春の陣 ~若葉芽吹く春は、新たな出会いの時。あなたも、はじめての“ものづくり体験”してみませんか。~ と銘打って開催される、横浜市主催のものつくりイベントでしたが、前回の秋の陣(台風直撃による中止)に引き続き、今回もまた中止と相成りました。
相手が目に見えないウィルスということでは、もはや止むを得ない状態ですが、ここまで外的要因に拒まれて中止となり続けるイベントも珍しいのではないでしょうか?

ちなみに、今回ははじめて刀剣を学ぶ方向けに刀剣の楽しみ方を講義させて頂くと共に、柄巻体験と称して特製のツボウチに自分で柄糸を巻き、作った作品をお持ち帰り頂こうという体験イベントと、包丁の研ぎを学び、研いだ包丁をお持ち帰り頂いてご自宅で刃物研ぎの妙技を身をもって体験して頂こうという機会を設けていただけに、非常に残念です。

いずれリベンジを果たしたいと思っておりますので、ご参加を楽しみにされていた皆様、市役所の担当者さん、どうぞ気落ちせず次の機会をお待ちください!
なお、前回日本大通りでの職人組合イベントにて、イベント告知のご要望をお寄せくださいました皆様へメールをお送りする前に中止の決定と相成りました。そのため、この度はご案内をお送りしておりませんので、その旨ご承知おきください。

ものつくり体験イベント中止のパブリックコメントはこちら
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kigyoshien/ginou/20200203hamatory.html

第40回よこはま技能まつり

2019-10-29 17:24:14 | ブレイク
令和元年10月27日、横浜最大の技能職イベント『よこはま技能まつり』が、横浜スタジアムのある横浜公園から~みなとみらい線日本大通り駅までの、日本大通りにして開催されました!



よこはま技能まつりは、今年で40回目を数えるイベントで、この手の技能職イベントとしては、屈指の伝統と格式を誇ります。
主催は、横浜市技能職団体連絡協議会さんで、横浜市内で活動する様々な職方の組合が参画する唯一の団体です。
イベントを40年間続けているということは、昭和・平成・令和と年号を跨いで欠かさず開催されてきたことになりますので、あらためて歴史の重みを感じずにはいられません。



毎年同じ時期に、変わらず流されず確固たる活動を続けることの難しさは、主催者でなければわからない労力と根気が求められることでしょう。



その中にあって、マンネリ化しないように絶えず活動を推進することが、最大の課題になると思います。



当工房は、そんな歴史あるイベントに初出店をさせて頂きましたが、この度出店のご依頼を頂いたことで伝統工芸と言えども地域活動に貢献できる可能性を見出すことができました。
古くて新しい、時代に左右されない活動を目指している当方としては、大変居心地の良い展開となりました。毎度ながら、当方の活動を陰ながら応援して下さる市役所の関係部署の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。



さてさて、当ブースではいったい何をしたのか?といいますと、刀剣研磨の実演をしながらニッチな伝統工芸分野が細々とではあっても、地域に根付いていることをご紹介しました。



さらには、技術を少しでも身近に感じて頂きたいという思いから、包丁の研ぎ教室を開催し、研ぎの理論から実技のコツまでを指導させて頂きました。一生ものの生きた技術を体験された方々は、体験しないと分からない絶妙な研ぎの面白さに夢中なご様子でした。



他にも柄巻体験をご用意しておりましたが、時間の都合などもあったため、実施の有無を含めて応援に駆けつけてくれた柄巻師の三幣さんのご判断に委ねました。



今回特に面白い!と感じたことは、職方通しの垣根を超えた交流があったことです。
これだけ異業種の職方さんが一堂に集合すると、当然多種多様な工具もまた集結します。
それら見たこともない刃物の修復を手伝わせて頂きました。



例えば、氷彫刻に用いる巨大な彫刻刀?のような工具類は、見るのも初めてな不思議な形状をしていましたが、研いでみると勘所はやはり日本の刃物で、正しい工作に務めれば素直に反応してくれることがうれしくもあり、確かな手ごたえを感じました。

一つ不思議に思ったことは、道を挟んで隣で開催されていた神奈川県主催の伝統芸能、文化・芸術の祭典(流鏑馬などを披露)との接点がないという謎の距離感があったことです。

