小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

藩校跡

2011-09-19 | 雑記




歯医者に予約を申し込んだら三日も先だった。
急ぐけれど仕方ないからその日に行った。

帰途ふと兄の月命日だということを思い出した。
春に三回忌をすませた。
庭のカサブランカが咲いたのをたくさん伐って行ったのが最後の墓参。
橋を渡らないと城下町へは行けないので数少ない機会。
兄の墓にはいつ行っても供花が絶えない。それを見込んで手ぶらで行った。
やはり花は溢れていた。
同じ墓所内にある伯母(父の姉)のお墓にも手を合わせた。
こちらは古色蒼然のカラカラ。大正元年建立とあった。
今度はお花を持ってくるね。カサブランカはきれいだったでしょ。

帰り道のこと。一直線に和歌山市駅に向かった。
知ってる道しか走れない私。
おお?駅手前の小さな橋が一方通行で左右のどちらかに行かなければならない。
仕方がないので右にハンドルを切った。
堀に沿った道…進んでゆくと建物の角に見つけた。これがそれ。
藩校ってここにあったのか!
この堀(すっかり汚れてるけど)はお城の外堀だったのかな。
ここも伏虎城(和歌山城の別名)の城内だったんだ。
横の大きな建物は「世界一統」という紀州のお酒の醸造元らしい。
蔵元という雰囲気はなかった。

思いがけず藩校の位置を知ったので小梅さんへの親しみが増した。
墓参りはするものだわ。




おまけ
洗濯したてのダダ君。
日本を洗濯するような力がないのでワンコを洗濯してみました。

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十月四日

2011-09-14 | 嘉永二年
 
風はない。風呂を焚く。
岩一郎は志賀へ行く。
田中によって菊の花をもらい太刀の皮鞘を借りて帰ってきた。
民楠方から寿司をつめた中のお重二つ家来に持たせてよこした。
家内一同そろっていただいた。
野上と酒井省安が来て蓋付き小鉢に鮎の子の煮た物をもらった。
菓子とぶしゅかん酒をだしただけ。
剣道の仕合になる。
月仙の山水画の掛け物を一つ送った。
小出から使いが来た。
雲母紙一枚と大雅堂の山水画譜二冊を貸す。

権七を伊勢参りに行かせた。
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十月三日

2011-09-09 | 嘉永二年

今日は天気がいいが少々寒い。
岡本緑邨が来るらしいので肴をいくつか作って待つ。
淺之助も同道するらしい。
小出にも言っておいたので小魚を二尾よこした。
栗山が願書(入塾?)を持参し、かなんど(果物か?)を七つ添えてある。
岡本民楠は小重に入れた菓子を二つ送ってきた。
家来と両人には魚の昼食を出した。
遠藤から小鯛二尾に大きなしめじを八つほど添えて送ってきた。
何かいろいろともらったので九右衛門殿にもおいでくださいと言いにやりたがったが権七の姿は見えず、良蔵は留守。
寒くもあってそのままにしていたら四時頃に良蔵が帰ってきたので早速にお籠町まで呼びに行かせると来られるとのこと。
志賀から柚を二十ばかりもらって岩一郎が帰ってきた。
そうした処、待っていた岡本も淺之助来られなくなったというので市川を呼びにやった。
遅くなって来た。
善一殿が来て
「親もご挨拶に参るつもりでしたがあまりに寒いのでわたくしだけで参りました」とのこと。
深夜まで咄す。
時雨空で何の興もわかない。
合作するつもりだったのに硯も出さないまま愛想のないことだった。
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十月二日

2011-09-08 | 嘉永二年

快晴でとてものどか也。
二時頃から三浦へ行った。
白井忠二郎が礼に来た。
庄助も玉州の二幅対の山水絵を見せに来た。
良蔵は岩橋へ米を搗きに行った。

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十月朔日(一日)

2011-09-04 | 嘉永二年

大いに風が立つ。しかし雨は降らない。
今日は山本彦十郎殿に菊の花見にと招かれている。
四時前くらいからお訪ねすると、伊藤、志賀、岩橋、淺之助、岡本、小出、久家らも招かれているという。
菓子を一袋持参した。
緑邨に菊と白鱗の蝶などを半切に書いた絵をもらった。
合作のお願いをしておいた。
夜が更けてから小出と一緒に帰った。
留守中に村井多右衛門殿が来たそうだ。
伊勢参りがさし迫ってきたので気ぜわしい。


緑邨
岡本緑邨。本名は邦直。南宋画家で花弁を描くのを得意とした。
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