門前の小僧

能狂言・茶道・俳句・武士道・日本庭園・禅・仏教などのブログ

5/13(金)寺子屋素読の会 開講!

2016-05-10 20:37:52 | カルチャー講座
今週の金曜日、寺子屋素読の会5月度講座を開講します。
http://nobunsha.jp/img/terakoya%20annai.pdf


■Aクラス 松尾芭蕉「奥の細道」

東北をめぐる芭蕉の詩魂の旅は、いよいよ終盤にさしかかりました。
今回は、〈立石寺〉〈最上川〉〈羽黒〉の章を読み進めます。
〈立石寺〉では目もくらむような断崖を上り、すべての音が死に絶えたかのごとき静寂の中で、

 閑さや岩にしみ入る蝉の声

の名句が生まれます。

〈羽黒〉では、出羽三山を詣で、修験道の聖地をたずねる芭蕉一行。2000m級の月山頂上で一宿し、死関を通過した芭蕉は魂の再生を果たします。そこは炎天下に梅花が咲き、雪中に芭蕉葉が茂る、悟りの世界。

 雲の峰いくつくずれて月の山

の句を得、三山の別当代理、会覚阿闍梨に献ずるのです。

■Bクラス 世阿弥「風姿花伝」

「風姿花伝」の別伝にあたる、第六花修云を読み進めています。
今回は、第二段落「音曲・働き一心の口伝」と第三段落「強い・幽玄と、荒い・弱い」を講読。
「謡うも風情、舞うも音曲」の万曲一心の奥儀とは?
幽玄な芸とはただ、優しく美しい舞台をいうわけではない。また、強い芸とはひたすら荒々しく激しい芸をいうわけではありません。世阿弥は、究極の物真似では「幽玄=強い」になると指摘します。

 危うからぬは強きなり。

「体」と「用」を体得することにより、能芸の「幽玄・強い」の違いがはじめて明らかとなっていきます。