当工房の立ち位置は、神奈川県のイベントの伝統やら文化やらの方向性と、横浜市のイベントの技術・技能職の活動紹介のちょうど中間に位置することから、大げさに言うと場所的にも間を取り持つようなブースであったかもしれません。
実際に、そのように声をかけてくれた来場者さんもいらっしゃいました。

今後とも、近隣社会への情報の発信と持続可能な文化の紹介を続けていきたいと改めて思いました。
当ブースへご来訪くださいました多くの来場者の皆様、この場をお借りしましてお礼申し上げます。
また、アンケートにご連絡先をご記入くださった方々には、改めてお礼のメールと今後のイベントのご案内などをお送りさせて頂きます。
なお、今回創作工芸品を購入いただいた方々には、改めて特典を検討しておりますので楽しみにしていてくださいね!

イベント中止のおしらせ

2019-10-11 21:55:48 | ブレイク
残念なお知らせです。



いよいよ明日10月12日から二日間の開催を予定していた、横浜市初の試み「HAMA-TORY ハマの職人工房」が、台風の影響で急遽中止になりました。
「ヨコハマ ものつくりの技 秋の陣」と銘打って、横浜を代表する職人さんたちがものづくりの技を伝授する特別なイベントでしたが、過去に比類なき台風の上陸を目前に開催が危ぶまれていました。

まさかの台風直撃には逆らえるわけもなく、この日のために着々と用意してきた作品や体験用の材料を前に、なんともやりきれない気持ちになります。
そうです。今回のイベントには当工房も横浜市の担当部署の皆さんから出展要請を頂き、二つ返事で承諾すると共に体験会を開催できることを楽しみにしていたのです。



三流職人たる当方が、横浜を代表する職方であるかどうかについてはこの際目をつぶるとして、末席に加えて頂いた横浜市の心意気にただただ感謝し、期待を裏切らない働きで恩返しする他にはなかろうと意気込んでいただけに肩すかしをくらった形になりました。



物事は、そうそううまく運ばないものですね。
最も気の毒に感じたことは、我々出展者よりも市役所の皆さんです。
この日のために、長い時間をかけて各方面との調整や折衝を重ね温めてきた企画が、まさかの天候によって中止になるとは、なんとも言葉にならない残念さが残ります。



とはいえ、今月は10月27日に横浜市技能職団体連絡協議会が主催する「第40回よこはま技能まつり」を控えています。
こちらのイベントは、山下公園から続く日本大通りを封鎖して歩行者天国にする壮大なものづくりの祭典です。27日のよこはま技能まつりには、当工房も初参加をさせて頂くことになりましたので、頭を切り替えてHAMA-TORYのリベンジに務めたいと思います。

最後に、この度の体験イベントにて、柄巻体験と包丁研ぎ体験、各々にご予約をお寄せ下さっていた方がいらっしゃいましたら大変申し訳ございませんが、中止の旨ご了承の程お願いいたします。なお、同様の体験会をよこはま技能まつりにて開催できるよう調整中です。

第40回よこはま技能まつりの詳細につきましては、追って告知させて頂きます!

pen No.481

2019-09-14 20:00:16 | ブレイク
ファッション情報誌「pen」が届きました!
表紙には、「ファッションについて語るときに、あの人の語ること。」とあります!



ここでpen誌についてご紹介します。penは、「よりよい品を、よい使い手に届けたい。つくり手の思いが形になった数々のアイテム。あなたへ、そしてあなたの大切な人へ。」という発行趣旨のもと、20年以上続くファッションリーダー的存在の刊行物です。

ページを開くと、読み応えのある記事に美しい写真の数々、洗練された優雅さをまとった高級デパートに迷い込んだような錯覚に陥ります。



今回私が紹介させて頂くのは、ラドーさんの復刻モデル「ゴールデン ホース 1957 リミテッド エディション」です。
手にした瞬間、その重厚感・存在感から、ラドーさんが如何にこだわりを持って復刻に取り組んだのかということが伝わってくる、そんな一品でした。



