人足寄場から徒刑場への変更はOK・ 仮刑律的例 44
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(要旨)人足寄場を徒刑場としてよい
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【長崎府より問合からの問合せ】
明治2年2月、長崎府からの問合せ
先般刑法官から、
・追放・所払は徒刑に換えること、
・もっとも、徒刑をどのようにするかは各府藩県により検討すべきこと
・当面その見込みに基づいて運用すること
と御布令がありました。
これまで当長崎府においては、追放刑又は肉刑(入墨を入れる刑)に処すべき者は勿論、無罪であっても無宿で立廻り風儀がよくない者は、当長崎府大黒町に設けられた人足寄場へ送り、
それぞれが持つ技能を活かして働かせ、教諭を加えることで更生を促していました。期限が満ち、身寄りの者が引き受けを願い出れば、引き渡しをしていました。
これは旧幕府時代からの仕来りですので、今般、この人足寄場を徒刑場に改め、追放刑とすべき者たちに技能を習得させ、年限が満ちたら身寄りの者に引き渡します。また、肉刑を受けた者や罪は無いものの無宿で立ち回って風儀を乱す者は、同所内の「懲溜え場」(懲らしめのための拘束施設)に送り、徒刑者と同じく技能を習得させ、教諭を加えます。身分を弁えた行動により、身寄りの者に引き渡すことを前提に当面仮定します。
つきましては、関係者各位への書面写を添え、上記の通り報告し、お伺い致します。
【明治政府からの返答】
伺のとおりでよい。
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(コメント)
この長崎府からの伺いは「仮刑律的例 26 刑律問合」の最初の伺いとほぼ同様です。
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