読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

青春のうた 第51巻 1970年代中期⑮

2008-01-13 12:20:30 | 読んだ
1.やさしさに包まれたなら/荒井由実 1974年4月

ユーミンの世界といわれる詞とメロディーは、私にとってはサッパリ実感の伴わないそして想像もできないものである。
だから、最初の頃は「なんだか変なの」という感じだった。

だけどどっか心に引っかかる部分がある。それがなんだか聞き続けてしまうところなんだろうとは思うのだが・・・

この「やさしさに包まれたなら」も、じっくりと聞くこともなく聞き流していたのであったが、それでも頭のなかにはしっかり入っていて、流れてくれば口ずさんだりしたものである。

今回久しぶりに聴いて思ったのは、こんなにゆっくりとした歌だったろうか、ということであった。
そして、じっくり読めば読むほどこの詞にはついていけないな、と思ったのである。

2.線香花火/さだまさし 1976年11月

さだまさしの世界のほうが受け入れやすい。
だが、この曲、知ってはいるのだけれど、題名を聞いただけでメロディーを思い浮かべることができなかった。

この歌は初期のさだまさし。つまり、情念があって、景色があって、切なくて、さびしくてなのだが、聞き終わると透明感だけが心を占めてで「色」が思い浮かばないのである。

自分に近いからといってそれが住みつくわけでもなく「やさしさに包まれて」のように遠いところのものでもなんだかずっと残っているという、人の心や感じることなんてそういう、説明のつかないものなのである。

3.たえこMY LOVE/吉田拓郎 1976年12月

拓郎が変わった!
と当時思ったのであった。

愛の歌をこのような形で歌うなんて、スゴイ!
と思ったのである。

拓郎らしさを失わずに「歌い上げる」という形が良かったのである。
この歌の一つ前「明日に向かって走れ」でなんとなく感じてはいたのであったが、そのときはまだ「メッセージ」を送る、時代を語る、みたいなところだった。

この歌で拓郎は「シンガー(歌手)」になった、と思ったのである。

4.眠れない夜/泉谷しげる 1974年10月

この歌は「大好き」である。

ちょうど東京で暮らしていた頃、この歌のような感じだったのである。

♪都会の暮らしは底なしで♪
とか
♪憧れにつられてやってきたら 自分だけがただ憧れている♪
なんて、そのまんまだったような気がするのである。

泉谷しげるの歌って印象とは違ってものすごく「繊細」なのである。
その繊細さを乱暴に歌い上げるところが、魅力なのである。

この眠れない夜をギターを叩くようにして歌うと、気分がスッキリするのである。

5.ああ青春/トランザム 1975年5月

この歌は解説にあるように「俺たちの勲章」というドラマのテーマで、インストバージョンであった。

当時はテレビのない生活をしていたのでそのドラマを見てはいなかったが、吉田拓郎がインストゥルメンタルの曲を発表したということで「おお!」と思ったものである。
ギターの響きが心地よかったのであるが、出だしのコード進行「C-Am」は曲を聴いてすぐわかり、インストでもやっぱり拓郎だとなんだか嬉しかった。

ところで「俺たちの勲章」のなかで中村雅俊が歌っていた「いつか街で会ったなら」はこの歌よりも好きだったなあ。

6.帰らざる日々/アリス 1976年4月

この歌が発表されたときよりも、後にアリスがメジャーになってコンサートの最後で歌うようになってからのほうが印象深い、というか好きになった。

最後の部分
♪Bye Bye Bye・・・♪
と永遠に続いていきそうなところが、コンサートがこのまま永遠に続けばいいという聴く側の気持ちを反映して続いていくところが、なんともいいのである。

もっとも終わったときはある意味「ほっと」するのであるが・・・

この歌は自殺する人の歌だと思うのであるが、何でこんな歌を歌うんだろうと、不思議ではある。

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