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第十三夜 怪談 改編・幽霊屋敷

2009-08-20 09:53:13 | 不思議夜話
 おはようございます。


 張り切って第13話を入ってみよう。(実は少しビビッております)
何とか、無事にアップできたみたいです。(しかし、これは2回目のトライです)


 この話は僕の母の近所仲間のI家の息子(G君とします)が体験した話。


 G君は学校を卒業すると、地元の町工場に就職した。
家から通うことも可能であったが、独立したいとの思いから会社の社宅に入った。


 社宅は少し風変わりで一般の民家を買い上げた家を改装したものだった。
2階建てで1階に2部屋、2回に2部屋があって共用のトイレ、バス、キッチンがある間取りだった。


 G君は2階の部屋に入ることになったのだが、自分の他には1階に住む定年間近い爺さんだけだった。


 部屋の中に家具や家電製品などが全部そろっていたのだが、不思議だったのは、物がダブっている(例えばトースターが2台あったり、ドライヤーが3台あったりなど)。
さらにたんすの中には衣類が入ったまま、下着まであるのだ。


 しかし、G君は初めての社会人生活だったので、
「こんなものなのか」
と、納得してしまった。


 1ヶ月は何もなかった。


 1ヶ月を過ぎた頃、夜寝ていると毎晩のように金縛りに遭うようになった。時間はいつも2時過ぎだった。



「仕事で疲れているから」
と思っていたが、そのうち黒い霧が畳から湧き出して部屋中に充満するようになった。
しかも、その黒い霧の一部は黒い人影のようになって部屋の中をクルクルと回っている。まるで何かを探しているようだった。


 気味が悪くなったG君は、1階に住む爺さんに事情を話し相談してみた。
「やはり出るか。あんたはよく持った方じゃ。たいがいは1週間程で荷物を投げ出して、みんな逃げ出すよ」
と、爺さんはいう。


G君は
「爺さんの所には出ないのか?」
と聞いてみると、
「わしは、ここを出たら行くところがない。だから諦めてしもうた」
と、答えながら、この家の因縁を話してくれた。



「ここがまだ民家だった頃、6人家族が住んでいたのだが、ある年の正月深夜に火事になり、5人が煙に撒かれて亡くなった」



「1人だけが外出していて生き残ったんじゃが、生き残った男の子は、中学生だったので親戚の家へ預けられたそうじゃ」



「ただ住んでいた家は、煙が凄かったにもかかわらず火の手はそれ程でもなかったので、家は燃え残り、今の会社が買い取って、内装だけを改修し社宅にしたんじゃ」
という内容だった。


 さすがにG君も怖くなったので
「この社宅をで出て行こう」
と思ったのだが、自分の荷物の持ち出しなどがあるため
「今日1日だけ、もう1晩だけ」
と今晩だけ、我慢して泊まることにした。


 G君は朝まで起きていようと思ったのだが、いつの間にか寝ていた。
フッと気がつくと金縛りなっている。手足は動かせないが、目だけが動かせた。


 辺りを見渡すと枕もとの時計があった。いつものように2時過ぎだった。
そのうち黒い霧が部屋に充満する。そのときG君は、ハッと気がつく。
「これは霧じゃなくて黒い煙なんだ」
と思ったそうである。


 やがて黒い煙の一部は5人の人影になり、
さらには、はっきりと人の姿になったのである。


 老人男女の2人、中年男女の2人、そして幼い女の子に変わって、部屋の中を回りながら何かを探しているのだ。


 あまりのことにG君は、思わず出るはずのない叫び声を発していた。
すると、その5人は動きを止めて、G君の寝ているベットを取り囲むように立って、一斉に彼の顔を物凄い形相で覗き込んだ。


 G君は気絶した――


 ――気がつくと病院のベットだった。


 1階に寝ていた爺さんが、G君の大きな叫び声に驚いて彼の部屋に駆けつけると、ベットから落ちたG君が口から泡を吹いてもがいていたそうである。
そして何をやっても起きないG君を心配して救急車を呼んだというのだ。


