ひとしきりフランス旅行の話をしたので
一応これで終わりにしますが
もしかしたら
しばらくして思い出したりして話すこともあるかもしれません
今回の旅行で感じた言葉について
ちょっと書いてみたいと思います
本当に毎朝の挨拶の
「ボンジュール」と
ありがとうの
「メルシー」ぐらいしか分からなかったフランス語
言葉がわからないとどうなるかというと
声を出す量が減るのです
マルシェに行って
ぶつかった人が「ごめんなさい」と言ってくれているのに
返し方がわからないと
黙ってしまう
なにかして
相手が「メルシー
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」と言っているのに
「どういたしまして」がわからなくて
黙ってしまう
考えてみれば
英語で「you're welcome」と言っても
日本語で「どういたしまして」言っても
たぶん言葉として伝わらなくても
気持は伝わるはずなのに
とっさに黙ってしまって
それって一番気まずいことになったわけです
友達の子供の5歳児の女の子は
こっちがフランス語がわからないことがあまりわからなくなって
興奮してくると
ものすごい勢いでフランス語で話しかけてきて
私の返事が無いのを不思議そうに
じっと目を見る
9歳の女の子は
5歳の妹に向かってフランス語で
たぶんだけど
私にフランス語で話しかけてもわからないのだということを
説明してた
7歳の男の子は
こちらがフランス語がわからないのがわかって
彼自身も何も声を出さなくなって
身振り手振りで
即席の手話の様になる
通じなくても
フランス語をしゃべってくれてもいいのだけど
しゃべらなくなる
そのぶん
見て様子をうかがうことはずいぶん増えるのですが
じっと目を見ても
伝えたいことが伝わらないとわかると
目を合わせなくなる
だんだん
性格もシャイになって
引っ込み思案になるのを実感
もちろん
友達が通訳してくれるのだけど
直接のやり取りは
控えめになるのです
言葉って
その人の態度や性格に
ものすごく大きく影響を与えることを実感し
日本語であっても
言葉をきちんと使えると
たぶん人としての自信がもっとつくのだろう
そんなことを感じたのでした
そんな状態が続く中で
何が起こったかというと
子どもたちがパパママに英語でどういえばいいか聞きに行って
片言の英語で
「私にも折り紙教えて」とか
「これ作って」とか英語で言いはじめ
メルシーの代わりにThank youを使い始め
数字を「イチ ニ サン シ ゴ」と日本語で言い始めたのでした
社交辞令の言葉ではなく
本当に伝えたいと思うと
通訳を介するのではなく
直接意思を伝えたいと思い
その方法を子どもなりに考えて実行する
相手のわかる言葉を駆使する
そして通じると
にっこり笑う
気持は言葉を通して通じる
もちろん
態度でも気持ちは通じるけど
言葉を通して通じたときの嬉しさは
また違う
本当に分かったという体験
これは
私にとってもとても貴重な体験だったけど
きっと子供たちにも
なにかしらの体験だったに違いないと思ったのでした
7歳の男の子は
私の作ったひらがな表を見ながら
友達の名前を必死でひらがなで書くことに熱中しはじめ
5歳の女の子は折り紙を持って
「日本人の友達がいるっていいことね」とママに話し
9歳の女の子は
誰よりもたくさん巻き寿司を美味しそうに
何度もこっちを見ながら食べてくれて
子どもなりに異文化を大きく吸収してくれました
この子達は
きっと大きくなったら日本に遊びに来るに違いない
大人の私は
やっぱりせめて
もう少しフランス語を
せめて片言ぐらいは勉強すべきかなぁ
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