時計と刀剣、分野は違えど作り手の情熱を内包する作品には、職人の様々な思いが込められているということを改めて感じさせて頂きました。

pen【ペン】No.481 2019は、最寄りの書店にて発売中です。

かながわ しごと・技能体験フェスタ 2019

2019-07-23 15:45:45 | ブレイク
7月20日㈯・21日㈰、パシフィコ横浜にてお仕事体験イベントが開催されました。



この催し物は、子どもたちに楽しみながら技能や職業への関心と理解を深めてもらうために、厚生労働省委託事業としてかながわ技能振興コーナー(神奈川県職業能力開発協会)が主催する参加・体験型のイベントです。



毎年、神奈川県中の子どもたちがこの日を楽しみにしています。



今年は、横浜市からの要請を頂き、当工房も参加させて頂くことになりました!



私が感じた現場の熱気と活動内容を、ご報告させて頂きます。


早朝の準備の様子

この度の職業体験会は、毎年この時期に開催しているといいますが、お恥ずかしながら私はこの度の機会を頂くまで全く知りませんでした。



知る人ぞ知るイベントらしく、この日を心待ちにしていた子どもたちは入場開始時間前から長蛇の列を作って目的のブースに熱い眼差しを向けています。



私たちが使わせて頂いたスペースは、横浜市のブースです。菱紙作りに、市役所の皆さんもご協力くださいました!



他のスペースは、各職方さんで作る組合さんや業界団体さんのブースで、各々得意分野の技能を活かした体験プログラムをご用意されています。



私たちは?というと、刀剣を最も刀剣たらしめている柄巻き(持ち手の手を添える部分の紐を巻く箇所の工作)を体験して頂こうと、一ヶ月前から毎日準備を続けてきました。



今回は、以前から工房見学&体験会で定評を頂いている、短刀型の柄巻靴ベラ作りに挑戦して頂きます。


制作見本その1


制作見本その2

初めての参加ということもあり、各回の時間配分や難易度の設定など分からないこと尽くめでの手探り状態からのスタートとなりました。



有難いことに、友人で柄巻師の三幣さんと奥さんが駆けつけてくれました!



友人ら・市役所の職員さん方の協力なしには、完全に計画倒れするところでしたので、心からお礼を申し上げたいと思います。



一度入場開始となると、ものすごい人人人。あれよあれよという間にブースの前に体験待ちの行列が!



みんなで手分けをして、子どもたちにものつくりの面白さ・楽しさをご案内しました。



中には、柄巻体験をするために2時間待ってくれたというお子さんもいらっしゃって、逆に子どもたちから元気をもらう貴重な体験となりました。



最後になりますがとても残念なこともありました。子どもたちの工作体験中に、我が物顔でブース内の工作会場に立ち入る一部の大人たちがいました。しまいには、子どもたちを差し置いて自分たちが参加したい旨の交渉や子どもたちの指導中にも関わらず技術的な質問攻めをするなど、とても同じ大人として恥ずかしくなる立ち居振る舞いをされていました。
後で知ったのですが、彼らは別の地域のマイスター指定を受けた職方さんたち(神奈川・横浜といった地域ではなく、おそらく視察団?のようにお見受けしましたが全員同じ某県の関係者カードを首から下げていました)だそうで、そのモラルの低さに辟易し、何を審査した結果マイスターという称号を得たのか甚だ疑問にすら感じました。



皆様のお力添えのおかげを持ちまして、何とか無事完遂することができました。ご用意した50人分の体験キットもすべて無くなりました。改めまして、現場でサポートしてくださった市役所の皆様、友人の柄巻師三幣さん、そして我が家族にお礼をさせて頂きたく存じます。
さらにさらに、ご参加くださった50人のお子さんたちとそのご家族様、体験を希望されるも先着順の壁に阻まれご参加頂けなかった方々にも、お礼とお詫び申し上げます。

またの機会に皆様が笑顔になる体験をご用意してお待ち申し上げております。
この度は、誠にありがとうございました!

