佐藤愛子の小説は、雑誌で読むくらいである。
しかも、あまり長いのは読まない。
「戦いすんで日が暮れて」とか「ソクラテスの妻」は読んだと思うのが、忘れてしまった。
話題の「血脈」は文藝春秋で連載されていたので、読もうと思えば読めたのであるが、なんだか「ドロドロ」したカンジが漂ってきたので「敬遠」をした。
オール読物に連載されていた(怒りの)エッセイは大好きで、いつも愉しみに読んでいた。なので、佐藤愛子さんにはなんだか親近感はあるのである。
さて、今回の「院長の恋」は目次を見ると
『渾身の力作百枚!』で
『有能で男前、駄洒落好き、朝子の理想の男性がある日かかった思い病の名は』
とある。
おもしろそう、ではないか。
で、読んだならばやっぱり面白いではないか。
生まれたときから52歳の今日まで「不如意」ということを知らずに、「順風満帆」という言葉の象徴である、この物語の主人公・柏木病院の院長・柏木浩一郎がかかった病は「恋の病」である。
そして、この恋の相手は「悪女」なのである。
「不如意」ということを知らず「順風満帆」の象徴である柏木浩一郎は妻子がある52歳であるにもかかわらず、恋に落ち、その恋を隠さないのである。
あまつさえ、彼の秘書である、この物語のもう一人の主人公・田島朝子にその恋がいかにすばらしいものなのか、相手の女性はどうすばらしいのかなどを話し(つまりのろける)そして更に諍いの仲立ちなどもさせるのである。
無邪気というか悪気のない人間というのは、かかわりがないうちは「いい人」なんだなあと思う。
しかし、かかわりあうと、なんだか「変」なのである。
無邪気で悪意がない分、こちらの対応が難しい。つまりはこちら側が「悪人」になってしまうのである。
この物語も、朝子の気持ちは徐々にそうなっていく。
さて、院長の恋はどのような結末となるのか・・・・
まあ、落ち着くところへ落ち着くのがこの世の中であるので、そうなって行くのではあるが・・・
久しぶりにカラカラとした明るい小説を読んだのであった。
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しかも、あまり長いのは読まない。
「戦いすんで日が暮れて」とか「ソクラテスの妻」は読んだと思うのが、忘れてしまった。
話題の「血脈」は文藝春秋で連載されていたので、読もうと思えば読めたのであるが、なんだか「ドロドロ」したカンジが漂ってきたので「敬遠」をした。
オール読物に連載されていた(怒りの)エッセイは大好きで、いつも愉しみに読んでいた。なので、佐藤愛子さんにはなんだか親近感はあるのである。
さて、今回の「院長の恋」は目次を見ると
『渾身の力作百枚!』で
『有能で男前、駄洒落好き、朝子の理想の男性がある日かかった思い病の名は』
とある。
おもしろそう、ではないか。
で、読んだならばやっぱり面白いではないか。
生まれたときから52歳の今日まで「不如意」ということを知らずに、「順風満帆」という言葉の象徴である、この物語の主人公・柏木病院の院長・柏木浩一郎がかかった病は「恋の病」である。
そして、この恋の相手は「悪女」なのである。
「不如意」ということを知らず「順風満帆」の象徴である柏木浩一郎は妻子がある52歳であるにもかかわらず、恋に落ち、その恋を隠さないのである。
あまつさえ、彼の秘書である、この物語のもう一人の主人公・田島朝子にその恋がいかにすばらしいものなのか、相手の女性はどうすばらしいのかなどを話し(つまりのろける)そして更に諍いの仲立ちなどもさせるのである。
無邪気というか悪気のない人間というのは、かかわりがないうちは「いい人」なんだなあと思う。
しかし、かかわりあうと、なんだか「変」なのである。
無邪気で悪意がない分、こちらの対応が難しい。つまりはこちら側が「悪人」になってしまうのである。
この物語も、朝子の気持ちは徐々にそうなっていく。
さて、院長の恋はどのような結末となるのか・・・・
まあ、落ち着くところへ落ち着くのがこの世の中であるので、そうなって行くのではあるが・・・
久しぶりにカラカラとした明るい小説を読んだのであった。
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