読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

ゆんでめて<しゃばけ> 畠中恵 小説新潮連載

2011-04-20 22:22:36 | 読んだ
小説新潮に2010年2月号から6月号まで連載されていたもの。

すでに単行本となっているが、小説新潮をひっくり返して改めて読んだのである。
連載中には、連載終了したらまとめて読もうとは思っていたのである。しかし、何tなく読みそびれていた。

今回、震災の復旧のさなか、ちょっと息抜き用にと思って読み始めたのである。

今回は、
「ゆんでめて」
「こいやこい」
「花の下にて合戦したる」
「雨の日の客」
「始まりの日」
の5作連作である。

で、この連作徐々に念がさかのぼっていくのである。
だから、連作最後が「始まりの日」となるのである。

最初の「ゆんでめて」が若旦那(主人公の一太郎)の甥である松太郎が4歳の時、次の「こいやこい」は3歳の時、「花の下にて合戦したる」が2歳の時、「雨の日の客」は2ヶ月の頃の話である。

で、この連作では大きな仕掛けがしてある、ようだ。
「ようだ」というのは、私もよく説明ができないからである。

どうも、最初の4作は、若旦那が本来行くべきはずであった「ゆんで」(つまり弓手であるから右)にいかず、「めて」(つまり馬手であるから左)へ行ってしまったことによる起こった出来事で、最後の「始まりの日」は本来いくべきはずである「ゆんで」にいったことによるもの、らしい。

それで、この仕掛けなんだが、よくわからないし、よくわからないから不用ではないか、なんて思ったりするのである。
(でも、この仕掛けがないとこの連作は成立しない、ということもなんとなくわかる)

一つ一つの物語はそれなりに面白いし、それなりに深いのだが、つまりは「それなりに」なのである。

なんだか初めて「しゃばけ」を読んだ時に感じた面白さから比べるとそれなりだし、シリーズが続くことによる円熟味もそれなりのような気がするのである。
ちょっと辛口にいえば「なかだるみ」のような気がする。

これから主人公の若旦那はどうなっていくのだろうか?
ということが、シリーズになって続いていることにかんする興味の大きさだと思うのであるが、なんだかあまり変化がないようなそんな気がするのである。

さて、しゃばけシリーズの最新版は小説新潮でいま連載中である。
そちらは一体どうなっているのか、楽しみにして連載終了を待っている。

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