放送大学で、学んでいます

大学を出ているので、編入で全科生になりました。心理学を中心に学びまして、今は、再入学により、再び学びを始めました。

滋賀学習センター

2016年06月06日 | 学習センター・面接授業

面接授業の申込も、2月頃なので、必ず参加できるかどうか分からない状態で選択せざるを得ない。

滋賀学習センターは、かなり辺鄙なところにあるので、できれば、自動車で行くのに越したことはない。

本来、希望している「心理学」に関するものは、結局当たらなかったので、タイトルに惹かれて

申し込んだのが、「核物理学の初歩と今日の核問題」松井 哲男(放送大学・教授)であった。

申込当日は、名神高速道路が工事のため夜間通行止めになるとは思ってもいなかったので、

6時ぐらいに出発すれば、8時には着くだろうと考えていた。

実は、新車を5月に購入したのだが、過去少なくとも二回、買った年にたまたま葬式があって、

購入後まもなく、葬式に駆けつけるのに使う羽目になった。

周囲を見回せば、親戚にも高齢者が多く居り、可能性はより高まっているので、たまたまの偶然で

最初の遠出が、そういうことになるかも知れないことは、なんとなく頭にあった。

 

粒子としての性質と波としての性質を併せ持つ世界を量子論は説明しようとしている。

 

授業は、現代物理学史のようでもあったが、ウラン235とウラン238の違いなどが分かって

いろいろと収穫もあった。

ただ、何かと不自由な環境下では、落ち着いて勉強するのも困難になってきた。

パウリと聞くと、ユングとの関連が連想される私には、何らかの「コンステレーション」の

中に置かれているように感じる。

 

あまり、滋賀学習センターの情報は、ネットにもないので、そこへの行き方や食事はどうするかなどに

ついて、レポートすることも考えていた。

 

今回は、ちょっと、気が滅入るような状況に置かれているので、誰かのレポートなどを参考にして欲しい。


放送大学の心理学実験で書かないといけないレポートの例

2016年02月19日 | 学習センター・面接授業

挿入課題が系列位置効果に与える影響

 

問題

 Murdock (1962)は,一つずつ順次呈示されて記銘した単語系列を直後に再生した場合,系列の最初の方と最後の方の再生率が高くなること(系列位置効果)を示した。系列の最初の方の再生率が高くなることを初頭効果,最後の方の再生率が高くなることを新近効果と言う。Murdockは,この効果を順向抑制と逆向抑制によって説明した。

 例えば,印象の強い出来事があった場合,その前後の出来事が思い出しにくくなるという記憶の抑制効果が知られている。ある出来事がその後の出来事の記憶を抑制することを順向抑制,ある出来事がその前の出来事の記憶を抑制することを逆向抑制と言う。系列呈示された複数単語の記銘においては,各単語の記憶は順向抑制と逆向抑制を受ける。この場合,最初に出てきた単語は順向抑制を受けず,最後に出てきた単語は逆向抑制を受けない。このように順向抑制と逆向抑制を受ける程度は、系列位置(呈示順位)によって異なり,最初では順向抑制が弱く,最後の方では逆向抑制が弱いと考えられる。このことが初頭効果と新近効果という系列位置効果の原因であると, Murdock (1962)は論じている。

 これに対して, Atkinson & Shiffrin (1968)は,記憶の二貯蔵モデルによって初頭効果と新近効果を説明した。彼らによれば,記憶は短期記憶(short-term memory: STM)と長期記憶(long-term memory: LTM)の2種類に分けられる。STMは,例えば,単語の場合,頭のなかで単語の音声イメージを繰り返し思い浮かべること(リハーサル)をしながら保持される。このようなリハーサルを行わないと数秒から十数秒で忘れられる記憶である。それに対して, LTMは長期的に保持される記憶である。Atkinson & Shiffrinは, STMとLTMは別々の機構に基づいており,繰り返し思い浮かべること,すなわち,リハーサルを繰り返すことによってLTMとして記憶が定着するとしている。彼らは,初頭効果がLTM,新近効果がSTMに基づいていると主張している。すなわち,初頭効果はリハーサルを繰り返すうちにLTMに定着し,新近効果はSTMにおける保持によって直ちに回答されたとしている。

