門前の小僧

能狂言・茶道・俳句・武士道・日本庭園・禅・仏教などのブログ

6/16(木) 千利休最奥の秘伝「カネワリ」を解き明かす講座

2016-06-13 21:11:49 | カルチャー講座
6/16(木)、よみうりカルチャー恵比寿校にて、
「千利休侘び茶の世界~南方録を読む」が開講されます。

■『南方録』を読む
 千利休と侘び茶の世界
http://www.ync.ne.jp/ebisu/kouza/201604-01510201.htm
第3週 木曜日 10:30~12:00

今回より当講座では「墨引」の章を読み始めます。

当章は、その秘伝をあまりに詳述しすぎる、と師利休により
書付の全文に墨を引かれた(抹消線)といういわくつきの秘伝です。

現在、『南方録』にのみ残る茶道具置き合わせの法則、〔カネワリ〕は、
台子天板を11分割した位置に、どの道具をどのように飾る、かというもの。

禅の「教外別伝」を伝授の背景としながら、陰陽五行思想を理論の
骨組みとする、わが国独自の茶道の精緻な法則です。

受講生のみなさまと討議検討しながら、利休が伝えようとしたものは
何かを、一歩も二歩も踏み込んでいきたいと思います。

西洋の黄金分割と一見似たようにも思えますが、カネワリはさらに
実践的かつ先鋭な「美の理論」を展開するもの。

茶道を学ぶ人だけではなく、アートやデザイン、建築など、
様々な表現活動に携わる人に、西洋由来の固定概念をくつがえす、
深い洞察を示唆してくれるのです。

利休は美において、ただ「シンプル」や「極小化」のみを追求したのではありません。
南方録のカネワリを通じて、はじめて利休の侘び茶とは何かが見えてくるのです。