徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

小柄の白鞘制作・ハバキ制作・研摩 その2

2013-02-28 22:49:58 | 刀身研摩
現代作の小柄二本目が、たった今完成しました。



前回の小柄とは、また違ったおもむきがあります。



刃紋だけを見ると、小柄というより短刀を鑑賞しているような錯覚に陥ります。



今月中に三振り仕上げる予定でしたが、残念ながら三本目が未完成です。
出来るだけ早く完成させて、お届けする予定です。

ミニハバキ代:6000円
白鞘代:8000円
刀身研摩代:9000円

居合拵え

2013-02-23 01:07:24 | 拵工作
実戦重視の強靭な柄前が完成しました!



ご依頼時の柄前は、お世辞にも実用的とは言えない作り込みでした。
一度バラバラにして、下地の調整から新たに作り直しました。



明日にも納品を待つばかりです!

小柄の白鞘・ハバキ制作・研摩

2013-02-23 00:17:22 | 刀身研摩
現代作の小柄に、諸工作を施しました。
三本ご依頼いただいた内の一本目が完成です!

工作内容は、ミニサイズのハバキを新たに作り、白鞘を作成し、研摩を実施しました。



通常の小柄にはハバキを作りませんが、この度のご依頼では若干大き目の小柄型ナイフのため、刀剣同様の工作としました。
白鞘は、様々な用途で使用される可能性も考慮に入れて、柄を若干握りやすくしぼりました(合口拵型)。



刀身は、差し込み研ぎという研ぎ方で仕上げました。
研摩を終えて、じっくりと鑑賞すると、新々刀最上作を見るかのような出来です。



後、二本、今月中に何とか仕上げたいと思います。



ミニハバキ代:6000円
白鞘代:8000円
刀身研摩代:9000円

柄前新規作成(居合向け大刀編)

2013-02-07 00:39:57 | 拵工作
大刀の柄前が完成しました。



当該お刀は居合にお使いになられており、修復のご相談時に柄を外すと、柄下地の峰側に亀裂が入ったとても危険な状態でした。

そのため、下地から新たに作成することをご提案いたしました。
刀装具は、元々用いられていた物を再利用することとし、鮫皮は短冊から一枚へ変更。
柄糸は、皮製のものから正絹に変更し、諸捻り巻き(目貫部のみ諸摘み)で巻き上げることで、使用感の向上と実用性を加味しました。

ちなみに、付属の鞘は今まで見た鞘の中で最も美しい鞘の一つでした。



武道用と言えども、鑑賞にも堪えうる拵えとして制作することは、当方のモットーでもあります。

小林秀雄氏の「鐔」

2013-02-03 13:26:09 | ブレイク
今年の大学入試センター試験の国語で、例年にはないある異変があったといいます。
それは、平均点が5割を下回るという、受験生泣かせな難問であったということです。
中でも難しい問題として、長文読解がありました。
今年は、表題の小林秀雄氏の「鐔」が出題されましたが、まさに私たち刀職の専門分野ということもあり、早速目を通すことにしました。

以下、大学入試センター試験原文より

     

問題文は後日アップしますが、まずは文章をご覧ください。
これを本当に高校生が読解できるのかな?と疑問に思う箇所も多々ありますが、業界人としては実にうれしい文章でした。
平均点が下がったのもうなずけますけれど・・・(笑)。

脇差拵

2013-02-02 05:40:42 | 拵工作
新々刀期の短刀に、脇差拵を制作しました。



この度のご依頼は、白鞘の短刀身を居合の添え差しとして用いる旨のご相談であったため、強靭さと実用性を重点に拵一式を制作いたしました。

工作時の方向性として、刀身と同時代の様式にて、幕末頃の復古調をイメージしました。
鞘塗りは、以前より居合道家の方々に定評のある、荒い石目にて仕上げました。
これは、武道の練習中の激しい動きでも、脇差の位置がずれないように帯びにしっかり収まるための加工です。
柄前は、若干柄頭が張った作り込みになる様、大きめの縁頭を用いて、柄成を極限まで絞ることで立鼓を強調しました。

柄巻き技法は、片摘み巻きです。

時間の制約がある中で、何とか完成させることができました。