埼玉公演の楽日。
結局、何回カーテンコールがあったんだろうなー
とコーフンで曖昧な記憶の中、帰路についた私
さいたま芸術劇場とは、どうも相性がわるいのか
よく雨に祟られるのです…
今日も雨の中
「チクショー、もう二度とここの劇場のチケット取るもんか」
とひねくれた根性むき出しで会場に向かってました。
んんん…
…またチケット取ると思います
朝令暮改な
とにかくすばらしい!
このメンバーでロンドン公演だなんて
一緒にイギリスへ行きたいくらいです
タイトルロールの吉田鋼太郎さんは貫禄たっぷりで、とにかく安定した演技に気分よく見られるんですよね。
タモーラ役の麻美れいさんは、なんていうか、その迫力ある存在感と気品と妖艶あふれる色気が圧倒的。
男を惑わす風情がなんとも。表情にも声にもしぐさにも艶がたっぷり。
いやーすごいよー
そして、この舞台のキーパーソンであるエアロン役が小栗君なのですが
蜷川氏のシェークスピア作品には以前からちょこちょこと出ておりまして
「お気に召すまま」からさらに成長した感のある小栗君
「間違いの喜劇」を見損なったのがヒジョーに残念でなりません。
彼の出る蜷川シェークスピアは、これから何がなんでも見続けるぞ!
と心に誓いました……
結構前の方の席が取れたおかげで、小栗君のギラギラとした目の輝きまでよく見れました。
蜷川氏の指導の賜物なのか、声の出し方とか表情とかゾクゾクするほど絶妙
エアロンは、シェークスピア作品史上指折りの悪役として有名なのですが
その極悪非道な悪党っぷりに、なんともいえない気品が。
……あ、ちょっと思ったことが。
以前、堺さんについて(トートツな登場ですが)
堺さんが舞台に登場すると、パーッとその場の空気が一瞬にして変わる
舞台から客席にかけて爽やかな風が吹く、と表現したことがありますが…
同じようなことを小栗君にも感じます。
ただ、彼の場合は「風」ではなくて、そうだな、「稲妻」?
稲妻は遠くで光ってても、目の端に稲光を感じるじゃないですか。
あんな感じ?
「あ、なんか光った?」
とそっちに目をやると、そこに小栗旬がいるという感じ。
何かを絶えず発光しているんですよ、彼は、その全身から。
それは熱を帯びていて、何かの瞬間にスパークしそうな危うさを秘めていて。
…ベタボメだな、自分
ていうか、ベタボレ?
ああー
6月のストラトフォードまでマジで追いかけたい!!
くそー
6月は忙しい月なんだよ
まあ秋か冬に凱旋公演でもあるかもしれません。
でも、本公演の北陸、関西公演のチケットはまだあるようなので、ぜひ騙されたと思って観てください!
と、声を大にして心からおすすめしたい私なのでした。
<追記>
ひさしぶりの舞台レビューだというのに
小栗ファンによる小栗クンレビューみたいになってました…
今回の「タイタス・アンドロニカス」は再演なのですが、やはり再演だけあって、完成度はとても高い。シェークスピアの香りが非常に濃厚。
舞台装置は、「王女メディア」につづいて、こちらも舞台が古代ローマということを意識してか、白一色のシンプルな構成。巧妙なライトニングもあって、古代ローマのパンテオンや宮殿を彷彿とさせます。
そして舞台中央に、ローマ建国の象徴「カピトリーノの雌狼」の巨大な像が置かれ、後半は場面転換に応じて、横に縦にとまさに言葉とおり縦横に移動する。
そして前回と同様、登場人物たちが流す血飛沫は赤い絹糸の束で表現されるのですが、これがまるで歌舞伎や文楽のようで、演じられているのは凄惨な事件であるのに、そこに様式美を感じてしまうのですね。
透明なプラスチックで作られた生首も、逆にそのツルリとした感覚がかえって生々しさを感じられるほど。
胴体と切り離された頭は、もう「人」ではないんですよね。
それにしても思うのは、復讐の連鎖。
舞台は、タイタスの長男以外を残し、主要人物は最後にはすべて死んでしまうのだけれど、これでほんとにすべてが終わったのか?と思ってしまうのですよね。
タイタスの小さな甥が、エアロンとタモーラの間に生まれた黒人の子供を抱いて号泣するラストシーンに、不吉な予感をいだいてしまうのですよ……
ところで、シェークスピア作品にはエアロンのほかに、もう一人有名なムーア人「オセロー」がおりますが、エアロンが我が子に「将軍になれ」と言っていたセリフを思い出して、まさかこのオセローはエアロンの末裔?と、どうでもいい深読みをしてしまいましたさ…
結局、何回カーテンコールがあったんだろうなー
とコーフンで曖昧な記憶の中、帰路についた私
さいたま芸術劇場とは、どうも相性がわるいのか
よく雨に祟られるのです…
今日も雨の中
「チクショー、もう二度とここの劇場のチケット取るもんか」
とひねくれた根性むき出しで会場に向かってました。
んんん…
…またチケット取ると思います
朝令暮改な
とにかくすばらしい!
