1959年から1980の約20年に渡って生産された Nissan Patrol G60。写真は現在アメリカの市場に出ているセカンドジェネレーション型の1980年 Nissan Patrol G60 RHD である。ステアリングホィールやブルーのアルミホィールはオリジナルパーツではないが、車体全体は美しくセミレストレーションが施されている。もしも、目の前をこのG60が通り過ぎたとしても多くの人々はこの車が何かを認識する事は難しいであろう。それ程にアメリカでは目にする機会の少ないクルマである。
この車体は右ハンドル。当時、日本、インド、南アフリカで生産が行われていた。これはオーストラリアから来たのであろうか? 当時のアメリカではDatsun の名で販売されていた左ハンドル車であった。ワンオフで製造したのかどうかは分からないが新しいソフトトップと、前後バンパー、更に現在ティストのマッドタレーンタイヤが好く似合っている。
ランクル40系やランドローバーのシリーズが現在も世界で活用されている事を思えばG60もスポットが当てられていないだけで現在も世界で活用されているはずだ。Datsun レストアラーの友達が世界の特定の地域ではDatsunの新しいアフターマーケット部品が流通し続けていると語っていたのを思い出した。
走行距離は67500km。ノーマルを維持しているがほぼ全てにおいてオーバーホールが施され、消耗品は交換されている。エアコンシステムも稼働する極上整備車である。
人が触れる部分はアフターマーケットパーツが組まれている。使用する事を重視した選択であろう。フロアーを除いた室内パネルとドアの内側はオリジナルペイントであろうか?車体は元々錆が少なかった一台であったのであろう。
1960年代ではなくて1980年の最終モデルであるが、フロントウィンドウの上から下がる3本ワイパーは特徴的だ。これはフロントウィンドウの下に空気口が有る故に上部に装備されたのであろう。夏はサイドのソフトトップを捲り揚げ、フロントウィンドウ下の空気口を開け、三角窓を斜めに立てて室内に風を導入する。室内エアコンの普及において走行風を活用した室内の熱を逃がすマニュアル的循環装備が今日のクルマは全て消滅してしまった事を残念に思う。...このモデルは3速であったが。
1962年にオーストラリアの Simpson Desert を一番最初に横断したのがこのG60であった。今の時代においても砂漠を走るなら、あえてこんな四駆で走った方が絶対に面白いであろう。希望販売価格は約2500ドルである。FJ40が人気を保っている背景はそのティスト(持ち味)であるが、G60もそのティストを持ち得ている。
よろしくお願いいたします。