南斗屋のブログ

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保佐人の裁判所に対する事務報告

2008年06月22日 | 成年後見
 これからの生活をどうしていこうか、これが交通事故の損害賠償請求が終わった後の、ご本人やご家族の悩みではないでしょうか。

 成年後見制度を利用するかどうかという問題もそのひとつ。

 最近、「保佐になった場合、裁判所に対して報告は必要なのか、報告を求められることがあるんでしょうか」という質問を受けたんですが、即答できなかったので、色々調べてみました。

 ネットの検索では、裁判所から報告を求められているケースを紹介しているものがありました(「いつも愛をもって」の「保佐事務の報告」)。

 このブログによると、裁判所から提出を求められた書類は、①保佐事務報告書、②財産目録、の二種類。

 保佐事務報告書の方の記載内容は、
・ 被保佐人の住所、氏名、健康状態などの生活上のことが、変わっているかどうか。
・ 同意権、取消権、代理権の行使をしたかどうか。
・ 福祉関係施設への入所に関する契約をしたかどうか。
・ 被保佐人の生活や財産について、困っていることは?
・ 保佐事務に関して気になっていることは?

財産目録の方は、
・ 不動産、預貯金、株式、生命保険、損害保険、負債など。
・ 定期的な収入と支出
・ 臨時収入と支出
を記載することとなっているようです。
 (以上、前記のブログから引用しました)」。

 裁判所がこのようなことをする法律上の根拠については、民法にあります。

 民法第863条は、
 「家庭裁判所は、いつでも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは被後見人の財産の状況を調査することができる。」
と後見に関する規定があり、これが保佐の場合に準用されていますので(民法876条の5)、保佐人にも裁判所から報告を求められたら、報告をしなければならないということになります。

 ただ、毎年保佐人に報告を求めるような運用はされていないようです。

 裁判所によっても運用が違うようですので、申立てをする家庭裁判所(住所地を管轄する裁判所)に問い合わせする必要がありますね。

 なお、保佐については、過去記事をまとめたものもありますので、興味のある方はご参照ください(→こちら

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