 系列位置効果については,  Glanzer & Cunitz (1966)が,単語系列の直後に計算問題を挿入し,その後に再生させることで,新近効果が見られなくなるが初頭効果は見られることを示している。言い換えれば,単語の系列呈示の直後に意識や注意を計算課題の遂行に向けさせて,再生までの時間を遅延させると,新近効果はなくなり,初頭効果はなくならないことを示している。Atkinson & Shiffrin (1968)は,新近効果だけに見られた挿入課題と遅延時間の影響は,記憶の二貯蔵モデルを支持する証拠だとしている。すなわち,挿入課題がリハーサルによるSTMの保持を阻害したため,遅延時間によってSTMによる保持が喪失されたというのである。

 この実験では,  Glanzer & Cunitz (1966)の実験を追試し,系列位置効果がMurdock (1962)の説かAtkinson & Shiffrin (1968)の説かのどちらによってより説明されるかを検討する。翻って,記憶の二貯蔵モデルの妥当性を検討する。挿入課題の影響がMurdock(1962)の説を否定しているかどうかは,計算という単語の記銘とは別種の課題が逆向抑制をすると考えてよいかどうかにかかっている。そのため,考察では,この点をどう考えるかを明確にするとともに,記憶を再生するときの想起順や実験参加者の言語報告を検討する。新近効果がSTMによるとすれば,実験参加者は系列の最後の方の単語から再生する傾向があると予測される。また,系列呈示される複数の単語の記憶方略として,リハーサルを行ったという言語報告が得られれば, Atkinson & Shiffrin (1968)の二貯蔵モデルを支持する付加的あるいは間接的な証拠が得られたことになるであろう。

方法

実験参加者 放送大学生18名(男性6名、女性12名)が実験に参加した。年齢は,バラバラであるが、高齢者も少なくなかった。(正式には、年令の平均と範囲を記す)

実験計画 遅延時間の有無(遅延あり,遅延なし)を独立変数とした参加者内1要因計画

材料 森・太田(1991)によって調べられた,大学生が中程度に思い浮かべやすい単語から,ひらがなで5文字になる単語30語を記銘項目として用いた。記銘項目10項目からなるリストを3リスト作成した。この際,同じ音が最初にくる語や明らかに意味的な関連のある語が,同一リストに入らないようにした。各試行で用いた単語と呈示順は表1に示すとおりである。

表1 系列位置効果実験で用いられた記銘材料(各試行呈示順)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

