景気の指標としては、いろいろあるが、1.消費支出、2.貿易収支、3.設備投資、4.政府支出を押さえておけば、経済ニュースを聞いても役に立つ。
政府は、オリンピックの年までに、昨年末のGDP500兆円から、600兆円へと、「アベノミクス」で拡大させる構想を打ち出している。
経済成長が続いていた1970年代では、実質GDPが指標として重要性を持ったが、デフレ下においては、国民の生活実態とは乖離するため、名目GDPの方が、景気を表すには適当なのだろうと思っている。
GDPの増加は、資本主義経済のかなめであることはいうまでもない。
統計局のデータに寄れば、消費支出は、減少しており、これだけを見れば、極めて困難なことを目標に据えているように見える。
こういうときに、さよなら逆転ホームランを出すとすれば、手っ取り早いのが、戦争であろう。
戦争により国富が失われるにせよ、戦後の預金封鎖と財産課税を行えば、そこから逃れた者は例外として、ここまで拡大した格差も、低レベルで、縮まる可能性もある。
ブルデューが提唱した「文化資本」による社会の考察は、一時流行したピケティーの「資本論」にも通底するところがあり、資本家が富を失わない限り於いて、「文化的装置」も維持され、たとえば、教養だとか、振る舞いだとか、それらを包摂する「文化」を共有しうる。
マルクスが、資本主義に対して抱いた危惧とも、通有するところがあり、政府目標として、600兆円をオリンピックまでにGDPを増やすという方針自体が、「自発的な資本主義」から乖離しているように見えてしまう。
中国のような「資本主義」を目指しているように見えてしまうのだ。