このメンバーでロンドン公演だなんて
一緒にイギリスへ行きたいくらいです
タイトルロールの吉田鋼太郎さんは貫禄たっぷりで、とにかく安定した演技に気分よく見られるんですよね。
タモーラ役の麻美れいさんは、なんていうか、その迫力ある存在感と気品と妖艶あふれる色気が圧倒的。
男を惑わす風情がなんとも。表情にも声にもしぐさにも艶がたっぷり。
いやーすごいよー
そして、この舞台のキーパーソンであるエアロン役が小栗君なのですが
蜷川氏のシェークスピア作品には以前からちょこちょこと出ておりまして
「お気に召すまま」からさらに成長した感のある小栗君
「間違いの喜劇」を見損なったのがヒジョーに残念でなりません。
彼の出る蜷川シェークスピアは、これから何がなんでも見続けるぞ!
と心に誓いました……
結構前の方の席が取れたおかげで、小栗君のギラギラとした目の輝きまでよく見れました。
蜷川氏の指導の賜物なのか、声の出し方とか表情とかゾクゾクするほど絶妙
エアロンは、シェークスピア作品史上指折りの悪役として有名なのですが
その極悪非道な悪党っぷりに、なんともいえない気品が。
……あ、ちょっと思ったことが。
以前、堺さんについて(トートツな登場ですが)
堺さんが舞台に登場すると、パーッとその場の空気が一瞬にして変わる
舞台から客席にかけて爽やかな風が吹く、と表現したことがありますが…
同じようなことを小栗君にも感じます。
ただ、彼の場合は「風」ではなくて、そうだな、「稲妻」?
稲妻は遠くで光ってても、目の端に稲光を感じるじゃないですか。
あんな感じ?
「あ、なんか光った?」
とそっちに目をやると、そこに小栗旬がいるという感じ。
何かを絶えず発光しているんですよ、彼は、その全身から。
それは熱を帯びていて、何かの瞬間にスパークしそうな危うさを秘めていて。
…ベタボメだな、自分
ていうか、ベタボレ?
ああー
6月のストラトフォードまでマジで追いかけたい!!
くそー
6月は忙しい月なんだよ
まあ秋か冬に凱旋公演でもあるかもしれません。
でも、本公演の北陸、関西公演のチケットはまだあるようなので、ぜひ騙されたと思って観てください!
と、声を大にして心からおすすめしたい私なのでした。
<追記>
ひさしぶりの舞台レビューだというのに
小栗ファンによる小栗クンレビューみたいになってました…
今回の「タイタス・アンドロニカス」は再演なのですが、やはり再演だけあって、完成度はとても高い。シェークスピアの香りが非常に濃厚。
舞台装置は、「王女メディア」につづいて、こちらも舞台が古代ローマということを意識してか、白一色のシンプルな構成。巧妙なライトニングもあって、古代ローマのパンテオンや宮殿を彷彿とさせます。
そして舞台中央に、ローマ建国の象徴「カピトリーノの雌狼」の巨大な像が置かれ、後半は場面転換に応じて、横に縦にとまさに言葉とおり縦横に移動する。
そして前回と同様、登場人物たちが流す血飛沫は赤い絹糸の束で表現されるのですが、これがまるで歌舞伎や文楽のようで、演じられているのは凄惨な事件であるのに、そこに様式美を感じてしまうのですね。
透明なプラスチックで作られた生首も、逆にそのツルリとした感覚がかえって生々しさを感じられるほど。
胴体と切り離された頭は、もう「人」ではないんですよね。
それにしても思うのは、復讐の連鎖。
舞台は、タイタスの長男以外を残し、主要人物は最後にはすべて死んでしまうのだけれど、これでほんとにすべてが終わったのか?と思ってしまうのですよね。
タイタスの小さな甥が、エアロンとタモーラの間に生まれた黒人の子供を抱いて号泣するラストシーンに、不吉な予感をいだいてしまうのですよ……
ところで、シェークスピア作品にはエアロンのほかに、もう一人有名なムーア人「オセロー」がおりますが、エアロンが我が子に「将軍になれ」と言っていたセリフを思い出して、まさかこのオセローはエアロンの末裔?と、どうでもいい深読みをしてしまいましたさ…