第1試行 ①ゆめごこち ②あいことば ③かんこどり ④くちぐるま ⑤けいむしょ

     ⑥ふるだぬき ⑦やおちょう ⑧すいさいが ⑨そうじゅう ⑩だいどころ

第2試行 ①けいりゃく ②じゅうじか ③あいきどう ④そくりょう ⑤たからぶね

     ⑥ちくおんき ⑦かつおぶし ⑧めしつかい ⑨なんぱせん ⑩むらはちぶ

第3試行 ①からげんき ②いなぴかり ③なにわぶし ④くさまくら ⑤らしんばん

     ⑥いろめがね ⑦しおひがり ⑧たまてばこ ⑨むしめがね ⑩やせがまん

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

手続き パソコンの画面中央に,記銘項目を1項目ずつ継時的に提示した。記銘項目の提示時間は1秒,項目間間隔は2秒とした。提示される項目リストの順序は,表1の通りになるようにした。遅延時間なし条件では,項目リストの提示終了後,参加者自身の記入による項目の再生を求めた。遅延時間あり条件では,項目リストの提示終了後,参加者に3桁の乱数を提示し,その乱数から連続的に3を減算する作業を口頭で30秒間行ってもらい,その後参加者自身の記入による項目の再生を求めた。参加者には項目をできるだけ多く暗記するよう教示した。その際,項目の暗記方法は自由であること,どのような順序で再生してもかまわないことをあわせて教示した。再生時の制限時間は1分間とした。2つの実験条件の実施順序は,パソコンの中にパワーポイントがあるひとが遅延時間なし条件で先に行い、その後、それ以外の参加者が遅延時間あり条件で行った。参加者の再生は,参加者自ら誤反応も含め反応順に記録した。

実験終了後,参加者の記銘方略や再生方略についての内省報告を参加者自ら記録した。

結果

まず,実験参加者ごとに系列位置(呈示順)における正再生率(正再生数÷3試行)を求めた。そして,群での平均値を求めた。横軸に系列位置(呈示順)をとり,縦軸に正再生率をとって,2群の折れ線グラフを一つの図1にまとめて描いた。

図1 正再生率の変化

 

 

系列位置

 

 

この図の外枠は不要です。(外枠を書くと間違いですから気をつけてください)

【結果の記述は省略していますが、本来は必要です】

考察

遅延時間なし条件では、遅延あり条件よりも、とりわけ冒頭部と終末部で、正再生率が、増加しており、正再生率の割合も全般的に遅延条件ありよりも多いが、特定の単語に関しては、遅延時間あり条件のほうが、正再生率が高いために、Murdock (1962)の研究は、ある程度再現できた。グラフからは、Atkinson & Shiffrin (1968)の二貯蔵モデルの可能性は否定し得ないが、明確な結果としては表れていない。今回の実験では、有意味な単語であったために、たとえば、各試行における単語順位⑤にみられる「けいむしょ」「たからぶね」「らしんばん」は、網走刑務所やケーキ屋のタカラブネ及び航海に使われる羅針盤が画像イメージとして即座に連想されるため、再生率が、条件を変えても、高かったと推測される。同様に、単語順位⑨は、遅延時間あり条件の方が回答率がよい。⑨も比較的イメージ化しやすい単語だと考えられるが、今後の検証が待たれるところであった。

 また、言語報告の記録に拠れば、単語の記憶方略に関して、「イメージを思い浮かべた」と回答した割合が多く、放送大学の専門科目「記憶の心理学」や「教育心理学」などを受講していて、記憶に関する学習をすでに終えているものも多いのかもしれなかった。後者でも、「記憶方略」に関連して、精緻化の例として「イメージ化」の説明があった。このイメージ化により正再生率を向上させたであろうことは、同記録の想起方略に頭にはっきり残っている言葉から思い出そうとしたと回答した人の割合が多いことからも、推測しうる。課題としては、意味のある語でも、「げんしょう」「せきにんかん」「がいねんわくぐみ」「あいでんてぃてぃ」「しょうとくかんねん」などの抽象的な言葉だと、イメージ化という記憶方略が使いづらいので、具体的なものの名前と抽象名詞を記銘材料とした場合、無意味語に近い結果が得られるかもしれなかったが、これも、今後の検証が待たれるところであった。

引用文献

Glanzer, M・, & Cunitz, A. R. (1966). Two strage mechanisms in free recall. Journal of Verbal Lerning and Verbal Behavior, 5,351-360.

Murdock, B. B. Jr. (1962). The serial position effect of free recall. Journal of Experimental Psychology, 64,482-488.

梅本尭夫・森川弥寿雄・伊吹昌夫(1955).清音2字音節の無連想価及び有意味度 心理学研究,26,148-155.

Atkinson, R.C.; Shiffrin, R.M. (1968).   Human memory: A proposed system and its control processes. In Spence,K.W.; Spence, J.T. The psychology of learning and motivation(Volume 2). New York: Academic Press. pp. 89-195.

