短刀の修復が終わりました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/94/aaea93a775e3692d526147d70566d6cc.jpg)
刀剣の工作では、刀身の長さに関わらず一振りに掛かる工作内容はほぼ同程度の労力・時間が必要です。単純に考えると、短い短刀類よりも長い刀の工作の方が大変なイメージがありますが、必ずしも長さに比例して難易度が上がるわけではありません。確かに材料費は大きな作品になればなるほど嵩みますし、材料を厳選する都合上時間も要します。
ところが、実際の工作となると極端な長さや形状の違いでもない限り、結局工程が同じである以上工作に大差ないというのが実際のところなのです。
今回のご依頼は、ネットオークション?で購入された短刀のご相談です。「現状の完成度が低いので何とかしたい」というものなのですが、最近多いご依頼の特徴の一つでもあります。
写真写りのみを向上させるために取り合えずそれらしく修復?加工?された刀剣をお持ちになる方があまりにも多いです。
ご購入されたまでは良いものの、実際に手に取ってみるとその完成度の低さに辟易するらしく、当工房へご相談をお寄せになります。
この度の工作内容は、刀身の再研磨、柄前の新規作成、鍔の交換、鞘の修復、つまりほぼ全てに手を付けました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/e0/672db5e03bf61799d0b9f342974a5fa0.jpg)
この手の御刀の特徴は、鞘をラッカー塗料で青貝散しの笛塗りに仕立てているケースが多く、柄前も流用下地に雑な諸捻の柄巻を施していることが共通しています。
おそらく器用な素人さんが、趣味が高じて錆身を光らせて外装をそれらしく補修し、インターネットで転売して利益を得ているのでしょう。
我々刀職ならずとも、実物を見れば購入を躊躇するような出来ですが、そこはインターネットの魔力でしょうか?刀剣にしては安いという感覚で、ついつい手を出してしまうようです。
ところが、そうしたオークション出品者は刀身の本来の価値を理解しないままガリガリと削ってしまうのか刀身が痩せてかなり消耗しています。また、刀身に合わせた研磨なども施すはずがなく、直刃調の刃取りで化粧を施すため、本来の刀身の美しさが失われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/2a/92ca4064f76c06854b3ca2e0d93c6980.jpg)
まずは刀身を研ぎ直してみると、働きに富んだ出入りの激しい焼刃が顔を出してくれました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/9d/9f73366aa222fc6e92bce95653db6b4c.jpg)
柄前については、使用感やバランス・刀身に合った形状など考えられているわけもなく、これ以上手を付けられないので新たに作りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/cd/233ebd3ce73cf2d8efb456c19f6140aa.jpg)
ご要望により、グッと引き締まった立鼓型に仕立てて、戦国時の雰囲気を復古しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/d3/91e13e049c791ea7a25eb04f77c1d0d7.jpg)
鞘のコジリがあらぬ方向を向いていたので、新たにコジリを作り直して、蝋色に漆を塗って仕上げました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/04/f447864cb7028a5d0bb84917b282c6ef.jpg)
ここまで修復を加えると、グンと見違えるように刀剣らしい形状に生まれ変わります。
但し、ここまで手をかけるには、時間も労力もかかります。
できることなら実物をご覧になって購入されることが、納得の一振りと出会う最短ルートであろうと存じます。
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刀剣の工作では、刀身の長さに関わらず一振りに掛かる工作内容はほぼ同程度の労力・時間が必要です。単純に考えると、短い短刀類よりも長い刀の工作の方が大変なイメージがありますが、必ずしも長さに比例して難易度が上がるわけではありません。確かに材料費は大きな作品になればなるほど嵩みますし、材料を厳選する都合上時間も要します。
ところが、実際の工作となると極端な長さや形状の違いでもない限り、結局工程が同じである以上工作に大差ないというのが実際のところなのです。
今回のご依頼は、ネットオークション?で購入された短刀のご相談です。「現状の完成度が低いので何とかしたい」というものなのですが、最近多いご依頼の特徴の一つでもあります。
写真写りのみを向上させるために取り合えずそれらしく修復?加工?された刀剣をお持ちになる方があまりにも多いです。
ご購入されたまでは良いものの、実際に手に取ってみるとその完成度の低さに辟易するらしく、当工房へご相談をお寄せになります。
この度の工作内容は、刀身の再研磨、柄前の新規作成、鍔の交換、鞘の修復、つまりほぼ全てに手を付けました。
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この手の御刀の特徴は、鞘をラッカー塗料で青貝散しの笛塗りに仕立てているケースが多く、柄前も流用下地に雑な諸捻の柄巻を施していることが共通しています。
おそらく器用な素人さんが、趣味が高じて錆身を光らせて外装をそれらしく補修し、インターネットで転売して利益を得ているのでしょう。
我々刀職ならずとも、実物を見れば購入を躊躇するような出来ですが、そこはインターネットの魔力でしょうか?刀剣にしては安いという感覚で、ついつい手を出してしまうようです。
ところが、そうしたオークション出品者は刀身の本来の価値を理解しないままガリガリと削ってしまうのか刀身が痩せてかなり消耗しています。また、刀身に合わせた研磨なども施すはずがなく、直刃調の刃取りで化粧を施すため、本来の刀身の美しさが失われています。
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まずは刀身を研ぎ直してみると、働きに富んだ出入りの激しい焼刃が顔を出してくれました。
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柄前については、使用感やバランス・刀身に合った形状など考えられているわけもなく、これ以上手を付けられないので新たに作りました。
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ご要望により、グッと引き締まった立鼓型に仕立てて、戦国時の雰囲気を復古しました。
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鞘のコジリがあらぬ方向を向いていたので、新たにコジリを作り直して、蝋色に漆を塗って仕上げました。
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ここまで修復を加えると、グンと見違えるように刀剣らしい形状に生まれ変わります。
但し、ここまで手をかけるには、時間も労力もかかります。
できることなら実物をご覧になって購入されることが、納得の一振りと出会う最短ルートであろうと存じます。