工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

2019F1日本グランプリ・決勝

2019年10月15日 | 自動車、モータースポーツ
 はじめに、このたびの台風により被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。

 前回のブログでも書きましたが、日本グランプリは予選、決勝を一日で開催する変則日程となりました。イベントが中止、順延となった土曜日にドライバー達は何をしていたのでしょうか。ハミルトン選手のように「休みなら東京に行きたい」と言ってチーム側が慌てて止めたといった話が伝えられていますが、興味深い休みの使い方をしたのはグロージャン選手でしょう。あらかじめ入手したタミヤ1/20のタイレルP34(6輪車)のプラモデルを部屋で組み立てていたそうです。さすがに塗装まではできなかったようですが、素組みの上にデカールを貼った写真がアップされており、とてもきれいに仕上がっていました。青と白のツートンの77年タイプを組み立てていたようです。私も人のことをどうこう言えません。平成16(2004)年に初めてワンデーレースとなったときに、予選が行われるはずだった土曜日はホテルで食玩の飛行機のキットを組み立てていました。
 私は名古屋に滞在していましたが、風雨も止んだ土曜日の夜、名古屋駅まで歩いて行ってみました。JRも運休していましたし、店舗はほとんど開いていません。がらんとした構内で特にすることも見ることもなく、ホテルに戻りました。

 さて、日曜日の話をしましょう。風は強いですがよく晴れています。10:00から約1時間、予選が行われます。このため、朝からたくさんの観客がサーキットに詰めかけました。いつもなら土日共に午前中にF1マシンの走行機会は少ないため(日曜に至っては決勝以外に走行はしません)、朝はゆっくり起きてもいいわけですが、今年ばかりはそうはなりませんでした。予選ではクラッシュによる二度の赤旗=セッション中断があったのですが、そのたびに鈴鹿サーキットのオフィシャルの方たちが大きな竹ぼうきを手に駆け付け、路面を掃いたり、破片を片付けたりしていました。あっと言う間にセッションを再開できるように片付けを済ませたのはさすがです。
 予選ではなんとフェラーリのベッテル選手がコースレコードをマーク、2位にはチームメートのルクレール選手が入り、フェラーリ1-2というこれ以上望みようがない結果でした。
 予選終了から決勝のスタートまで3時間近く、この間に決勝前恒例のドライバーパレードも行われますし、それほど時間はありません。売店などは長蛇の列ですし、いくつかあるグッズの売り場も人が群がっています。私もお昼ご飯を買い、早々に席に戻りました。決勝に向けての準備も進み、興奮がヨス、じゃなかったマックスに達します(おいおい)。
 決勝前にはホンダジェットの飛行もありました。私も飛んでいるところは初めて見ました。

 決勝は14:10スタート。ポールポジションのベッテル選手はスタートで失敗。ルクレール選手もレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手と一週目で接触、大きく順位を落とします。フェルスタッペン選手もその後リタイアします。ホンダ勢を応援している方の多くはフェルスタッペン選手の表彰台を期待していたでしょうから、ショックも大きかったのではと思います。
 ひいきにしていた選手が早々にアクシデントなど、こういうことが起きてしまうのもモータースポーツでは避けられないことではあります。ルクレール、フェルスタッペンの二人とも、今年のシーズンを盛り上げ、これからのF1を背負って立つ存在になるでしょうから、次はクリーンでフェアなバトルを期待しましょう(ホンダエンジンのマシンとフェラーリのマシンが1周目で絡むのは今に始まったことではありませんが)。
 レースはメルセデスのボッタス選手がリードして優勝。2位ベッテル、3位ハミルトンとなり、結果的にメルセデス1-3となりました。終盤のベッテル、ハミルトン両選手による2位争いは百戦錬磨の選手同士のバトルという感じであり、大いに盛り上がりました。ボッタス選手はエースのハミルトン選手と比較されることもありますので、この優勝は喜びもひとしおでしょう。ベッテル選手もチーム内で若手のルクレール選手の方が最近は勢いをつけており、その中できちんと存在感を示した感があります。メルセデスは6年連続でコンストラクターズ(チーム)タイトルを獲得。鈴鹿でもこのところ勝つのはメルセデスのどちらかの選手であります。こうして三者三様、喜びの表彰式です。私もホームストレートに入場を許されましたので、近くで写真を撮ることができました。


 地元ということで大いに期待されたホンダエンジン勢ですが、アルボン選手が4位に入ったのが最高位でした。単独走行になっていましたが、ゴールまでマシンを運ぶのもまた、大切な仕事です。タイ国籍でエントリーしているアルボン選手ですが、これで同郷の大先輩「B・ビラ」王子の持つタイ人ドライバーの最高位に並びました。中団ではルノーのリカルド、マクラーレンのサインツの両選手の走りが印象に残りました。
 表彰式の後、片付けをしている各チームのピットガレージですが、旧知の仲なのかフェラーリとメルセデスのスタッフが長い時間談笑していました。

 レースが終わるまではしのぎを削るライバルですが、レースが終われば同じ目的で戦う仲間同士、きっと相通じるものがあるのでしょう。
 
 私もサーキットを後にすることにしました。やはり一日で予選、決勝となりますと相当濃厚な一日となります。土曜日に一日休養を取っていますので、金土日で疲れが徐々に蓄積する、ということはないのですが、朝も早いですし、やはり疲れがたまります。
 帰路はサーキットから名古屋までバスでの移動となりました。今回、往路も名古屋まで珍しくJRのドリーム号でしたし、今回はバス旅が多くなりました。サーキットから高速道路に入るまで2時間近くかかったのですが、その後は順調に進み、20:00近くに名古屋につきました。
 新幹線で帰京しましたが、新幹線が新横浜に着いたところ、ラグビーの日本戦帰りのファンが大挙乗車してきました。こちらもものすごい試合だったようですね。興奮冷めやらぬ、という感じがこちらにも伝わってきました。テレビで録画放送を観ましたが、最後の30分は気持ちと気持ちのぶつかり合いと言う感じで、これぞラグビーの醍醐味、というのを味わうことができました。日本もそうですし、敗れたスコットランドも称えたい試合でした。

優勝したボッタス選手のマシン

2位ベッテル選手のマシン

レッドブル・ホンダ フェルスタッペン選手のマシン

この三台の写真については金曜日に撮影

 かくして、グランプリの少々あわただしい週末が幕を閉じ、日常がスタートしました。

 本稿は10月18日に加筆しました。 

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