令和元年7月7日イベント情報

2019-06-26 14:07:55 | ブレイク
7月7日は、言わずと知れた七夕です。

七夕は夏の風物詩として、日本の伝統行事に欠かせない存在です。
本格的な夏を前に、農耕や狩猟などの季節の訪れを確認する意味もあり、日本人にとって生活と直結した行事であったといいます。

ただし、その起源はあやふやで、ネット情報などでは中国の乞巧奠(きっこうでん)にみる織姫・彦星の感動的な星伝説に由来する旨の記載が圧倒的大多数です。

ところが、乞巧奠が伝来し皇室行事(天平頃の七夕(シチセキ)の歌会?)になる以前から、ベースとなる神話や伝説が日本にも息づいており、それらをひっくるめて?棚機津女(たなばたつめ)にまつわる物語に題材をとったと言われています。

その代表的な語源は、日本書紀の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)に一目ぼれ?した時に発した「あの織経(ハタオ)る少女(オトメ)はだれ?(現代訳)」という部分と、天稚彦の葬儀の歌にある弟織女(オトタナバタ)ではないか?とする記事が数点認められます。

いずれにしても、平安期以前から7月7日を祝う祭りは長らく行われており、皇室でも相撲を観戦するなど、特別な催しが行われていたようです。
おそらく、当時の催しは庭園の池に三日月型の舟を浮かべたことでしょう。7月7日は旧暦ですので、月は三日月形に陰り月光は弱く天の川がより鮮明にみえる夜空であったと想像します。
ちなみに、相撲を観戦するという行事は、当時は特別な意味がありました。相撲の四股(シコ)の起源は、たたら場でフイゴを吹く(たたらを踏む)動作にあるとする説があり、国家運営に製鉄が欠かせない技術であったことの現れではないでしょうか?

また、七夕は刀剣職人にとっても大変重要な要素を含んでいます。
前出の通り、神話の中でも語られるように棚機津女は神に御召物を仕立てる仕事を支える巫女であり、一方、拵を作る職方は示現化した神の依代たる刀剣に御召物(拵)を仕立てる神職として「その作業は神事である旨の認識を常に持つように!」と、修業時代から師匠に度々叩き込まれてきました。
そのような理由で、工房で作業をする前にはミソギをして身体を清めることを忠告されたものです。
つまり、棚機津女同様の文化的・歴史的背景の上に成り立っている日本のものつくりの技術は、本来神を敬い奉ることを第一義として誕生したもので、その名残が最古の工芸技術に属する刀剣工作の心構えの中に息づいているのです。

さてさて、ここ神奈川では平塚の七夕祭が大変有名ですが、この度ご案内するイベント情報は熊本です!

熊本は、九州のど真ん中に位置する行政区画で、封建時代は肥後国と言いました。
関東人からすると、武道のメッカの様な強靭なイメージがある熊本ですが、そこには熊本地方・阿蘇地方・天草芦北地方・球磨地方があり、様々な地形と気候そして多彩な地域ごとの文化が脈々と生きづいているといいます。

特にご紹介したいのは、このうちの球磨地方です。

球磨地方には、人吉盆地を中心に内陸気候と山地型の気候があり、寒暖の差が激しい地方で、年降の降水量も比較的多く、夏は猛暑日になり冬は最低気温が氷点下にまで下がることもあるという大変厳しい環境です。

その文化の中心地に、人吉地区があります。

人吉は小京都とも呼ばれ、700年の時を超えた現在でも当時の面影が漂う歴史の宝庫なのです。その中にあって、ダントツの歴史と風格を兼ねそろえた存在として、地元の方々に愛され続ける神社があります。

それは、1200年の歴史を有する国宝青井阿蘇神社です。
青井阿蘇神社のホームページ:www.aoisan.jp

こちらの青井阿蘇神社は、大同元年(806年)創建と言われ、現在の社殿は相良長毎により慶長15年から18年(1610年~1613年)にかけて造営された大変味わい深い建造物です。



そして、もう一つ忘れてはいけないのが、熊本県無形文化財に指定されている兵法タイ捨流です。
兵法タイ捨流のホームページ:www.taisharyu.jp

タイ捨流は、丸目長恵流祖によって新陰流から創始された兵法で、人吉藩に伝わった系統が脈々と受け継がれています。

これらの有形・無形文化財を内包する人吉地区で、今すごいことが起きています!