 G君は原因不明の高熱で1週間も入院した。


 僕の母が、その話を聞いたのはG君が退院して2~3日に経ったときだったのだ。当然、G君は家に帰ってきていて、会社も即日、辞めてしまったとのことである。


 僕がこの話を聞いたとき、思い当たることがあった。


 それは中学のときに正月早々の深夜2時頃、サイレンをけたたましく鳴らしながら走る消防車の音を聞いたことを覚えていた。


 なぜなら、冬休み開けに学校へ登校すると、同学年のあるクラスの男子が正月早々に火事に遭ってしまい、家族全員亡くなってしまったのだ。


 そして、その男の子だけが親戚の家に行っていたので生き残り、そのまま親戚の家へ預けられたので、急遽、転校したというものだったからである。


 それにしても1家6人、家族構成など、ビッタリと状況が符合している……


 ……だとすると、5人の幽霊は、生き残った男の子を探し、火事の中を一緒に逃げるために、あの部屋を回っていて、G君の所にはっきりと出てきたのかもしれない。



第十二夜 怪談 深夜のトイレ

2009-08-19 07:25:38 | 不思議夜話
 おはようございます。


 第12話をおくります。


 これは僕の友人H君のお父さんが子供の頃に体験した話。


 H君のお父さんは、子供の頃、山奥の田舎に住んでいて、その家のトイレは家の外にあった。
もちろん水洗トイレでなくて、汲み取り式だった。(いわゆるボッチャントイレというやつ)


 ある深夜にH君のお父さんはオシッコがしたくなって目が覚める。
トイレは家の外であるのだが、朝まで我慢できなかったので、怖いながらも行くことにした。


 早くすませてしまおうと、トイレに急いだが、先客がいた。



男子用の便器に誰かが立っている。背を向けているが、とても背が高く、トイレの天井に頭がつきそうなのだ。2メートルくらいはありそうだ。


 でも、おかしい。家族にそんな奴はいない。いくらトイレが外にあっても、赤の他人が来ることなど有り得ない。


 しばらくH君のお父さんは待っていたのだが、その大男は一向にその場から動かないので、恐る恐る近づいて顔をそっと覘いて見たのだった。


 すると、その大男の顔がない!
目も鼻も口もなく、顔があるところが真っ黒だった。


 F君のお父さんは驚いたなんてものじゃない。
それまで我慢していたオシッコを漏らしてしまったほどである。


 そして、そのまま家に逃げ帰り、朝までふとんの中で震えていた。


 翌日、ことの次第を懸命に話したのだが、母親にこっぴどく怒られたことはいうまでのなかった。
「いい歳して! オネショするなんて!!」


 そんな不思議な話でした。



 実は、今回の12話は、違う話を載せるつもりでした。
しかし、まだ載せるべきでないということなのだろうか?


 記事をアップする途中でパソコンが原因不明のリセットがかかった。


 こんなことは有り得ない。通常、パソコンがリセットした場合、エラーログが残るはずだが、そのログが一切残っていない。


 よって急遽、話を差し替えたのだ。
今日載せるはずだった話は、日を改めることにする。
 ちなみにタイトルは「怪談 幽霊屋敷」である。



第十一夜 怪談 幽霊電車

2009-08-18 10:02:58 | 不思議夜話
 おはようございます。


 最近、寝不足気味。ついついベルリンの世界陸上を見てしまうんですよね。
男子100メートルのボルトは凄かった。TV放映をリアルタイムで見てしまいました。


 閑話休題。


 近所に幾つかの小学校があるのだが、その中の一つが電車の線路沿いにある。
当然、通学路に踏切があるのだが、その踏切の脇にお地蔵さんが立っているのだ。


 お地蔵さんは祠の中にあって、回りは木々や石で整備されており、ちょっとした記念碑のように立派なものだ。


 ただ、そのお地蔵さんには右手が無い。あえて隠すように造られている。
これは、かつてこの踏切で亡くなった小学生の女の子を供養するものなのだ。


 それは台風が真近に接近する雨が降り頻る夜に、雨が凄かったので家路に急ぐあまり、遮断機が下りているにもかかわらず、思わず踏切を渡ろうとして電車にはねられてしまった。