森直久・太田信夫(1984).単語完成課題の作成:Ⅱ 筑波大学心理学研究,  13,   136-140

 

--------------------------------------------------------------------------------------------ここまで

 

この論文作成に当たっては、授業時間の制限があったため、下記を参照及び引用した。下記書物は、心理学実験を学ぶものには、大変有用です。

宮谷真人・坂田省吾編(2009).心理学基礎実験マニュアル.北大路書房,pp.110-111.

 


あべのハルカス展望台から見た大阪学習センター

2014年04月15日 | 学習センター・面接授業

今日、天王寺のほうで仕事があったので、帰りに、あべのハルカス展望台に上ってきました。

阿倍野側から見たハルカス。高さは、280m。日本一高いビルです。

ハルカスの当日券は、近鉄の2階のところに入場券を売っているところがあります。

ハルカスに登るエレベータのあるところには、入場券を売っているところがないので注意が必要です。

16階までエレベータで登ったあと、別のエレベータで、60階まで約45秒で登ります。

今日は、PM2.5などのスモッグのせいか、遠くは見えませんでした。

大阪教育大学天王寺キャンパスが見えたので撮影しました。

アベノハルカスの一角には、業者がやっている記念撮影コーナーがあります。

たぶん、大阪の恥部、ディープ大阪、利権の縮図というか、とりあえず、見てはいけない場所である、顔見せで営業している遊郭のある飛田あたりを見えなくするための策ではないのかと、いぶかしく思いました。

飛田遊郭は、近年できた遊郭でもあり、規模からも言っても最大級でしょう。日本最大の遊郭と言っても過言ではないのかもしれません。

ただ、チョンの間といって、15分ぐらい(1万~1万5千円)で事を済ますところなので、前戯代わりに、その辺りの通りを歩き、やりたい娼婦を探すのも楽しみのうちと言えよう。

接客中以外の娼婦は、玄関先に煌々と照らされて座っている。

ユング心理学的には、ロマンチック・アニマを投影させられてしまうのだろう。

売買春は、道徳的には退廃したものなのだろうが、男性に性欲がある限り、お金を支払えば、気持ちのよいことが出来るという点では、需要はなくならないだろうし、また、自己の女性像を投影するシステムを内在化している

人類においては、まさに、元型的な行為であり、現象と言えるかもしれない。

とりわけ、心理臨床に於いて、若い女性のカウンセラーが、年配のクライエントに対峙する状況は、お金を払う、時間制限、場所も限られているという構図に関して、類似性が見られる。

ただ、飛田では、一度会って、もう二度と会えない状況は、かなり確率であるのに対し、数回に渡って会える確率が高くなるところだろうか。

「性格の鎧」を表した、W.ライヒは、性に関して、社会で自由に語り合え、交わり会える世界を理想の社会と考えるようになった。ライヒの理論は、現代思想を生むのに影響を与えたが、その現代思想の退潮とともに

精神分析の世界からも消えた。

風営法などにより規制や制限される性の文化は、店舗が規制されるために、無店舗タイプのデリヘルやホテヘルのように、景色の背後に退いた結果、常識人にとっては不快な物体の多くは消えゆく中、

道徳的退廃も、一種の元型的世界なのだから、いろんな多くの問題があるのを承知で言えば、目に見える形で残って欲しい文化ではある。

「性」の問題は、子どもや青少年たちの発達課題との関係で、微妙であるし、中高年にとっても、なかなか深刻な問題のひとつなのだろうと思う。

とくに、少子高齢化により、超高齢社会に住まう我々の発達課題でもあるのだ。

 


続・面接授業体験記 「学問への憧れ 学生文化の昔と今」稲垣恭子先生

2013年12月23日 | 学習センター・面接授業

ただ、授業時間が短かったために、本来語られるはずであった’80年代以降は省略されることになったのは、残念であった。

バブルに浮かれて失われた’80年代は、時代の転換点を予見し、沈黙した時代なのかもしれない。

アイドルを崇拝し、ダンスミュージックが流行り踊り狂った時代で、警鐘を鳴らすものが隅に追いやられたように見える時代でもあった。

 

そういう時代をどう解釈するのか?