それは、人吉球磨にのこる伝統文化と現代アーティストたちがコラボレーションするプロジェクトとして産声をあげ、今春イタリアにてサムライをテーマにしたエキスポ「侍うーsaburauー」を堂々開催し、かの地で大旋風を巻き起こした今最もホットな伝統文化集団が誕生したことなのです。

そしてこの度、令和元年の七夕という特別な日に、上記青井阿蘇神社にて「侍う-SABURAU- in ITALY 凱旋展」が開催されます!



当日は、地域を代表する名工兼光刀匠の豪壮な御刀に私が拵えた肥後拵も展示頂きます。武道のメッカ熊本で、しかも国宝指定の社殿にて、当方の作品を展示頂き皆さんにご鑑賞頂けることは、職方として最大の名誉であり光栄なことです。

ぜひ、今年の七夕は、熊本県人吉地区の伝統と新しい魅力が凝縮した「侍う 凱旋展」へ足をお運びください。当方の作品もお楽しみ頂けましたら幸いです。

週刊日本刀

2019-03-02 13:39:12 | ブレイク
試験販売中の雑誌が届きました!



タイトルはズバリ「日本刀」、しかも週刊誌です。

今年に入ってから何度か取材にいらっしゃって、全くの未知な分野に手探り状態といった印象を受けました。



私の作業風景も掲載頂いております。

只今試験販売中のため、購入できる地域が限られているそうです。読みたくても読めない!買いたくてもどこで買えばいいのかわからない!という状態が続いているらしく、大変レアな存在なのだとか。
ですが、わりと読み応えのある内容ですので、ご覧頂ける方はお近くの書店で探してみてください!
今後の評判次第で、全国に販路を拡大する予定もあるそうです。ぜひ、末永く全国販売を続けてほしいと思える新しい週刊誌の産声を聞くことができました!

週刊日本刀の特設サイトはこちら
https://deagostini.jp/ndfmt/


ちなみに、こちらは昨年地上波にて放映頂いた「ニッポンお仕事図鑑~匠の仕事場~」での一場面です。



下記リンクのYahoo動画サイトより、ご覧いただけます。
https://videotopics.yahoo.co.jp/video/stove/192720

昨今の刀剣ブームが、一過性の流行で終わらないといいな~と願う一職方でした。

伝えるべき伝統の心

2018-01-11 00:25:16 | ブレイク
月刊「武道」1月号に、随筆を掲載して頂きました!



月刊「武道」は、公益財団法人日本武道館が「心技体 人を育てる総合誌」のキャッチフレーズの下発行する、同分野における権威ある刊行物の一つです。内容は、武道そのものを中核にすえ、教育・健康・教養を三本柱とする誌面構成になっていることが最大の特徴です。武道指導者ばかりか次世代の育成を目指す教育者にとっても、大きな手助けとなる出版物なのです。

月刊「武道」最新号のご案内はこちら



この度、日本武道館様より執筆依頼を頂いたことは、大変光栄なことです。拙い文章ではございますが、思いの丈を綴らせて頂きました。



月刊「武道」1月号は、現在全国の書店にて発売中です。特に新年号は読み応えのあるボリュームにも関わらず、定価545円とお求めやすい価格設定になっています。



末筆になりますが、皆様の変わらぬご健勝をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶と代えさせていただきます。本年もよろしくお願い致します。

バックヤードツアー

2017-08-23 22:08:37 | ブレイク
今日は、予てより計画していた、近隣学生をお招きしての伝統文化体験会を開催しました。題して、「刀剣工房バックヤードツアー!」



刀剣修復の現場をご覧頂き、体験することで、ニッチな工芸分野を一日かけて体感して頂きました。



内容は盛りだくさん!刀剣の歴史や鑑賞の所作・見どころなどは程々に、今回は各自に愛用の包丁をご持参頂き、実際に研いでみよう!という体験の時間を設けました。


今回一番の名品、和鉄の出刃。



包丁の研ぎが終わったら、たった今研ぎ上げたばかりの包丁を使って、魚を三枚に下ろします。生まれ変わった包丁の切れ味を身をもって体験頂いたあとは、さばいたばかりの魚で寿司を握る料理教室のお時間です。



みんなでにぎった寿司をお腹いっぱい味わったあとは、工房を移動して居合の見学&体験をお楽しみ頂きました!



