1.翼をください/赤い鳥 1971年2月発表
赤い鳥の歌う歌は「きれい」だった。
いくらメッセージが入っていたとしても「きれい」だった。
当時(つまり高校生のころ)は「きれい」というのは「うそ」ではないかと思い込んでいた、のではないか。
従って、初めっから「うそ」だとわかっている「きれい」なアイドルは許せたが、それ以外の「きれい」なものは、たとえ「いいなあ」と思っても、意識的にあるいは無理をしてでも、自分の心の中から排除しようとしていた。
しかし、いいと思う心をなくすことはできないのである。
赤い鳥、の歌はそういう微妙なものであったような気がする。
「翼をください」はいいとは思ったが、それほどには思い込まなかった。
この歌よりも、「河」とか「赤い屋根の家」などのほうがよかった、と思っていた。
とはいえ、この歌は名曲である。
今になって山本潤子さんがうたっていうのを聞くと尚そう思うのである。
であるが、ワールドカップサッカーのときにうたわれたときは、なんだか複雑であった。そういうときにうたう歌なのか、と思ったのである。
2.春夏秋冬/泉谷しげる 1972年4月発表
この歌も名曲である。
なんといっても、あの乱暴な泉谷しげるが作ったというのが、信じられないほどの「きれい」な曲である。
そう、この歌も、泉谷の他の歌に比べるときれい過ぎて「なんだかなあ」と思ったりしていたのである。
泉谷しげるというのは、こういう面があるのか?
というようなことも考えたりして、人というのは多面性なんだなあ、となんだか実感したような気がする。
この歌は「きれい」といったが、それは自分の気持ちに素直であり、らしくもない反省をしたりしているからである。
もっと攻撃的でありたい、と当時(くどいが高校生のころ)思っていたのに、こんなに内向的になったら、なんだかすごく疲れるというかやるせなくなるのではないか、とも思ったりしたのである。
ずっと後になって、この歌をスリーフィンガーでうたうようになったが、若い時はコードをFにしてストローク(いわゆるライブ版)でうたっていたのも、やはり「きれい」ということに対する反発だった、と思うのである。
なんだかんだ言っても、この春夏秋冬は泉谷しげるの代表作である。
3.風をあつめて/はっぴいえんど 1971年11月発表
はっぴいえんど、というすごいグループがいるらしい、ということは当時(しつこいが高校生のころ)知っていた。
しかし、とうとう聴くチャンスがなかった。
私が聞くラジオでは流れてこなかったのである。
では何で知っていたのかというと、雑誌、である。「明星」とか「GUTS」とか・・・
メンバーも細野晴臣、松本隆、大瀧詠一、そして鈴木茂、と後になれば「スゴイ」と思うのであるが、当時(もう説明はしない)はよくわからなかったので、そのうち耳に入るだろう、と、まあ悠長に構えていたのである。
しかしやっと<はっぴいえんど>の歌を聴いたのはこのCDである。
そのうちと思っていたころから、なんと35年ほど経過しているのである。
で、今になって聴くとそれほど感動しないのである。
歌は若い時にかぎる。そして秋刀魚は目黒に限るのである。
4.耳をすましてごらん/本田路津子 1972年8月発表
本田路津子(るつこ)の歌も「きれい」だった。
「秋でもないのに」とか「風が運ぶもの」とか
この歌はNHK朝の連続ドラマ「藍より青く」の主題歌である。
作詞が脚本家の山田太一である。
で、今回久しぶりに聴いて「アレ?こんな歌だっけか」と思ってしまった。
なんだか今までのイメージとちょっと違うのである。
なんというか清純とか透明感と高音というイメージからあっさりとうたっているのではないか思っていたのである、それが以外にも「粘り」があるんでないの、という感じなのである。
本田路津子の歌では「風が運ぶもの」が好きである。そして「郊外電車で」が聴きたい曲なのである。
