本書は、タイトルにある「Bランクの恋人」をはじめとして他6編の短編小説集である。
いずれも「恋する女」がテーマである。
ただそれが、女性の視線から描かれたものだけではなく、男の語り口であったりする。
標題の「Bランクの恋人」は、男の語り口である。
語る男は「女にもてる」ということを人生の主題にしている。
なのに彼はイケメンでもなければ金を持っているわけではない。
「マメ」で「下手」なのである。
彼、七塚次郎は常時12~3人の女とつきあっている。
さて、そういう男がどうなるのか?
このあたりが、平安寿子の面白さなのである。
「アイラブユーならお任せを」でも、信友氏(54歳・自転車屋)が主人公である。
彼は、故・春風亭柳昇の教えである「愛してる」を言い続けてきた。
その言い続けてきた上に現在の幸せがある、と思い込んでいる。
そういう信友氏がどのような事件に巻き込まれるのか。
非常にわかりやすいキャラの主人公に対し、脇役たちがどのような動きをするのか?
これがこの物語の面白いところだろう。
次からの「サイド・バイ・サイド」「はずれっ子コレクター」「ハッピーな遺伝子」「利息つきの愛」「サンクス・フォー・ザ・メモリー」はいずれも女性サイドから描かれている物語である。
このなかでは「ハッピーな遺伝子」と「サンクス・フォー・ザ・メモリー」が平作品としては異色である。
他の作品はいわゆる「アラ・フォー」系の女たちが主人公であるのに対して、この2作品はわりと若い女が主人公である。
私的には「ハッピーな遺伝子」が好きである。
売れないミュージシャンでかつラーメン屋の店主・チャーリーを父にもつ・ルミが主人公。
ルミの両親は離婚している。
離婚した両親の間でルミはゆれている。
その『ゆれさ加減』がいい。
そして父親の人生訓というか座右の銘というか口癖というか、いい加減さをごまかすコトバで、ルミが嫌いな
「ドント・ウォーリー、ビー・ハッピー」
が、最後の効果的に使われている。
まっ、いずれも平安寿子ワールドを堪能でき、満足、満足なのである。
「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
いずれも「恋する女」がテーマである。
ただそれが、女性の視線から描かれたものだけではなく、男の語り口であったりする。
標題の「Bランクの恋人」は、男の語り口である。
語る男は「女にもてる」ということを人生の主題にしている。
なのに彼はイケメンでもなければ金を持っているわけではない。
「マメ」で「下手」なのである。
彼、七塚次郎は常時12~3人の女とつきあっている。
さて、そういう男がどうなるのか?
このあたりが、平安寿子の面白さなのである。
「アイラブユーならお任せを」でも、信友氏(54歳・自転車屋)が主人公である。
彼は、故・春風亭柳昇の教えである「愛してる」を言い続けてきた。
その言い続けてきた上に現在の幸せがある、と思い込んでいる。
そういう信友氏がどのような事件に巻き込まれるのか。
非常にわかりやすいキャラの主人公に対し、脇役たちがどのような動きをするのか?
これがこの物語の面白いところだろう。
次からの「サイド・バイ・サイド」「はずれっ子コレクター」「ハッピーな遺伝子」「利息つきの愛」「サンクス・フォー・ザ・メモリー」はいずれも女性サイドから描かれている物語である。
このなかでは「ハッピーな遺伝子」と「サンクス・フォー・ザ・メモリー」が平作品としては異色である。
他の作品はいわゆる「アラ・フォー」系の女たちが主人公であるのに対して、この2作品はわりと若い女が主人公である。
私的には「ハッピーな遺伝子」が好きである。
売れないミュージシャンでかつラーメン屋の店主・チャーリーを父にもつ・ルミが主人公。
ルミの両親は離婚している。
離婚した両親の間でルミはゆれている。
その『ゆれさ加減』がいい。
そして父親の人生訓というか座右の銘というか口癖というか、いい加減さをごまかすコトバで、ルミが嫌いな
「ドント・ウォーリー、ビー・ハッピー」
が、最後の効果的に使われている。
まっ、いずれも平安寿子ワールドを堪能でき、満足、満足なのである。
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