前回のお話の続きです。
紅太郎 「んで、んで、それからどうしたの?エリザベスちゃんとお友達になったの?」
サ吉 「 そ、それが・・またお会いできますか、って聞かれて・・恥ずかしくなって逃げてきちゃったんだ 」
紅太郎 「ええええええ~~~~!なんてこったい。 サ吉君らしくないよ。逃げるなんて~~。んでんでそれで終わり?」
サ吉「いや、終わりじゃなかった。それからがまた苦しみの始まりさ。 ご飯ものどを通らなくなって・・・見る物が全部エリザベスに見えるんだ。エリザベスを遠くから見ている時は憧れだっのかもしれない。 彼女の声や優しさに触れて、おいら、本気でほれちゃったんだ。
紅太郎「ホレル?」
サ吉「そうだよ。 惚れちゃったんだ。心を全部持って行かれて他のことどうでもよくなるんだ。ご飯さえも。
紅太郎「どひゃ~~。ご飯もかい~~? ぼくホレなくていい~~ 」
サ吉「「 ふっ。 そんな、自分でどうにかできるもんじゃないんだよ、紅太郎君。 ・・・そんな日が数日続いたある日、郵便屋さんのもー吉君がエリザベスからの手紙を届けてくれたんだ。 この前の御礼にぜひ食事に招待したい、ってことだった。断ろうと何度も思った・・・だって助けたこと、あれは自分で勝手にやったことだったし。でもあの時何も言わずに彼女から逃げるように去ったから、申し訳なくて・・・このご招待だけは受けることにしたんだ。
紅太郎「 ごっくん。 ご馳走らった? 」
サ吉「す、すごかったよ。盆と正月とクリスマスとハロゥイーンと子供の日が一遍に来たような感じだた。シタビラメのムニエル、鴨肉のオレンジソース掛け、サーモンのテリーヌにラムチョップ、季節の野菜盛り合わせ、トロピカルフルーツ盛り合わせ」
(紅太郎・・あまりのご馳走の話に気を失う バタン)
でもね、緊張してたし、何の味もしないんだ。あんな風にお上品に食べたことないし・・・エリザベスにおいらなんか不似合いだとわかったんだ。だから・・・
(紅太郎まだ気を失っている)
それっきりおいらはエリザベスの家の方には近づかなかった。 最初の頃の胸の痛みとは違う痛みがおいらを襲った・・・ なんの希望ももてないただの痛みさ・・ (サ吉苦しそうに空を見上げます。)
そしたら・・・ある日、エリザベスがどこで聞いたのかおいらのところへ来てくれたんだっ。紅太郎君っ。お~い。起きてくれよ~~。やれやれ、仕方ないなあ。
紅太郎気を失ったまま・・・でもサ吉は話を続けます。
彼女は、絶対今までそんなことしたことないだろうに、おいらの晩ご飯の魚を丸ごと飲み込んだんだ。おいらに気を遣ってくれてるのがわかった。・・・嬉しかったよ、彼女の優しさが・・
紅太郎「 ご、ご馳走・・・。ごめんねー。 あんましすごい話らったから。」
サ吉 「 いいんだよ。今ぼくはあの時のことを思い出して幸せな気持ちでいっぱいだから・・・紅太郎君ね、おいら ほんの少しの間だったけどエリザベスとお散歩もしたんだよ。
お互い交わす言葉は少なくて、いや、ほとんどしゃべらなかったんだけど、心と心が通じ合っているような気がしたよ。
紅太郎 「 よくわかんないけど、ほっぺが熱くなってきたろ。 でもさー、やっぱ口で「惚れてる」とか言わないとわかんないんじゃないの? いわゆる告白というものをすればよかったのに・・」
サ吉 「 じ、実は・・・・おいらもきちんと気持ちを伝えようと思ってあの日・・・野原で摘んだお花とススキを持って彼女を訪ねるつもりだったんだ。
紅太郎 「ススキ?」
サ吉 「いや、あの、その、そ、それはいいんだ。 とにかくあの日・・・・公園のそばを通ったら
続きは来週でーす。ひっぱってごめんなさい。来週は最終話です。
おまけ
こちらラブラブの散歩の様子を聞いて頬を染める紅太郎
「 れへへ~」
と、自分は経験ないくせに真剣な顔でアドバイスする紅太郎
「 こくはくすべきらよ。男らろ~! 」
以前の記事でご紹介した歌を○○先生がピアノ曲にアレンジして下さいました。感激で涙が出ました。一生の宝物です。 拙いメロディーも先生の手にかかると魔法のように綺麗。しかも娘さんとの連弾! 嬉しいっ。本当は全曲ご紹介したいのですが動画でどこまで(長さとか?)できるのかわからないので今回も実際どんな風にできあがるか心配です。音が途切れ途切れになっていたら申し訳ありません。 寝起きの紅太郎はおまけです。ぼーーーっとしてます。(汗) ○○先生、みーちゃん有り難う~~