5.地下鉄にのって/猫 1972年12月発表
作詞:岡本おさみ、作曲:吉田拓郎、という当時(忘れているのではないでしょうか?高校生のころです)のゴールデンコンビの作品である。
それを「猫」のボーカルの田口さんがサラッとうたっていて、バックコーラスも軽く、ワタシは誰がなんと言っても「猫」の1番の代表作だと思うのであるのであります。
この歌が当時(もういいですよね)新鮮だったのは、歌詞である。
♪車輪の悲鳴が何もかもこなごなにたちきってしまう♪
とか
♪次の駅に止まったら 何かを始めるように そこから歩いてみよう♪
なんて
なんだかすごくよかったのである。
しかも当時、私は地下鉄にのったことがなかったので、この歌を聴いて地下鉄にあこがれました、ですねえ。
で、その後東京で地下鉄、しかも丸の内線に乗ったときは、このままずっと乗り続けようかと思ったほどである。頭と心の中では、もちろん「地下鉄にのって」がエンドレスで響いてた。
ただ御茶ノ水あたりで空が見えて時はちょいと複雑だったス。
この曲のコード進行で「C-Em-Am」あるいは「C-E7-Am」という部分(原曲はF-Am-Dm)が地下鉄に乗っている気分にさせるのである。
ラジオで吉田拓郎は、この歌は札幌の地下鉄に乗っていたときに浮かんだ、といっていた。
で、その後札幌の地下鉄に乗ったときも感激したのであった。
6.旅の宿/吉田拓郎 1972年7月発表
この歌も、作詞:岡本おさみ、作曲:吉田拓郎 なのである。
「結婚しようよ」の次に新婚旅行の歌か?と当時思ったものである。
この歌はシングルバージョンとアルバムバージョン(アルバム「元気です」)とあるが、断然アルバムバージョンがいい、と思っている。
アルバムバージョンはギターの弾き語りで、なんともいえないスリーフィンガー。
一生懸命コピーした。
で、スリーフィンガーでもところどころ違うはじき方をするので、それをどう処理するのか、というのが工夫でしたですねえ。
当時は高校生だったので、いわゆる4番の歌詞
♪ ぼくは すっかり 酔ってしまって
きみの膝枕に うっとり
もう飲みすぎちまって
きみを抱く気にも なれないみたい♪
が、異常に刺激的だったッス。
いつか俺も<浴衣のきみ>に<熱燗>でお酌をしてもらいお酒を飲んで<ふろあがりの髪>のいい香りに包まれて、そして膝枕をしてもらいうとうとするんだ!
と強く思ったのである。
実現したかって?
こういうのは「歌」の世界のことなんだということを知りましたです。
赤い鳥の歌う歌は「きれい」だった。
いくらメッセージが入っていたとしても「きれい」だった。
当時(つまり高校生のころ)は「きれい」というのは「うそ」ではないかと思い込んでいた、のではないか。
従って、初めっから「うそ」だとわかっている「きれい」なアイドルは許せたが、それ以外の「きれい」なものは、たとえ「いいなあ」と思っても、意識的にあるいは無理をしてでも、自分の心の中から排除しようとしていた。
しかし、いいと思う心をなくすことはできないのである。
赤い鳥、の歌はそういう微妙なものであったような気がする。
「翼をください」はいいとは思ったが、それほどには思い込まなかった。
この歌よりも、「河」とか「赤い屋根の家」などのほうがよかった、と思っていた。
とはいえ、この歌は名曲である。
今になって山本潤子さんがうたっていうのを聞くと尚そう思うのである。
であるが、ワールドカップサッカーのときにうたわれたときは、なんだか複雑であった。そういうときにうたう歌なのか、と思ったのである。
2.春夏秋冬/泉谷しげる 1972年4月発表
この歌も名曲である。
なんといっても、あの乱暴な泉谷しげるが作ったというのが、信じられないほどの「きれい」な曲である。
そう、この歌も、泉谷の他の歌に比べるときれい過ぎて「なんだかなあ」と思ったりしていたのである。
泉谷しげるというのは、こういう面があるのか?
