新型コロナウイルス感染症の日本の奇跡
なぜ日本は欧米諸国に比べて、新型コロナ感染症の感染者や死者がけた違いに少ないのか
新型コロナウイルス感染症の日本の奇跡
世界では、中国で始まった新型コロナが、すぐヨーロッパに飛び火し、急速に広がったのに、なぜか隣国の日本や韓国、台湾、マレーシアでは広がらないことが奇跡と言われた。
特に日本は特別なことをせず、ロックダウン(都市封鎖)も中途半端であり、国民に自粛を要請する形に近いものであった。また今回の非常事態宣言も飲食店への規制だけで、これも中途半端でしかない。それでも、他に国に比べたら感染者は少ない。
日本で感染者数が少ない理由はなぜか。
ピーター・テミンはその「中間層はなぜ没落したか」で、マンチェスター大ルイス教授によると、発展途上国はいわゆる二重経済をもち、それを「資本主義」部門と、「生存」部門と名付けた。資本主義部門は、資本と労働の両方を利用した近代的生産の拠点で、その発展は資本の量によった。生存部門は貧しい農民からなり、その人口は土地や自然資源の量に比べてあまりにも大きい為、最貧の農民一人当たりの生産性はゼロに近かった。ルイスが考えたのはアジア、アフリカ、中南米の国々で最大の国は中国であった。多数の農民が小規模農業に従事し、生存部門を構成していた。ほとんどの発展途上国はそうした二重経済であったが、日本、韓国、マレーシアは1960・70年代に急成長を遂げ、人口のほぼ全体が資本主義部門へ組み込まれた「成長の奇跡」として知られているという。この国々がコロナの少ない国である。
「人新世の資本論」の著者斉藤幸平は、日本人の大多数は世界の裕福な上位10%に入るという。世界銀行は一日一人1.9ドル(約200円)以下で生活している人を貧困と定義していて、世界の人口77億人の約一割の7億3千万人が絶対的貧困層である。
日本では年収200万円以下の貧困層は、2018年では約1100万人で、人口の約8.5%である。失業率は2019年2.3%。これがコロナ直前の状況であった。貧富の格差指数も、失業率も、世界の中で北欧並みの数字である。また日本では内戦や政治的紛争が起きていないし、難民も受け入れていない。それがコロナウイルスに感染しても発病しない状況を作っている。
国際医療福祉大の高橋泰教授に言わせれば、日本人はまだ自然免疫の段階でコロナウイルスを防御している。だから抗体検査をしても、欧米に比べて二桁低い数字しか出ていないという。抗体は、ウイルスが血液中に侵入し、獲得免疫まで発揮されないとできない。自然免疫の段階つまり、侵入する気道の粘膜細胞での細胞性免疫で闘って勝利していれば、抗体はできない。アメリカのウィルキンソンとピケットがその著「格差は心を壊す。比較という呪縛」で「格差の小さな国はうまくいっている」。アメリカは「世界で最も経済格差の大きな国」。「所得の不平等がもっとも小さな日本」とし、日本が健康や社会問題の指標(平均寿命、乳幼児死亡率、薬物・アルコール依存症、殺人犯罪率、未成年出産など)において世界でいちばんいいという。それが日本人の多くの人が自然免疫を発揮できている要因ではないか。
そのためこれだけコロナが騒がれていても、抗体検査では昨年12月の調査で東京は0.9%(6月は0.1%)しかなかった。昨年5月スウェーデンのストックホルムで25%、ロンドンで17%、ニューヨークで12%、モスクワで10%、オランダで3%、ドイツのガンゲルトで15%という抗体保有率であることと比べて極端に低い。ここから考えても、自然免疫段階で対処している人が多いと考えられる。これが日本の奇跡であった。
だから有効性と安全性に問題のあるワクチンは、日本では接種を急ぐ必要性はないと思う。コロナワクチンは、インフルエンザワクチンと同じ程度のものと考えて良い。
これは「チェルノブイリ子ども基金」のニュースレターに載せたものです。