 

私の宿題として残ったのは、

1.「高等女学校」が、外国人によるキリスト教系の学校に対抗する目的で作られたものであったとしても、その「女学校文化」は、文化レベルでは、男子の文化と相補的な関係にあり、そういう雰囲気が人に与えた影響も多かったのだろうこと。それが、その後の彼女たちの社会生活において現象レベルとして特徴的に現れているものは何なのか。

2.とりわけ、’70年代とそれ以降を特徴付けるもの 今の学生は、どうなのだろうか。

3.日本は、明治以降、強固な社会構造(とりわけ学校制度)を維持することに力を注ぎすぎた結果、多少の平準化はもたらしたであろうが、それにより、ブルデューが想定したような文化資本を背景に時代を切り開く思想や諸々を創造するべき人が誕生しえていないこと。

4.3.の結果、平準化への希求が、かえって、社会格差を生み出したこと

などなど、多くの疑問を抱えるに至った。

 

稲垣先生は、大変エレガントなタイプの先生で、オリジナリティーのあるリサーチにより、研究をまとめられていて、たいへんすばらしい講義であったと思う。

できれば、「学生文化の現在」についての講座が、来期開講されるのを期待したい。

 

私は、心理学を主として、学ぼうと思っているので、女性の教授が「女学生」について語るということがなかったら、この面接授業を申し込んでいなかったはずである。

今年の秋には、金沢で、鈴木大拙館を訪ね、西田幾多郎との接点についても触れてきたことも、無意識下で、何らかの予感があったのかもしれない。

 

やはり、放送授業より、迫力もあるし、もう少し勉強しようという意欲も出てくるし、面接授業は、よいものだなあと感じている昨今です。


面接授業体験記 「学問への憧れ 学生文化の昔と今」稲垣恭子先生 in Kyoto branch

2013年12月23日 | 学習センター・面接授業

12月21日は、寒くて雨が降るだろうという予報があったので、万全の体制で臨んででかけることにしました。仕事柄、長時間机に向かっているのは慣れているというものの、実習・実験ではなく、講義というのは、かなり疲れるものです。

分野としては、「歴史社会学」に属する研究といえるものなのでしょう。

第1日目は、主として明治に入ってからの教育制度、とりわけ、旧制高校・帝大に焦点が当てられて、その全体像を俯瞰することから始まりました。第2日目は、高等女学校卒業生に関するリサーチの分析結果と、その背景やそれらに基づく考察がなされました。

---------------------------------------------------------------

分析枠組みとして、N.エリアスが概念化した「文化」と「文明」、また、P.ブルデューの文化資本論などが用いられていた。

極めておおざっぱなまとめを行うとすると

エリアスが言う「文化」=旧制高校       ブルデューがいう「文化資本」 江戸文化や京都文化            女学生(高等女学校)

          「文明」=旧制女学校                「文化資本がない」 旧山の手文化(薩長藩邸)    地方から努力して帝大に来た学生

 

という結論になる。

 

さらには、

 

女学生=たしなみ文化 +α

という概念化を行っている。

---------------------------------------------------------------

以上が、私がまとめた要点です。

ブルデューが文化資本、そういうものがなんとなくあるなあと実感するには、放送大学の面接授業のクラスではだめで、日仏学館のフランス語講座であるとか、

ドイツ文化センター(ゲーテ・インスティテュート)などのドイツ語会話講座などに行かないと、日本では、そのようなお嬢様がたには出会えません。

 

