1.遺伝と環境
(01) 氏か育ちか
遺伝か環境か アヴェロンの野生児 18世紀末フランス トリュフォーの映画 ヴィクトールの事例 医師イタール
アマラとカマラ 20世紀初頭インド
(02) 遺伝と環境を巡る研究
イ) 行動主義 ワトソン
ロ) 一卵性双生児をつかった研究 差違に注目がいきがち
ハ) 遺伝 優生学へ結びつく ゴダード(Goddard.1912) 「カリカック家」の研究 断種に結びつく
2.情動と調律
赤ちゃんは、人間を他から区別する
(01) 母子の共鳴と模倣
イ)新生児模倣 舌出し模倣
ロ)リズム 同調 エントレイメント 母屋が、タラちゃんと声をかけると、しばらくして反応する
ハ) 生後6ヶ月 他者の行動をまねる
ニ) 生後10ヶ月 即時模倣
ホ) 2歳 延滞模倣 記憶されたものに基づく → イメージの発達的起源
(02) 社会的学習
イ) 古典的学習理論 強化プロセス ほめられると繰り返す 怒られるとやめる と、考えられてきた。
ロ) バンデューラ(Bandura.1973) <1>起き上がりこぼしのようなものへの 暴力 大人 見せる 子ども 連れて行く まねる → 強化がされていないけれど まねる
<2>条件変更 報酬群 罰群 統制群(中立モデル) 罰は抑制 他は同じ
ハ)バンジューラの概念 観察学習 モデリング 他者の行動等をモデルとして観察することで観察者の行動に変化が生じる学習
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こどもがテレビなどの暴力シーンをまねる
精神分析 大人を通して、子どもを推測してきた。 ↓
( 3) 情動調律
イ)母子 相互交流 自己の発達 精神分析→ クライン,ビオン,ウィニコット 対立 発達心理学者
ロ) スターン(Stern.1985) 精神分析的姿と発達心理学的観察の統合 ビデオ 間主観的な状況 間主観性は、初期には、主観性として議論
乳児の主観的世界を描写している そのための概念として、「自己感」(sense of self)を導入
自己感とは、様々な体験を組織化していく中心として、自分自身が、他から区別された行為主体(エージェント)として
自分を感じる主観的な感覚のことである
<1> 新生自己感 2ヶ月まで 無様式知覚(amodal perception) 生気情動(vitality affect) イボイボの棒をしゃぶらせると、それをじっと見る 共通感覚=スターンは、無様式知覚 体性感覚につながる
<2> 中核自己感 2ヶ月~ 身体的単位で一貫された存在として自己を認知 バウンダリー 領域を空間的に認識
<3> 主観的自己感 5-6ヶ月 母子一体の共通世界を読み取る 主観的な両者の関わり 情動律動 大人とのコミュニケーション なだめると、なだめられる 子どもの意図 母の意図 共有 生気情動にコミット
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<4> 言語的自己感 15ヶ月頃~ 1歳ぐらいから言語により、自己を客体化、象徴を用いる ワンワン 一部しか表現できない 大きいワンワンも小さいワンワンもワンワン 身体的自己感 とギャップ
<5> 物語的自己感 本講義では、カット
スターンの図示
3.愛着理論
(01)愛着の基礎研究
<1> 他者との関わりの必要性 スピッツ → 乳児院 情緒的関わりの欠如 ホスピタリティーとの関連
<2> ハーロウ(Harlow.1958) 代理母実験 アカゲザル 授乳できる針金人形 と 柔らかい人形
<3> 愛着(attachement)とは、特定の他者や対象との情緒的結びつきのこと 情緒的 身体的 かかわり 根源的な生得的欲求
(02) 愛着の内的ワーキングモデル
<1> 生後8,9ヶ月頃 重要な他者からの反応は、自分の情動状態を鏡映させたものととらえる その情動の意味や状態を、重要な他者の調律のあり方により、意味づけ表象
<2> 意味づけをする他者が、認知スキーマとして、フレームワークになる
<3> 内的ワーキングモデル (ボウルビィ.Bowlby.1973) 自己と他者のイメージの基礎 危機的状況下で、その他者を回避するか接近するかの指針になる
<4> エインズワース(Ainsworth.1978) ストレンジ・シチュエーションという手法
イ)母親の一時不在と一歳児
回避型
安定愛着型
アンビバレンツ型
一生続くと考えられる 近年反論も見られる
<5> メイン(Main.1985) アダルト・アタッチメント・インタビュー (AAI) 1歳児 と 大人期で比較 相関あり
( 3)愛着理論の検討
<1> メインの研究は、実際に母親の子どもの頃の体験が報告されているか分からない
<2> スコルニック(Skolnick.1986)乳幼児期の母子関係と児童青年期ないし成人期以降での一致は、3割 七割は、変化する
<3> 友人関係等で、内的ワーキングモデルが変化
<4> 安定型が健康的で優れいる→問い直し
<5> モデルであるということ
[備忘] この章では、スピッツによる乳児院等の施設での問題やハーローのアカゲザルを使った実験やボウルビィの愛着をめぐる話などがおもしろかったです。