本屋で、目に入って買った本である。
文庫の帯には
綿菓子のような頭(おつむ)の伯爵を襲う、無法の大騒動
<全短編収録>
田園生活をこよなく愛す、”スローなご主人”が迷走するユーモア小説
とあり、更に気が惹かれたのだ。
著者の『P・G・ウッドハウス』は、ユーモア小説作家で有名らしいのだが(文春文庫でこの本を含め4冊発刊されている)、これまで全然知らなかった。
で、この短編集には10編と特別収録作品1編が収められている。
主人公の「ロード・エムズワース」は伯爵である。ロードは侯爵伯爵子爵男爵:つまり卿、エムズワースは地名である。本名はクラレンス・スリープウッド。
この呼び名だけで、大いに戸惑う。
「ロード・エムズワース」と書かれていたり、クラレンスと書かれていたりする。
このあたりが、翻訳ものの大層厄介なところである。
そしてもう一つ、厄介なのは、英国や西洋史をよく知らないために比喩などがよくわからないことである。
だから多分もっと面白いのだろうと思うのだが・・・
まあそういうことのハンデを除いても面白かった。
主な舞台は、ロード・エムズワースの住むブランディングズ城である。
主人公のエムズワースは「綿菓子のようなスローな頭脳」でもって、この城で或いは領地で起きる事件(大して大きな事件でもないのだが)に対処する。
そもそも「綿菓子のようなスローな頭脳」というのがよく理解できない表現なのであるが、兎も角、的を得た対応ではなく、というか、卿としては対応したくないのが本音で、自分の興味を持つことだけに集中していたいので、上っ面の対応になってしまう。
したがって、周辺の人たちとのギャップが笑いとなるわけである。
まあ、その周辺の人たちも相当に変な人たちなのだが・・・
古い英国の貴族社会を描いているので、その風俗や習慣などが目に浮かばないので、できれば、この辺りを描いているテレビとか映画があればなあ、とも思ったりした。
そういう意味では、昔の少年少女名作には必ず「挿絵」というのがあって、想像を手助けしてくれた。
そんなことまで思い出してしまったのである。
また、気が向いたら、この著者の作品を読んでみよう。
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文庫の帯には
綿菓子のような頭(おつむ)の伯爵を襲う、無法の大騒動
<全短編収録>
田園生活をこよなく愛す、”スローなご主人”が迷走するユーモア小説
とあり、更に気が惹かれたのだ。
著者の『P・G・ウッドハウス』は、ユーモア小説作家で有名らしいのだが(文春文庫でこの本を含め4冊発刊されている)、これまで全然知らなかった。
で、この短編集には10編と特別収録作品1編が収められている。
主人公の「ロード・エムズワース」は伯爵である。ロードは侯爵伯爵子爵男爵:つまり卿、エムズワースは地名である。本名はクラレンス・スリープウッド。
この呼び名だけで、大いに戸惑う。
「ロード・エムズワース」と書かれていたり、クラレンスと書かれていたりする。
このあたりが、翻訳ものの大層厄介なところである。
そしてもう一つ、厄介なのは、英国や西洋史をよく知らないために比喩などがよくわからないことである。
だから多分もっと面白いのだろうと思うのだが・・・
まあそういうことのハンデを除いても面白かった。
主な舞台は、ロード・エムズワースの住むブランディングズ城である。
主人公のエムズワースは「綿菓子のようなスローな頭脳」でもって、この城で或いは領地で起きる事件(大して大きな事件でもないのだが)に対処する。
そもそも「綿菓子のようなスローな頭脳」というのがよく理解できない表現なのであるが、兎も角、的を得た対応ではなく、というか、卿としては対応したくないのが本音で、自分の興味を持つことだけに集中していたいので、上っ面の対応になってしまう。
したがって、周辺の人たちとのギャップが笑いとなるわけである。
まあ、その周辺の人たちも相当に変な人たちなのだが・・・
古い英国の貴族社会を描いているので、その風俗や習慣などが目に浮かばないので、できれば、この辺りを描いているテレビとか映画があればなあ、とも思ったりした。
そういう意味では、昔の少年少女名作には必ず「挿絵」というのがあって、想像を手助けしてくれた。
そんなことまで思い出してしまったのである。
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