北森鴻の新しい小説ももう読めないのかと思うと、非常に残念である。
というわけで、香菜里屋シリーズの最終版である。
本文庫には、五つの短篇が収められている。
ラストマティーニ
ブレジール
背表紙の友
終幕の風景
そして 香菜里屋を知っていますか
香菜里屋は
「東急東横線の三軒茶屋駅。駅から地上に上がり、世田谷通りを環状7号線に向かって歩くこと200メートルほどのところを左折して、あとはいくつかの路地を右へ左へと進むと、やがて小さな路地裏に、ぽってりと淡い光をたたえた等身大の提灯が見えてきます。それが目印なんです。アルコール度数の違う4種類のビールを常備していて、最も高い度の高いものはロックスタイルで供されると聴きました。」
これだけでも行きたくなるではないか。
更に
「カウンターにはヨークシャーテリアの精緻な刺繍を施したワインレッドのエプロンを身につけたマスターが、いつも人懐こい笑顔を浮かべているそうで。『今日は**の良いものが手に入りましたが』と彼が語りかけると、ほとんどの客がそれを注文し、幸福なひと時に酔いしれるのです。」
なのである。
飲んでみたい、食べてみたい、そして「幸福なひと時」に酔いしれてみたいではないか。
で、これだけではなく、この店には「謎」が持ち込まれ、それをマスターが解き明かすのである。
小説としてはこちらが主になるわけであるが、なんと言っても香菜里屋が魅力的な店であること、そしてマスターの工藤哲也がいいのである。
いいのであるが、このマスターの工藤がなぞめいた人物なのである。
その工藤の謎が、この文庫に納められている一話一話でしだいに解き明かされていく。
しかもその謎解きをしていくのが、これまでこの物語に登場してきたいわゆる『常連客』である。
言い忘れていたが、この香菜里屋シリーズはこれまで講談社文庫で
花の下にて春死なむ
桜宵
蛍坂
とある。
是非、これらを読んでから「香菜里屋を知っていますか」を読んでいただきたい。
というわけで、この香菜里屋には、北森鴻の他の小説に出てくる主人公たちがやってくるのである。
蓮杖那智:「蓮杖那智フィールドファイル」
宇佐見陶子:「旗師 冬狐堂」
越名集治:「孔雀狂想曲」雅蘭堂の主人、上記の2作品にも登場する。
この人たちが、最後の最後で工藤の謎を探る。
北森鴻ファンには「たまらない」ところであり、マスターの工藤と作者の北森鴻を思って涙ぐんでしまうのである。
この本を読んでの最大の感想は、かえすがえすも北森鴻を失って残念である、ということである。
東京に行ったら、三軒茶屋をぶらついてみようかと思っていたのに・・・
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というわけで、香菜里屋シリーズの最終版である。
本文庫には、五つの短篇が収められている。
ラストマティーニ
ブレジール
背表紙の友
終幕の風景
そして 香菜里屋を知っていますか
香菜里屋は
「東急東横線の三軒茶屋駅。駅から地上に上がり、世田谷通りを環状7号線に向かって歩くこと200メートルほどのところを左折して、あとはいくつかの路地を右へ左へと進むと、やがて小さな路地裏に、ぽってりと淡い光をたたえた等身大の提灯が見えてきます。それが目印なんです。アルコール度数の違う4種類のビールを常備していて、最も高い度の高いものはロックスタイルで供されると聴きました。」
これだけでも行きたくなるではないか。
更に
「カウンターにはヨークシャーテリアの精緻な刺繍を施したワインレッドのエプロンを身につけたマスターが、いつも人懐こい笑顔を浮かべているそうで。『今日は**の良いものが手に入りましたが』と彼が語りかけると、ほとんどの客がそれを注文し、幸福なひと時に酔いしれるのです。」
なのである。
飲んでみたい、食べてみたい、そして「幸福なひと時」に酔いしれてみたいではないか。
で、これだけではなく、この店には「謎」が持ち込まれ、それをマスターが解き明かすのである。
小説としてはこちらが主になるわけであるが、なんと言っても香菜里屋が魅力的な店であること、そしてマスターの工藤哲也がいいのである。
いいのであるが、このマスターの工藤がなぞめいた人物なのである。
その工藤の謎が、この文庫に納められている一話一話でしだいに解き明かされていく。
しかもその謎解きをしていくのが、これまでこの物語に登場してきたいわゆる『常連客』である。
言い忘れていたが、この香菜里屋シリーズはこれまで講談社文庫で
花の下にて春死なむ
桜宵
蛍坂
とある。
是非、これらを読んでから「香菜里屋を知っていますか」を読んでいただきたい。
というわけで、この香菜里屋には、北森鴻の他の小説に出てくる主人公たちがやってくるのである。
蓮杖那智:「蓮杖那智フィールドファイル」
宇佐見陶子:「旗師 冬狐堂」
越名集治:「孔雀狂想曲」雅蘭堂の主人、上記の2作品にも登場する。
この人たちが、最後の最後で工藤の謎を探る。
北森鴻ファンには「たまらない」ところであり、マスターの工藤と作者の北森鴻を思って涙ぐんでしまうのである。
この本を読んでの最大の感想は、かえすがえすも北森鴻を失って残念である、ということである。
東京に行ったら、三軒茶屋をぶらついてみようかと思っていたのに・・・
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