98式陸軍軍刀拵えが完成しました!

当該形式の軍刀拵えは、昭和10年代に旧帝国陸軍によって正式採用された強固で実戦的な刀剣外装です。その後の戦況の悪化に伴い、戦地へ赴く士官の装備品として多くの軍刀が製造されましたが、戦時下のひっ迫した需要に追い付かず、粗悪品が増えていきました。そのため、軍刀拵えは悪い拵えの代名詞の様に、長く嫌われてきた傾向があります。

この度の軍刀拵えは、戦時下に作刀された真面目な鍛錬刀に、軍刀拵えを着せるというご依頼でした。
ご依頼時の状態は、戦闘による破損や経年劣化により「補修を施す」という次元のものではありませんでした、結果的にご提供いただいた刀装具を用いて、拵えを新たに製作するというイメージで工作に入りました。
修復前の様子は、アメブロにて公開中!
・「昭和刀(その1)」(2013/04/30)

お刀は、樋を通した2尺1寸程度の刀身であったため、使用時の操作性や行軍時の携帯感を向上させるため、若干短めの柄前としました。
特に設計上こだわった箇所は、新規に作成した軍刀としてではなく、当時の空気感の再現に重きを置いたことです。また、当時の感覚で実戦でおくれをとらない様、強靭に製作したことも最大の特徴です。

実施した工作内容は、以下の通りです。
・太刀ハバキの新規作成
・鉄鞘の入子鞘の修復
・切羽の調整
・鍔の責め金
・柄下地の新規作成
・鮫皮(江戸時代の鮫皮)一枚着せ
・柄巻き
・刀緒の補修
お祓いも終了し、全工作が完成しました!
戦争から約70年が経過し、現存する軍刀拵のほとんどが、保存状態が悪化しています。
近年、ご家族の思い出として、軍刀を大切に扱ってくださる若い方が増えてまいりました。
しかしながら、真面目な修復を施す職人が少ないことも事実です。
これからも、日本の歴史の1頁として、大戦の記憶が後世に正しく伝わることを願い、軍刀の修復にも注力していきたいと思っています。
最後まで、ご拝読ありがとうございます。

当該形式の軍刀拵えは、昭和10年代に旧帝国陸軍によって正式採用された強固で実戦的な刀剣外装です。その後の戦況の悪化に伴い、戦地へ赴く士官の装備品として多くの軍刀が製造されましたが、戦時下のひっ迫した需要に追い付かず、粗悪品が増えていきました。そのため、軍刀拵えは悪い拵えの代名詞の様に、長く嫌われてきた傾向があります。

この度の軍刀拵えは、戦時下に作刀された真面目な鍛錬刀に、軍刀拵えを着せるというご依頼でした。
ご依頼時の状態は、戦闘による破損や経年劣化により「補修を施す」という次元のものではありませんでした、結果的にご提供いただいた刀装具を用いて、拵えを新たに製作するというイメージで工作に入りました。
修復前の様子は、アメブロにて公開中!
・「昭和刀(その1)」(2013/04/30)

お刀は、樋を通した2尺1寸程度の刀身であったため、使用時の操作性や行軍時の携帯感を向上させるため、若干短めの柄前としました。
特に設計上こだわった箇所は、新規に作成した軍刀としてではなく、当時の空気感の再現に重きを置いたことです。また、当時の感覚で実戦でおくれをとらない様、強靭に製作したことも最大の特徴です。

実施した工作内容は、以下の通りです。
・太刀ハバキの新規作成
・鉄鞘の入子鞘の修復
・切羽の調整
・鍔の責め金
・柄下地の新規作成
・鮫皮(江戸時代の鮫皮)一枚着せ
・柄巻き
・刀緒の補修
お祓いも終了し、全工作が完成しました!
戦争から約70年が経過し、現存する軍刀拵のほとんどが、保存状態が悪化しています。
近年、ご家族の思い出として、軍刀を大切に扱ってくださる若い方が増えてまいりました。
しかしながら、真面目な修復を施す職人が少ないことも事実です。
これからも、日本の歴史の1頁として、大戦の記憶が後世に正しく伝わることを願い、軍刀の修復にも注力していきたいと思っています。
最後まで、ご拝読ありがとうございます。