小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

第三の新人

2024-07-28 | 読書
 「第三の新人」ときいて小説家だと分かる方はかなりの高齢でいらっしゃるかもしれないですね。
 ふとしたこと安岡章太郎の中編を読むことになって、ひゃあ! 第三の新人じゃんと思いました。
 学生時代の文化祭で「第三の新人』展をやったんです…遠藤周作や吉行淳之介、三浦朱門等々。
 昭和30年前後に登場した新人小説家たち。
 いろいろ読んだけれど二十歳前の女の子にはむつかしかったみたい。
 どの作品も戦争の傷跡や貧しさが満載されていて重くて生き方を考えさせられる作品が殆どでした。
 最近は桐野夏生にはまっていて入院の度にたくさん読んでます。
 破綻なく読みやすくラストを知りたくなる小説が多いみたいで挫折しません。
 が、久々に安岡章太郎を読んでモノクロの世界に呼び戻されたような感じがしました。
 五〇年という歳月はすべてをカラフルにしてしまったようです。
 生活の質もそうなんでしょう。成熟の先にあるのは崩壊? 色もいっぱい使うと黒になります。
 今、世界中、勿論日本もややこしい時期にさしかかっているような気がします。もうすぐ黒になる。
 日本という国も消滅するかもしれません。わたしが生きてるうちは大丈夫でしょうけれど。
 そういう意味からも「第三の新人」たちのその頃のに書かれた本を静かに読み返す時が来たのかもしれないと思います。
 自戒と反省と米、さらに夢を探して。

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小麦は食べるな(本間良子著)

2024-06-09 | 読書
 ふと目についたのが『パンと牛乳は今すぐ止めなさい』(内山葉子著)という本。なぜか心をくすぐられる感じでAmazonに直行した。でも売り切れで入荷日も不明。そのあたりをウロウロしていて目についたのが『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』という本。パントと関係あるのかな? 興味をそそられて購入した。
 何とも怖ろしい事が書かれていた。あらゆる病の原因は小麦の摂取にあるというもの。「三週間の脱小麦であなたの体に奇跡がおきる」
 ほんとかなあ。糖尿病だの高血圧だの認知症などなど該当する心配事がたくさんある。
 「脱小麦ねえ…」主としてパン類や麺類(生そばは除く)を食べないこと。ケーキ類も勿論ダメ。揚げ物に使う小麦粉などもアウトだけどまずはパンと麺類とケーキ類を食べないようにすることが第一歩らしい。
 なぜ小麦がいけないのかは科学的な説明解説も書かれている。小麦の持つグルテンやらなんやらの成分が複雑に反応するらしい。
 病名に激しく惹かれるのでトライしてみようと思う。単純なのである。何かを用意する必要がない。とりあえず今朝はトーストを止めてお餅を焼いてマーマレードをつけて食べた。マーマレードはちょうどたくさん作ってしまったので何とか消化しなければならない。料理にも使いましょう。ああ、牛乳は豆乳にいれかえます。
 明日から久々に小旅行。うどんはやめて生そばを食べます。脱小麦の第一歩のはじまり(笑)
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「にぎやかな落日」(朝倉かすみ著)

2024-05-08 | 読書
話題になっている「変な家」(雨穴著)をメルカリで探した。あるあるたくさん出ていて価格も大差ない。
出品されている中に四冊まとめて出されているのがあった。
「変な家」「賑やかな落日」「月の沙漠をさばさばt」「JR上野駅公園口」のとりとめのない四冊。
本屋さんの店頭では決して買わないだろう四冊。
「JR上野駅公園口」は柳美里さんの作品で今まで読む機会のなかったもの。
結構ゆるゆるした本が好みなのでもう一歩引いたけれど引きながら購入ボタンを押していた。
「変な家」は変な小説でとりあぜずどんな本かがわかった。
「にぎやかな落日」はすらすらと読めて人生の落日に思いを馳せることが出来た。
北海道で暮らす83才のヒロインの夫は特別養護老人ホームに入居している。東京の娘からは日に二度電話がある。
要介護2で糖尿悪化悪化しつつあって、医療付き老人マンションに入れられる。
痴呆がすすみつつあるが明るく朗らかで周囲からも好かれている。
何も起こらないけど少しずつ悪化していく体調。心もどんより、思い直して日記を書いたりして暮れてゆく。
老いてゆく心構えを教えてもらったような気のする一冊。
「日々の幸せと不安、人生最晩年の生活の、寂しさと諦めが静かに迫る物語」とカバーに書かれている。
しかし、自分ではこうはいきたくないと思う。一気に火の中に飛び込むようにあっちへいきたい。
そういう意味で去年の夏には逝きそこなって残念でならいと悔やんでいる。