 電車事故なので即死。遺体の損傷は激しく、バラバラなってしまう程の痛ましい事故だった。
当然、遺体の回収のため、何度も辺りを探索したのだが、右手だけが見つからなかった。
だからお地蔵さんには右手が無いのである。


 しばらくすると、幽霊話がまことしやかに語られだした。
右手だけの幽霊が出るとか、右手の無い幽霊が出るなど、様々だった。
その中でも一番有力だったのが、幽霊列車が出るというものだった。


 雨の降り頻る嵐の晩――
 最終列車も出ってしまって、朝の始発まで電車が通るはずがないのに、例の踏切を通り掛ると警報機が鳴り出して遮断機が下りる。
 「変だな」
と電車の通過を待っていると、電車が走る音だけがする。
そして、遮断機は何事もなかったように上がるというものだった。



 本当どうか、自分は体験していないので事実の程は分からないが、以前、雨の日の静まり返った深夜にどういう訳か(通常、自分の家からでは聞こえないはずですが……)、電車の走る音を聞いたことが何度かあります。


 そんな不思議は話でした。



第無夜 怪談 コーヒーブレイク 其の弐

2009-08-17 06:45:13 | 不思議夜話
 おはようございます。


 昨日はブログを更新できませんでした。某公営放送局の「日本怪談百物語」を最後まで見てしまいまして、終わったのが午前4時でした。それから床に就いたものですから、気がついたら夕方でした。


 閑話休題――。
今回はお約束の箸休め(コーヒーブレイク)の2回目。巷は夏休みなので、これに因んだ話題。


 自分が小学校の低学年の頃、僕らの学校では、夏休みになると「ラジオ体操」があった。
早朝から近くの公園に集まってラジオに合わせ、体操を踊る……、もとい体操をしました。


 ラジオ体操に参加するとカードにハンコを押してもらって、それを休み明けに学校に提出するというもの。


 そんなある時、ラジオ体操が終わって皆が集まると、
「今日の夜、肝試しをやろうぜ」
ということになった。


 その後、怪談話に花が咲き、大いに盛り上がってから解散となって家路についたのだが……


 ひとりで家に向かって道を歩いていると、道路に500円玉が落ちていた。
「ラッキー」
などの思いながら、拾うと躊躇なく着服した(よい子は真似をしてはいけません)。


 小学校低学年の自分にとって500円は大金でした。


 喜び勇んでお手玉のように宙に放りながら歩いていると、突然、空中で500円玉が消失してしまったのです。
 下に落ちた形跡はない。落ちたときの音もしなければ、道路を転がった感じもしなかった。
忽然と消えてしまったのだ。


 探しました。
せっかくのラッキーをみすみす手放すことは出来ません。血眼になって辺りを探索したのですが、見つかりませんでした。



「なんてアンラッキー」
がっくり首を垂れて家路につきました。


 と、その時――
誰か、自分の背中を引っ掻く人がいるでありませんか!


 咄嗟に振り返り、辺りを見回しましたが、誰もいません。
「気のせいか?」
と思って、再び歩きはじめると、さらに背中を引っ掻かれました。
「どひゃ~。気のせいじゃない。誰か後ろにいる!!」


 後ろを振り返るが、やはり誰もいない。気配さえ、全くない。


 背中を引っ掻かれた時、思わず手を背中に回したのですが、その手に当たる物がある。
シャツをめくり取り出すと先程の500円玉だった。


 放り投げた500円玉が偶然にもシャツに入り、背中に張り付いていたのだった。


 しかし、何という偶然なるタイミングなのか!