朝の10時から20時まで、完全参加型の体験会をみっちり楽しんでいただきました!ちかい将来、この度の経験を養分に更なる飛躍をされますことを楽しみにしています。


人見知りのネコが、なぜかベッタリ。

ご参加くださいました皆様、ありがとうございました!

掲載記事

2017-06-30 01:09:43 | ブレイク
国内最高品質の呼び声高いフリーペーパー『No Guarantee』No.14に、掲載して頂きました!



No Guaranteeは、気骨あふれる有志が集い毎号自腹で製作しているというユニークな雑誌です。「コミュニケーションをテーマに会いたい人に会いに行く、伝えたいことを発信する」というコンセプトで発行を続けており、FOM大賞も受賞している全く新しいカタチの情報誌です。
14号の表紙をかざっているのは、言わずと知れたプロレスラーのジャガー横田さん。

ちなみに写真の後ろにみえる巨大な階段状本棚は、ここ数日仕事をサボって作り上げました!(笑)



このようなカタチで、当方の活動をご紹介頂けることに、大変感謝しております。



一般的な職方の在り方からすると、私の活動方針に違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、衰退の一途をたどる伝統工芸分野を少しでも知って頂きたいという気持ちで活動しております。


こちらは、先月掲載頂いた朝日新聞の記事。

これからも己の信念に従い、文化活動を積極的に続けていきたいと思っています。日頃から応援してくださっている皆様には、この場をお借り致しましてお礼申し上げますと共に、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

戸塚を思う

2017-05-20 11:57:08 | ブレイク
昨日、徹夜明けの身体に鞭打ち、戸塚へ・・・。刀剣修復のご相談があるということで、ご近所さんのご自宅へ車を走らせました。

戸塚は、江戸時代に旧東海道の宿場町として栄えたことが知られています。近年、駅前の急速な再開発で、新しい街として生まれ変わりつつあります。
戸塚町にある富塚八幡の縁起によると、平安時代に戸塚修六郎友晴らがこの地を開墾したことに由来し「戸塚」と呼ぶようになったとあります。



当時の山ノ内荘の地名からも、戸塚が古い地域である事がわかります。
となれば、相模の文化である坂東の武家文化と密接な関係が想像できます。
中でも武家の権力の象徴として、武力を支えたであろう製鉄の技術が発達していたことは安易に想像できます。ところが、このあたりは極端に資料に乏しく、製鉄の遺構なども栄区に比べて調査が進んでいません。

そこで、注目に値する資料を一つご紹介します。



「本朝鍛治考」に、日頃見慣れない相州鍛治の一群の記載があります。



室町期の刀匠弘房が、相州土塚住とあります。この土塚は戸塚の誤記と思われます。そうです、室町時代まで戸塚の地にも製鉄の文化が生きていたのです。元々技術や文化的土壌の無いところに、突然製鉄文化は登場しませんので、戸塚区の地域でも栄区同様、相州鍛治が活躍していたことが考えられるのです。