次は「JR上野駅公園口」柳美里の著作ははじめて。なぜか、それをこの本によって解き明かされるのかな。

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トランスジェンダーになりたい少女たち

2024-04-26 | 読書
トランスジェンダーという単語の意味がよく分からない。
よくわからないままよからぬ意味と雰囲気を勘が感じ取った。
この法律の国会の通過の仕方も尋常ではない。アメリカ大使のご機嫌伺い?
そこで話題になった本が「トランスジェンダーになりたい少女たち」で妨害に遭って一度は出版を取り消した本。
それが産経出版から発刊された。YouTubeではかなりの話題の本。地上波では無視。最近はそういう話題が多い。
で、興味本位で購入してみた。
パラパラとめくって最後まで読めるか不安になった。なにしろカタカナと英単語まみれなのだ。
しかしやはり日本語が圧倒的に多い。だから不明な箇所は飛ばして読むことにした。
思春期を迎えた少女たちは女の子に生まれたことを悲劇と受け取り男性になりたいと切望している。
胸をぺしゃんこにする下着?や男性化する薬の飲用、さらには肉体改造までつきすすむ。
「わたしは男だったんです」と訴えれば学校も教育機関も弾性化するために援助してくれる。
親が引き戻そうとしても人権無視だという権威にあがらうことができない。

これまでの倍ほどの続きを書いてまだ途中だったので保存したつもりだったけど、見事に消失していた。
初めての経験ではないけどその度に落ち込む。めげる深さが昔と較べて深い。立ち直るのに時間がかかる。
長い間休んでいると写真のアップさえ面倒。体だけじゃなくて頭も心も弱ってきてる寂しい実感を浴びている。
思い直して続きを書こう。おなじ事は書けないだろうけど、書きたいことは同じの筈。

「トランスジェンダーになりたい少女たち」はあめりかの少女たちの実例が書かれている。
子どもの自主性を重んじるあまり少女が男の子になりたいと主張すれば教育機関も、保健機関も後押ししてくれる。
胸を平板に締め付ける下着、男性化するための薬、あげく姓移行手術までも手助けしてくれる。
手術するともう子どもを産む性に戻ることは出来ない。
性に目覚める頃の少女たちはなぜ男になりたいのか、生まれながらの性を厭うのか。

昔少女だった頃、私も自分が女の子であることがとてもいやだった。
そんな頃に読んだ本で「前世で極道非道な悪いことをした奴が今生では女に生まれる」という文章に出会った。
覚えていなかったし覚えていなかったしそれはひどく衝撃だったけれど諦念に導いてくれた。
女は罪滅ぼしのために女に生まれたのかと。
女にとって生理とか出産とかは拷問に男たちが作ってきた歴史と社会の中で女は意志もなく自由もなく子どもを産まされて生きてきた。
最近の女性はパート収入もあり発言権も多少あっていきいきと生きているように見える。
自立した女性になろう。これは労働力不足を補うための政府の企画。自分の収入を得た女性は今までと同じの暮らしの中で数時間を職場で縛られるようになった。今、各地で子ども食堂が賑わって話題になっている。
話が横道にそれてしまった。
男尊女卑の中で成長しながらも男になりたいとはおもわなかった。男になる事は加害者になることで加害者にはなりたくなかったから。
夫は穏やかで優しい人。みんないい人ねと言ってくれる。しかし「差別ではなくて区別だよ」と言い繕う本音は「女如きが生意気な」というところだろう。なにしろ明治生まれに育てられた昭和男子なのだ。

この「トランスジェンダーになりたい少女たち」の終わりの方にやっと生まれ持った女という性をなぜそこまで嫌がるのかの答えがさらりとでていた。さらりとしか書けない事情でもありそうな。
女の子として生まれた少女は家庭や学校や社会を見なながら育ち、そこは男尊女卑に覆われている。
胸が膨らみ始めると「女を止めるのは今しかない!」と行動を起こす。
YouTubeやX(旧ツイッター)Facebookなど悩める少女を温かく迎え入れるサイトが溢れこぼれるほどに少女を待ち受けている。
流行とは言えそれがなぜなのかが理解できない。男性化するためのグッズや器具や薬品が次々と生み出されている。
追跡調査の結果は当然ながら悲しいものばかりなのだ。幸せになった実例は保殆ど当たらない。

人の心の中から男尊女卑思想が消えない以上良性が幸せに思いやりをもって暮らして行くにはどうしたらいいんだろう。
体の大きさが違う上に体力もずいぶんと違うし…わたしはここでべそをかくしかない。情けないことこの上ない。
男性に勝とうとはせずに女性の感性で受け入れるしか仕方ないのかもしれない。
でも、少女たちがひげを生やして男性になりたいなどとはおもわないようにしてほしい。







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