会話の内容が、「今年のニューイヤーコンサートは、・・・」とか話されているときのコンサートは、浜崎あゆみではなく、ウィーン・フィルなのです。

ウィーン・フィルの演目は、シュトラウスなどになりますから、ブルデューからすれば、レベルの低い文化階層ということになるかもしれません。

日本では、「第九合唱」が年末によく行われますが、これは、大衆文化であって、ベートーヴェンだけれど、それに皆が慣れ親しんでいるわけではないので、ちょっと滑稽なのです。

 

社会学に関しては、ほとんど知らない私は、講義の中身までは、書くことは能力的に無理なのですが、ブルデューの構成概念にうまく収斂されており、興味深く有意義な授業でした。

ただ、様々な疑問も生じたのも事実なのですが、それらは、来世まで持ち越すことになりそうです。

なお、参考文献としては、下記のものが指定されています。

・教育文化を学ぶ人のために(稲垣恭子 編/世界思想社/¥2,310/ISBN=9784790715245 )

女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社

京都学習センター喫茶室での昼食について 800円が640円になる不思議

2013年12月22日 | 学習センター・面接授業

京都学習センターでの面接授業「学問への憧れ・・」という講座に出てきました。

教育社会学を研究されている先生で、専門は「女子学生」らしいです。稲垣恭子先生という京大の先生です。放送大学でも、講義されていたようですが、すでに閉講になっています。

これは、心理学ではなく、社会学的考察なので、個別的な話題よりも、社会的普遍性を発見するのが、この学問の役割なのでしょう。

 

たとえば、夏目漱石の「こころ」を当時のエリート学生が物語るものとして読み替えると、その当時の様子が分かったりするのがおもしろいです。

 

わたしは、昔と現在を比較するには、集団の規模が違う点が気になったのですが、それも考察対象はいるらしくマーチン・トロウが、高学歴者が全体の何パーセントを占めるかで、高等教育を受ける人の割合が増加すれば、質的変化をもたらすという理論を提唱していたりして、おもしろいです。生涯学習における放送大学は、エリート教育のための機関ではないので、あまり、関係はありませんが、でも「知は力なり」と述べたベーコンが述べたように、マスの教育レベル・知識レベルが高まれば、それなりの社会的影響はあろうかとも思われます。

第1日目は、旧制高校から帝大へ進学するエリートなどが、なぜ、教養主義を受け入れたのか、あるいは、そういう主義になびいたのかについて、社会学的考察が述べられました。構造的なものとして、山の手文化と江戸文化を類比させて、前者が後者を駆逐していく様子との類似点なども説明されました。薩長の田舎ようなのエートスが、都会であった江戸の文化を侵食したように、田舎的規範が、教養主義に向かわせたのだという指摘には納得できました。

そういう意味では、歴史的経緯を背景に置けば、うまく社会現象を説明できるトピックだろうと思われます。

さて、昼食ですが、今回も、1階の喫茶店で、ピラフ定食を食べました。学生証を見せると、800円が、640円になります。

 

 

授業で、日経新聞の「私の履歴書」で、12月は、コトラーが書いているので、つい連想してしまったのですが、この喫茶店は、ある意味で、一般客を排除はしないんだけれど、ちょっと、学生でないと損だよと思わせることで、お客さんを選別しているといえましょう。

 

学生と言っても、社会人学生だと、定年退職者は、比較的貧乏なのに対して、現役の人だと、そうでないひともいることでしょう。

 

最近の大学の食堂は、お店も味もよくなっていて、むしろ、街中で食べよりもおいしいこともあるらしい中、どうして2割引なのか気になりました。

 

まあ、勉強している人を応援していますというのが、本当のところかもしれません。写真では、スープとサラダは食べたあとですが、このピラフのあとにコーヒーまで付いてきます。

 

お得感は、すごくあります。味も、悪くないので、京都学習センターに来られたら、利用されるのもいいかもしれません。


臨床心理学実験・演習Bの面接授業体験談

2013年12月16日 | 学習センター・面接授業

担当の川部哲也先生は、心理療法家で、研究者としての存在は、仮のお姿なのだそうだが、おそらく教育にもたいそう熱心でおられるようで、二日間の授業は、老身にはややこたえました。