山ノ内と沼間の鍛治集団はよく知られていますが、山ノ内荘全域で高度な製鉄文化が発達していたことを根本的に理解する必要がありそうです。

鎌倉の鉄に関する文化活動

2017-03-23 14:13:14 | ブレイク
先月、NPO法人「鎌倉別荘地時代研究会」様より講演依頼を頂戴し、鎌倉にて講義をさせて頂きました。



今回の講演では、予てより地域の文化圏と相州伝との関係について、共に調査や意見交換をさせて頂いている日刀保理事の安藤先生と時間を別けてお話をさせて頂きました。



当方からは、遺伝学的検知から見た日本人の起源より、製鉄技術の最古の流入経路の一つを北方ルートと仮定した場合の製鉄文化の伝播をご紹介しました。



また、安藤先生からは、製鉄及び日本刀の歴史と相州伝の誕生までをご紹介頂きました。



最新の研究論文や古文書類の紹介も含め、鉄の文化や歴史に興味のある方もない方も楽しめる内容でご案内できたと思います。



また、鎌倉時代~近代までの鎌倉周辺で作刀された刀剣を展示し、その違いなどもご紹介いたしました。



昨今、鎌倉での活動依頼が増えており、鎌倉へ行く機会が増えています。活動を続ける度に素晴らし出会いに恵まれ、私自身大変勉強になっています。



今後も活動を続けていきたいと思っておりますので、見かけましたらお気軽にお声掛けください。



少しでも、少数派の伝統工芸職人の存在や、見過ごされがちな鉄の文化にご興味をお持ち頂く切っ掛けになりましたら幸いです。

桂小五郎の虎徹

2017-02-20 09:58:41 | ブレイク
ご来訪ありがとうございます!しばらく手付かずな状態が続き、さすがに「ブログを更新しないのか?」とお叱りを頂きましたので慌てて投稿させて頂く次第です。
言い訳になりますが、昨今一筋縄ではいかないご依頼が立て続き、なかなか拵えの完成に至らないことからブログどころではない!という状態です。近々、新規作成の御刀が完成しますので出来上がり次第更新させて頂きます!

さてさて、今回は幕末の偉人桂小五郎のお話をしたいと思いますのでお付合いください。



木戸孝允こと桂小五郎は、吉田松陰の知遇を得て頭角を現わし、のちに尊攘派の指導的立場となった大人物です。当時の江戸三大道場の一つ神道無念流の練兵館にて剣術を修め、剣豪の名を天下に轟かせました。池田屋事件では、危機一髪難を逃れるなど、常に幕末の激動の中に身を置き、坂本龍馬の斡旋で薩長同盟を締結したり、征長戦にて幕府軍を退けるなど活発な活動を続け、薩長主導による武力倒幕を成し遂げ、新政府を樹立した功労者の一人です。

新政府樹立後は、欧米に歴訪するなど輝かしい活動を続けますが、晩年は心を病み病没。享年45歳でした。

虎徹大鑑によると、愛刀は長曽祢虎徹の名刀で、島津斉彬より薩摩鶴丸城で拝領したことから鶴丸と号されたそうです。刃長は、二尺一寸六分(65.4cm)反りは、三分(0.9cm)折り返し銘で長曽祢虎徹入道興里、元々は2尺4寸程度の刀身を摺り上げた御刀といいます。

先日の鑑定会で出題された虎徹の茎の写真です。



上の出来は、遠目に見ても間違えようがありませんので当然「当り」。



ご覧のとおり、折り返し銘にて長曽祢虎徹入道興里。



ウブの目釘穴から鑑みて、元は2尺4寸前後。



記録にある桂小五郎の愛刀「鶴丸」と、特徴が一致!まさに、桂小五郎が島津斉彬公から拝領した鶴丸そのものと思われます。

サナダ鍔

2016-07-18 02:26:22 | ブレイク
今年の大河ドラマは「真田丸」、言わずと知れた真田幸村らの活躍をドラマ化したTV番組です。史実とは若干違う部分もありますが、面白可笑しく歴史に触れられることで大変人気があるようです。
真田幸村と言えば、日の本一の武士(もののふ)などと評され、最も人気のある戦国武将の一人だと思います。

そんな真田一族の歴史は古く?、成和源氏の末裔とも、百済王家の子孫とも言われています(新宿高島屋での講演会でも少しだけお話しました。)とはいえ、史実上最も早い時期に活躍した真田氏と言えば、三浦氏から派生した岡崎義実の嫡子真田義忠ではないでしょうか?

真田義忠の所領は、現在の神奈川県平塚市真田周辺といわれています。
つまり、戦国時代に活躍した真田一族の発祥の地は、神奈川県平塚市真田の一帯かもしれません。



上記平塚市真田周辺の地図を見ると、近隣には神奈川の語源ともいわれる金目川や岡崎の地名(相州伝の名工、岡崎五郎正宗との関係は?)、川上には大陸からの帰化人が入植したといわれる秦野があり、足柄山から見て東側(坂東)であることは言うまでもありません。立地条件から考えて当初のサナダ氏は製鉄氏族であったことがうかがえます。