 たまたま投げた500円玉が背中に入り、しかも一気に下まで落ちるのではなく、まるで人に引っ掻かれたと思わせる感じで、背中を伝って落ちるとは――


 相手が幽霊じゃなくて、ホッとしたような、残念だったような……


 しばらく笑いのツボにハマって、その場で笑いこけていました。
通行人が見たら、そっち方が怖いと思ったかもしれません。
 



第十夜 怪談 この家のヌシ

2009-08-15 06:20:27 | 不思議夜話
 おはようございます。


 いよいよ「不思議夜話」も10話目になります。
今日の話は、厳密にいうと怪談ではないのですが、ちょっと気味が悪いので載せることにしました。


 第9話でも書いたように幼い時、親戚のオッチャンの家に、夏休みになるとよく遊びにいったものだ。


 オッチャンの家は、かなり山奥に在ったのだが――
ある日、深夜に台所の居間の横にある和室で寝ていると台所で物音がする。



ゴト、ゴトゴト……
目が覚めた。
「はて?何の音?」
と思っていると



チュー、チュー
ネズミだった。


 しかし、そのうちしだいに物音が大きくなって騒がしくなってきた。



ゴトゴト……、チュー、ゴト! チューーーーーーーーー!!
まるで断末魔のようなネズミの鳴き声がしだした。


 尋常じゃない鳴き声に、僕は怖くなって(幼い頃は、かなりのヘタレだった)布団をかぶって震えていると――



ドッ! ドターーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
 もの凄い音を立てて、台所の床の上に何かが落ちのだった。
ネズミが棚の上の物を落としたのかと思ったが、どうやら違うらしい。


 布団の中から耳を澄ましていると
ジューーーーーーー!ジュ・ジュ・ジューーーーーーーー!!


 生まれてこの方、あんなネズミの鳴き声を聞いたことのない声で鳴いている。
「ただ事じゃない!」
子供ながらにも、そのように感じて息を殺していると、やがて鳴き声が止まった。


 そのまま、まんじりともせずに朝まで布団をかぶっていた。
夜が明けて、辺りが明るくなった頃に布団から抜け出して、台所へ行って見ました。


 すると、もの凄い音がした床の辺りに血飛沫がいたる所に付いていた。
ただ1箇所、全く血が付いていない箇所があって、その跡が蛇の形になっていた。
それも1メートルは有にある跡だった。


 婆ちゃん(オッチャンは親父の兄さんで、婆ちゃんはオッチャンの家に同居していた)曰く。
「そりゃ~、家の主だろうよ。狩りをしてネズミを獲ったんじゃ~」
とのことだった。


 また、ある日には、夏の炎天下で遊んでいたのでノドが渇き、水を飲みに台所にある裏口から流し台に向かった時、蛇口を捻ろうと手を伸ばすと、そこに居るモノと目と目が合った――



「ぎょ! ぎょぇぇぇぇ~~~~~~!!」
なんと、蛇口に絡むように真っ黒な大きな蛇がとぐろ巻いて、赤い目でこっちを見ていた。


 1メートルくらいはありそうで、二又に分かれている赤い舌をチョロチョロ出していた。
あまりのことに、とっさに2~3メートルくらい後ずさって、蛇を刺激しないようにその場を離れたのだった。


 そして仏間に居た婆ちゃんのところへ一目散に駆けつけて、いま見たことを話した。
すると婆ちゃん曰く。
「きっと、あまりに暑いんで、主さんは涼んでおるのだろうて。何もせんから、ほっときな」
といわれた。


 しかし、僕がとても怖がる(やっぱりヘタレだったのだ)ので、婆ちゃんは
「しょうがないのう~。蛇は線香の煙を嫌うから、これをもって近くにおいておいで」
といって、2、3本の線香に火をつけて渡してくれた。


 それをもって蛇の近くに置いたのだ(ひとりでは行く勇気がなかったので、婆ちゃんと一緒に行ったことは云うまでもないことである)。


 そうして、そのまま放置していたら、何処かに消えてしまった。


 その時以来、家の主は実在するものだと実感した不思議な話でした。


 あなたの家にも居るかもしれない……