機銃掃射のように、飛び出すトピックは、大泉洋の水曜どうでしょう』という北海道テレビ放送のローカル番組から「LINEはずし」まで、多岐に亘りましたので、それらを消化するには、もうしばらくかかりそうです。

佐々木玲仁 『結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ』、フィルムアート社、(2012)

にある当該番組紹介が、最後まで、伏線となり、私は、まだ、見たこともなく、その書物を読んだこともないのに、川部ワールドに浸ることとなりました。

この種の授業は、「禅」の体験に似たようなところがあって、文字にすらできないものは、いくら、このようなメディアが発達しても、本質を伝えることはできません。

「禅」においては、こころならこころを言語化しないというか、するならば、こころのように言語化する「方法」が取られるために、言語に必ず「意味やイメージ」と結びつける「くせ」がついていると、ことばの持つ音としての世界を体験することが不可能なのと似ています。

第1日目は、「既視感」に関して、あるマンガが紹介されたり、「バラエティー番組」研究としての「水曜どうでしょう」の話があったりして、意表を突かれ、そっちの話のほうがおもしろそうという後ろ髪を引かれながら、「言語によるコミュニケーション」とウィニコットが開発したスクイッグル法を使った「言語によらないコミュニケーション」の実習がありました。が、後者のほうは、それから派生した方法であったかもしれません。

第2日目は、宮崎駿「千と千尋の神隠し」のアニメを見て、その中にある「成長」のモチーフなどを発見するというような課題と、風景構成法の実習がありました。後者は、かなりおもしろいです。何となく知ってはいるけれど、実際には行ったことがなかったので、新鮮でもありましたし、イメージで、たとえば、幸福な感じなどを他の人に分けてあげられるような、そのようなことが可能なのだろうという感覚を得たことは、大変な驚きでもありましたし、楽しいできごとでありました。

順番からすると「心理学実験」を先に五つ並べて抽選に臨んだ結果、5つ外れたものの、満足度は、かなり高かったので、偶然というのも侮れません。


おそらく、1980年代前半頃に、「風景構成法」という名前の書物が、中井久夫著作集の別巻として書店に並んでいたように思います。それから、約30年余にして、それが、どういうものなのかをおおよそ知る機会が得られたことになります。 

最後に、参考文献。

下記のうち、「大人になることのむずかしさ」と「ぼくらの中の発達障害」は、読了済み。後者は、最近の書物ですが、前者は、かなり昔にでています。

ちなみに、「水曜どうでしょう」のDVDもローソンで発売されたりもしているようです。





臨床心理学実験・演習B

2013年12月08日 | 学習センター・面接授業

平成25年12月14日・15日に臨床心理学実験・演習Bの面接授業があります。用意するものとして、

・黒サインペン(中細) ・12色以上のクレヨン
・A4版  画用紙4枚(100円ショップで購入可) ・動きやすい服装

が、書かれています。

とりわけ、動きやすい服装というのが、どの程度なのかわかりにくいのですが、女性の和服などはだめなのかもしれません。

ただ、和服も、見た目が和服というと、華道や茶道を連想させ、「静」のイメージがあるのですが、

和服しかなかったときは、これで、動き回っていたわけですし、特別な留め袖だとか小紋だとかは、よそ行きの着物なので、TPOさえわきまえれば、

動きやすい服装だろうと思われます。ただ、着るのがたいへんです。

同様に、ビジネススーツも、若者向けのストレッチが効くものでも、ちょっと動きやすいイメージはないでしょう。

作業服や防災服などは、動きやすいイメージがあります。

衣食住という言葉があるように、衣服は生活のなかで重要な要素を占めます。動物で言えば、クジャクの羽のような役割もあります。

自分を他者に対して、アピールする目的もありましょうし、それ故に、何を着ていこうかと悩むわけです。