生前に遺書を残すという話はよく聞くが、自身の主張や意思を文章で残すという手法ではなくて形で残す。それが英国のエディンバラ公爵フィリップ王配のやり方であった。4月17日に行われた葬儀に使用された霊柩車が話題となっている。2003年より、ランドローバーディフェンダーTD5のロングホィール車である130をベース車として、自分が亡くなった時の柩を運ぶ為にフィリップ王配自らの指示で製作された特別仕様車である。リアはピックアップトラックの様にオープントップ。柩を固定する為のゴムと金属のストッパー。深緑のボディーカラーも Belize Greeen から Dark Bronze Green となって、よりミリタリー車両に近い色となっている。彼は若き頃からランドローバーを愛しており、社との関係も深かった。自身の柩を運送する為の霊柩車の製作を当時83歳の公爵が始めたのは、何時か訪れるデあろう自らの死を意識しての事である。近代的なレンジローバーを選ばないで、シンプル構造でディーゼルエンジンのディフェンダーをベースにしたのには意図が感じられる。このディフェンダーに運ばれて黄泉の世界に行く事を願い、自身の死は国民に注目される、自信の面影とディフェンダーを重ねて将来末永く国民に思って欲しい。そんな意図を感じる。彼とランドローバーとの写真を見ると、若き頃にエリザベス女王と一緒にランドローバーのシリーズのステアリングを握って駆った頃が一番輝いている様に感じる。誰も言わないがエディンバラ公爵フィリップ王配は実は、こちら側の人間であったのだと思う。
英国はヨーロッパから離れて(ブリジット)再びグレートブリテンの方向に舵を切った。前トランプ大統領が政策として掲げていた Make America Great Again (アメリカ合衆国を再び偉大な国に)に重なる国策である様に感じている。ランドローバーのシリーズと前期ディフェンダーの露骨的な存在は大英帝国を感じさせるものがある。遺書ではなくて遺車であるデイフェンダー130には、英国を再び偉大な国に、と願うフィリップ王配の隠れた意図と願いが込められていると感じている。
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