というようなことも考えたりして、人というのは多面性なんだなあ、となんだか実感したような気がする。
この歌は「きれい」といったが、それは自分の気持ちに素直であり、らしくもない反省をしたりしているからである。
もっと攻撃的でありたい、と当時(くどいが高校生のころ)思っていたのに、こんなに内向的になったら、なんだかすごく疲れるというかやるせなくなるのではないか、とも思ったりしたのである。
ずっと後になって、この歌をスリーフィンガーでうたうようになったが、若い時はコードをFにしてストローク(いわゆるライブ版)でうたっていたのも、やはり「きれい」ということに対する反発だった、と思うのである。
なんだかんだ言っても、この春夏秋冬は泉谷しげるの代表作である。
3.風をあつめて/はっぴいえんど 1971年11月発表
はっぴいえんど、というすごいグループがいるらしい、ということは当時(しつこいが高校生のころ)知っていた。
しかし、とうとう聴くチャンスがなかった。
私が聞くラジオでは流れてこなかったのである。
では何で知っていたのかというと、雑誌、である。「明星」とか「GUTS」とか・・・
メンバーも細野晴臣、松本隆、大瀧詠一、そして鈴木茂、と後になれば「スゴイ」と思うのであるが、当時(もう説明はしない)はよくわからなかったので、そのうち耳に入るだろう、と、まあ悠長に構えていたのである。
しかしやっと<はっぴいえんど>の歌を聴いたのはこのCDである。
そのうちと思っていたころから、なんと35年ほど経過しているのである。
で、今になって聴くとそれほど感動しないのである。
歌は若い時にかぎる。そして秋刀魚は目黒に限るのである。
4.耳をすましてごらん/本田路津子 1972年8月発表
本田路津子(るつこ)の歌も「きれい」だった。
「秋でもないのに」とか「風が運ぶもの」とか
この歌はNHK朝の連続ドラマ「藍より青く」の主題歌である。
作詞が脚本家の山田太一である。
で、今回久しぶりに聴いて「アレ?こんな歌だっけか」と思ってしまった。
なんだか今までのイメージとちょっと違うのである。
なんというか清純とか透明感と高音というイメージからあっさりとうたっているのではないか思っていたのである、それが以外にも「粘り」があるんでないの、という感じなのである。
本田路津子の歌では「風が運ぶもの」が好きである。そして「郊外電車で」が聴きたい曲なのである。
5.地下鉄にのって/猫 1972年12月発表
作詞:岡本おさみ、作曲:吉田拓郎、という当時(忘れているのではないでしょうか?高校生のころです)のゴールデンコンビの作品である。
それを「猫」のボーカルの田口さんがサラッとうたっていて、バックコーラスも軽く、ワタシは誰がなんと言っても「猫」の1番の代表作だと思うのであるのであります。
この歌が当時(もういいですよね)新鮮だったのは、歌詞である。
♪車輪の悲鳴が何もかもこなごなにたちきってしまう♪
とか
♪次の駅に止まったら 何かを始めるように そこから歩いてみよう♪
なんて
なんだかすごくよかったのである。
しかも当時、私は地下鉄にのったことがなかったので、この歌を聴いて地下鉄にあこがれました、ですねえ。
で、その後東京で地下鉄、しかも丸の内線に乗ったときは、このままずっと乗り続けようかと思ったほどである。頭と心の中では、もちろん「地下鉄にのって」がエンドレスで響いてた。
ただ御茶ノ水あたりで空が見えて時はちょいと複雑だったス。
この曲のコード進行で「C-Em-Am」あるいは「C-E7-Am」という部分(原曲はF-Am-Dm)が地下鉄に乗っている気分にさせるのである。
ラジオで吉田拓郎は、この歌は札幌の地下鉄に乗っていたときに浮かんだ、といっていた。
で、その後札幌の地下鉄に乗ったときも感激したのであった。
6.旅の宿/吉田拓郎 1972年7月発表
この歌も、作詞:岡本おさみ、作曲:吉田拓郎 なのである。
「結婚しようよ」の次に新婚旅行の歌か?と当時思ったものである。
この歌はシングルバージョンとアルバムバージョン(アルバム「元気です」)とあるが、断然アルバムバージョンがいい、と思っている。
アルバムバージョンはギターの弾き語りで、なんともいえないスリーフィンガー。
一生懸命コピーした。
で、スリーフィンガーでもところどころ違うはじき方をするので、それをどう処理するのか、というのが工夫でしたですねえ。
当時は高校生だったので、いわゆる4番の歌詞
♪ ぼくは すっかり 酔ってしまって
きみの膝枕に うっとり
もう飲みすぎちまって
きみを抱く気にも なれないみたい♪
が、異常に刺激的だったッス。
いつか俺も<浴衣のきみ>に<熱燗>でお酌をしてもらいお酒を飲んで<ふろあがりの髪>のいい香りに包まれて、そして膝枕をしてもらいうとうとするんだ!
と強く思ったのである。
実現したかって?
こういうのは「歌」の世界のことなんだということを知りましたです。