小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

四月十三日、十四日

2016-08-28 | 嘉永四年 辛亥日記
四月十三日 
天気良し。
小梅は絹地に菊と寿老人の絵を描く。
4時過ぎに須磨琴を弾く大坂の人が来た。名前はわからない。
十二曲弾いた。
主人が岡野へ行くので酒も出さずに直ぐに帰らせた。
夜の10時頃帰ってきた。


四月十四日 
曇るる。しかし晴れていく。
小梅は寿老人を画けたので菊と二枚を山中に持参した。牛町だ。
肥後の人もちょっと来る。
浅之助もちょっとくる。
海野へも行き夕方に帰った。



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四月十二日

2016-08-23 | 嘉永四年 辛亥日記
 
はるゝ。
昨日はみなで梶取へ行く筈だったが雨だったので今日になった。
芸子らは襦袢緋縮緬で、黒五日市のバッチを履き、白縮緬の三尺帯、髪も男髷にして行ったということだ。
母君ととよ、岩一郎と了吉が小島まで見に行った。
主人は学校の当番なので小梅一人が留守番だ。
絹へ菊を描く。
九右衞門どのがお礼に来たらしいが知らなかった。
来合わせた千太郎が受け取った。
早朝には肥後の熊本の者が会いに来た。
また夕方には友人を連れて三人でくる。
北野杢右衛門も来る。
浅之助がふと来て酒を出す。浅之助は溜飲して帰った。
岩一郎、市川へ行く。
了吉の親類の岡本が来て庭から帰った。
昨日、瓦屋新蔵へ弐朱と札三枚を渡した。


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四月十日、十一日

2016-08-20 | 嘉永四年 辛亥日記

四月十日 
くもる。
朝、桃井隼人が来て茶菓をだすのみ。
昼過ぎに主人と桃井は和歌の橋の見物に行く。九右衞門どのも行くらしい。
一昨日、ようやく板を外したとのこと。まだ欄干は出来ていないそうだ。
が、祭礼までには出来るらしい。
昨日は餅投げが三カ所であったという。
小梅は画板に絹を貼る。くじら癪で二尺二寸の長さがある。


四月十一日 
降る。
唐詩撰の会でみんなくる。
夜は岩橋での会があって岩一郎が行く。
主人は伊藤泰蔵殿方へ行った。跡目の相談らしい。
おおきに良しとのこと。
深夜に帰る。
小梅は美人画を描く。
瓦屋が来て直させる。11匁1分渡す。





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四月九日 

2016-08-17 | 嘉永四年 辛亥日記
四月九日  
快晴。
今日は和歌山橋ができたので餅投げなどあるので人が多く出る。
昨日は梶取(地名)にお堂が建てられた。地つき礼とやらで鐘の音も聞こえて賑わう。
芸妓など四組ほど出たらしい。
2時過ぎから主人は出かけた。
牛町の山中へ行きの後、田中に行く。岩一郎も後から行った。(田中は嫁取りの日)
客は6人。嶋本種楠、瀬古楠左衛門、同妻、隠居、子。日田の姉は勝手を手伝い。つね代、夏下某など。あまりに寂しい。
隣家の三野あたりの一人を呼んで遊んだそうだ。
衣装は立派だったという。
小梅は風邪の引き返しで頭痛で臥している。
朝までは(田中の祝いに)行くつもりで髪をとかしかけていたのだが眩暈がしたので寝た。これは誰にでも頼めることではないので残念ながら行けなかった。
屋根屋の善兵が来た。
瓦代・功料は六匁。駄賃など合わせて11匁入用。土代外に60文。これは野口で取る。
今日は和歌餅投げ。この度、橋が出来たご祝儀の由。
梅本は朝の6時から行った。
餅投げの後でご祈祷やらがあるらしい。
また梶取へも上がったようだ。
賑わしく一位様(10代藩主徳川治宝公)へお悦び、時節も良くあのように賑わい候と申し上げたそうだ。
この間に大工町の寺子屋の師匠が子供等に襦袢の肩を脱がせて歩いたらしい。
一体において師匠はこのようなことを叱るべきなのに当節はこのような有様で嘆かわしい。
また、この頃に至っては乞食がたくさんになった。いずれもいずれも未だ破れる前の衣を着て慣れない様子で歩くのを見るのは忍びず、なんと言えばいいものか。
先だっての米高の時とは一風違う。米は随分ある。
上は良く、中から下は皆倒れるのだ。


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四月八日

2016-08-15 | 嘉永四年 辛亥日記
 
お試し(試験?)の日なので8時前に出た。山中へ行って2時から打ち合わせをする。
しかし、御休止のこととなって4時前に帰宅した。
岩一郎は岡野へ9日夕刻の断りの手紙を持参。
志賀良之助が礼に来た。
田中善一に、今晩、湯川楠六の娘が嫁に来るので肴を持たせる。
ちぬ3、小鯛2なり。いさきは家出食べた。
岡野から13日の雄にとの返事有り。


コメント (2)
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