一台のランドクルーザーFJ55に惹かれるものがあった。古いFJに惹かれるのはランクル好きならば当然の事である。カリフォルニアナンバーのオリジナルペイントでルーフの一部は塗装が剥げて下地のサフェーサーが浮き出している。距離を置いて通り過ぎようとすると車体の後ろのテントからオーナーが丁度出てきたので挨拶をした。
オーナーの名前は聞き忘れたが彼はこのFJ55について色々語ってくれた。このFJを手に入れた時はひどい状態でボディの下部には錆で複数の大きな穴が開いていた。その穴をオーナー自身が修復したのだが穴を塞いで新しく塗装する手段は選ばずオリジナルな雰囲気を保つ事に注意しながら作業の出来が自然で有るようにボディを復元中なのである。そして、彼がこのFJ55のオリジナル維持にこだわっているのには理由があった。
アメリカの俳優 EFREM ZIMBALIST JR. を知っているか?と聞かれた。勿論知らないし、イメージさえ全く沸かなかった。彼の娘 STEPHANIE ZIMBALIST も良く知られた女優であるとの事。このFJ55は ZIBALIST 家で使用されていたランドクルーザーで当時は彼のシンボルであったホースシューの印がボディの横に貼られていた。(写真はその跡です)この意味のあるランドクルーザーをオリジナルで保存したいとする気持ちが現オーナーにはあるのです。外見はオリジナルを保ちつつもエンジンはV8に置き換えられていますが、意味のあるランドクルーザーを使い続けている姿勢は故 ZIMBALIST 氏にとっても嬉しい事なのではないかと思います。