そんなサナダ氏ですが、江戸時代には大名家としてばかりか様々な分野にも活躍の場を広げています。

高級品ではありませんが、私の好きな鍔の一つに佐名田鍔があります。別名天法鍔とも言いますが、在銘にて佐名田天法と刻まれた作品を目にします。



焼き手腐らし技法というのでしょうか、無骨な肌合いがいかにも朴訥として武人の息遣いが聞こえるような面白さを感じます。



表面には、上下写真の如く「金」の槌目が全体に見られることも特徴の一つです。この「金」の刻印の意味ですが、「金」の語源を調べると一説には「か」を「堅く」(古語で焼く意味)、「ね」を「練る」とするものがあるので、よく練った強靭な鍔だよ!といった意味を含む意匠と考えられます。



見慣れてくると、「あぁ、同じ手だな!」と分かってくるのですが、他にも特徴的な共通点があります。



こちらの写真は別の鍔ですが、共通する部分がお解りになりますでしょうか?



笄櫃の歪な形状が共通しています。鍔の下工として、半製品を鍔職人に卸していた国広鍔ですら笄櫃の形状はもう一つ上品です。あまりに不自然なのでかっこ悪さすら感じますが、実際に笄を用いるような高級な拵えに用いることは当初から想定していなかったため、あくまで形だけ誂えたといった感じがします。

ちなみに、佐名田鍔を研究されている方を存じ上げないのですが、真田家とも関係があるのでしょうか?ご存知の方がいらっしゃいましたらご一報ください!「あり」となれば、私の想像力に火がつきます(笑)。

ここからは私の行き過ぎた空想?妄想?なのですが、隠れキリシタンとの関係を疑っています。銘に天法と切ることについて、隠しメッセージとしてTemple(英)・Temple(仏)・Tempio(伊)・Tempel(独)・Templum(ラテン)を意味しているのではないでしょうか?また、隠れキリシタンの墓標には「天」の一字を用いることも良く知られています。
さらに、真田幸村は洗礼を受けていたとする説もあることから、江戸初期に大量に作られた事と当時の史実などを照らし合わせて、大阪での軍資金調達に一役かったのではないか?と睨んでいます。

その後も、例えば1636年に長崎で捕らえられたアウグスチノ会のトマス次兵衛神父は金鍔次兵衛と呼ばれており、「金鍔」は次兵衛が金の鍔の差料を帯びていたことからそう呼ばれていたとされていますが、当時ゴールドの鍔を用いていたとする時点でかなり怪しいことから、「金」の刻印が散りばめられた鍔を用いていたと解釈した方が理解がスムーズです。つまり佐名田鍔を用いていた或いは隠れキリシタンの証として信者や協力者に渡していたなど、定説よりも様々な解釈ができます。

いずれにしても、よく練れた武骨な鍔ですので、実用には大変重宝します。

刀剣文化の世界発信プロジェクトご支援のお礼

2016-01-17 22:23:49 | ブレイク
1月8日に告知させていただきました、インドでも武家文化の紹介活動への緊急のご支援のお願い!につきまして、本日当初の設定金額を越えるご支援を頂きましたことをご報告します!

クラウドファンディングの実施期間としては短く、限られた日数にも関わらず異例のはやさで目標を達成し、しかも現在もなお温かいご支援が絶えない状態です。



まずは、当方の活動を応援し、ご支援くださいました皆様に、心からのお礼を申し上げます。皆様のお蔭をもちまして、インドでの武家文化紹介活動を実施することが叶います。


写真は、2015年3月28日に大田区の長久山安詳寺にて開催した伝統文化イベントの様子。

継続してご支援をお願い致しますので、引き続きインドへの正しい文化発信のために、皆様のお力添えをお願いいたします。
詳細は、こちらのクラウドファンディングのページにて公開中です!

最後になりますが、大塚寛信が続けている国際交流は、小さな小さな一歩に過ぎません。しかしながら、日本の伝統文化を少しでも多くの方々に知っていただき、世界と日本の良好な関係作りに寄与できればという想いで活動を続けています。
また、一人でも多くの日本の方々に、一伝統工芸職人が個人レベルで国際交流を行なっている事実を知って頂きたく、クラウドファンディングを活用させて頂いております。合わせて応援の程、よろしくお願いいたします。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!