暑いニューヨークの夏、川岸を歩けば河を流れてくる優しい涼しい風を感じる。
夏を感じる時、それは良く晴れた日の猛暑の中で駐車した車に乗り込む瞬間。熱を蓄えたシート、熱いステアリング、そして篭った熱い空気。クーラーを全開にして体の一部に冷たいと感じる空気を感じるその時。アクセルを踏めば遠くに陽炎が舞い、左右にはいつもの街の景色が流れるが、木々は夏色になって黒緑の枝を揺らしている。しばらく走ってクーラーが全体に効き出す頃に汗が止まりカーステの音楽を選ぶ、やがて口を開きたわいのない会話が始まった頃に...、車は再び止まり(P)サイドブレーキを引く音、エンジンが止まり、『はい、着きましたよ!』再びドアをあけて熱い外気に包まれる。
花々は暑い太陽に向かって花を咲かせる、暑さから逃げないでむしろ歓迎しているように見える。人にとっては苦手な猛暑もこいつらはびくともしない。まぶしい太陽の下がこの花達にとっては快適な世界なのだろう。
毎年夏は慣れたかな~?と思う頃に終わる。そういうものかな?
今年の夏は更なる暑さを求める。四季のない環境に行くと四季のある当たり前の環境の有り難味が解る。日頃当たり前だと思う事が実はそうではない事を知る機会でもある。
日々の現実から非現実へと刺激を求める、その一つが旅なのかも知れない、感動もあれば当然試練もあるだろうけど...、つまりこれは人生の縮図と思っている。そう考えると、人の人生というのも退屈なあの世から刺激を求めてこの世に旅行に来た姿なのかも知れない。旅の途中はいろんな事があるが全てはやがて良い思い出になるのかも知れない。