なぜ日本は欧米諸国に比べて、新型コロナ感染症の感染者や死者がけた違いに少ないのか
新型コロナウイルス感染症の日本の奇跡
世界では、中国で始まった新型コロナが、すぐヨーロッパに飛び火し、急速に広がったのに、なぜか隣国の日本や韓国、台湾、マレーシアでは広がらないことが奇跡と言われた。
特に日本は特別なことをせず、ロックダウン(都市封鎖)も中途半端であり、国民に自粛を要請する形に近いものであった。また今回の非常事態宣言も飲食店への規制だけで、これも中途半端でしかない。それでも、他に国に比べたら感染者は少ない。
日本で感染者数が少ない理由はなぜか。
ピーター・テミンはその「中間層はなぜ没落したか」で、マンチェスター大ルイス教授によると、発展途上国はいわゆる二重経済をもち、それを「資本主義」部門と、「生存」部門と名付けた。資本主義部門は、資本と労働の両方を利用した近代的生産の拠点で、その発展は資本の量によった。生存部門は貧しい農民からなり、その人口は土地や自然資源の量に比べてあまりにも大きい為、最貧の農民一人当たりの生産性はゼロに近かった。ルイスが考えたのはアジア、アフリカ、中南米の国々で最大の国は中国であった。多数の農民が小規模農業に従事し、生存部門を構成していた。ほとんどの発展途上国はそうした二重経済であったが、日本、韓国、マレーシアは1960・70年代に急成長を遂げ、人口のほぼ全体が資本主義部門へ組み込まれた「成長の奇跡」として知られているという。この国々がコロナの少ない国である。
「人新世の資本論」の著者斉藤幸平は、日本人の大多数は世界の裕福な上位10%に入るという。世界銀行は一日一人1.9ドル(約200円)以下で生活している人を貧困と定義していて、世界の人口77億人の約一割の7億3千万人が絶対的貧困層である。
日本では年収200万円以下の貧困層は、2018年では約1100万人で、人口の約8.5%である。失業率は2019年2.3%。これがコロナ直前の状況であった。貧富の格差指数も、失業率も、世界の中で北欧並みの数字である。また日本では内戦や政治的紛争が起きていないし、難民も受け入れていない。それがコロナウイルスに感染しても発病しない状況を作っている。
国際医療福祉大の高橋泰教授に言わせれば、日本人はまだ自然免疫の段階でコロナウイルスを防御している。だから抗体検査をしても、欧米に比べて二桁低い数字しか出ていないという。抗体は、ウイルスが血液中に侵入し、獲得免疫まで発揮されないとできない。自然免疫の段階つまり、侵入する気道の粘膜細胞での細胞性免疫で闘って勝利していれば、抗体はできない。アメリカのウィルキンソンとピケットがその著「格差は心を壊す。比較という呪縛」で「格差の小さな国はうまくいっている」。アメリカは「世界で最も経済格差の大きな国」。「所得の不平等がもっとも小さな日本」とし、日本が健康や社会問題の指標(平均寿命、乳幼児死亡率、薬物・アルコール依存症、殺人犯罪率、未成年出産など)において世界でいちばんいいという。それが日本人の多くの人が自然免疫を発揮できている要因ではないか。
そのためこれだけコロナが騒がれていても、抗体検査では昨年12月の調査で東京は0.9%(6月は0.1%)しかなかった。昨年5月スウェーデンのストックホルムで25%、ロンドンで17%、ニューヨークで12%、モスクワで10%、オランダで3%、ドイツのガンゲルトで15%という抗体保有率であることと比べて極端に低い。ここから考えても、自然免疫段階で対処している人が多いと考えられる。これが日本の奇跡であった。
だから有効性と安全性に問題のあるワクチンは、日本では接種を急ぐ必要性はないと思う。コロナワクチンは、インフルエンザワクチンと同じ程度のものと考えて良い。
これは「チェルノブイリ子ども基金」のニュースレターに載せたものです。