こんなタイトルを書くとハ〇ス食品かと思われてしまいますね。朝晩が次第に冷え込んでまいりましたので温かいものが恋しい季節です。模型の世界では戦場のつかの間の休み、温かい食事にありついてほっとしているといったジオラマもあります。
タミヤ1/35ミリタリーミニチュアシリーズでは、第二次大戦ドイツ軍の食を支えたフィールドキッチンがラインナップされています。フィールドキッチンセット(35103)と、野戦炊事セット(35247)がそれにあたりますが、今回は後者の方を作ってみました。
シチューを煮炊きできる大きな鍋や、コーヒーなどを沸かせる鍋などがついたキッチン部分と前車が入っており、さらに炊事を担当する兵士2体、食事にありつこうとする兵士2体が入っているほか、パン、チーズ、リンゴといった小物も豊富です。
キットはストレートに組んだだけなので、特段ディテールアップや一部素材を金属に置き換えたりといったこともしていません。ただし、フィールドキッチン部分のキットは1978年登場で寄る年波というものもあってか、さすがにパーティングラインなとが目立つところもありますので、丁寧に処理してあげましょう。
フィールドキッチンそのものはちょっと年季が入った状態にしたかったので、やや退色したジャーマングレーにしました。Mr.カラー515番の「ジャーマングレー「グラウ」(退色時)」というものです。こちらをベースに塗り、ファレホなどの塗料でハイライトやウェザリングをしました。逆にミルク缶の一つは新品ということで退色していないジャーマングレーにしています。
鍋の蓋は開くようになっており、鍋も再現されていますので、当然中身も欲しくなります。ドイツ軍の食事と言えばグラーシュと呼ばれるトマトのシチューです。グーラッシュとか、グヤーシュなど、国によって呼び名は違いますが、中欧、東欧でよく食されているシチューです。写真では分かりづらいですがエポキシパテでシチューを作り、具材はランナーをニッパーでランダムに切り、パテに差し込むようにして野菜などがゴロゴロしている様子を作りました。コーヒーの鍋の蓋まで中途半端に開いていますがご愛敬ということで。
人形も基本的にストレートに作り、ファレホなどで塗っています。なんか実にいい表情ですね。緩みきった感じが戦場というよりは「ドイツ軍に昼が来た」という感じです。
ストレートに組みました、ということでしたが、タミヤのドイツ国防軍は食料の補給がかなり充実しており、パン、果物、チーズなどを置くところがありません。今回の付加工作ではありますが、1/35のテーブルのキットにパンやリンゴを、ドラム缶の上にプラ板でまな板にしたものなどを置き、その上にもチーズやパンを置きました。なお、パンのパーツについてはファレホのオフホワイトで塗り、乾いたら薄茶色を塗り重ねることでパンの質感を出すようにしました。リンゴについてもクリーム色で地色を作り、その上からそれぞれの色を塗っています。また、前車を支えるためドラム缶を倒して前車のバーを渡してあります。
地面はタミヤの情景テクスチャーペイントを使っています。設定が平地ですし、手軽に地面を再現できるので気に入っています。ところどころ「ミニネイチャー」の草を貼っています。
母親が食に関わる仕事をしていたせいなのか、私がただ単に食べることが好きなせいなのか、食べるということや料理を作るつくることが昔から身近にあり、私も週末には台所に立つことが多いです。その中でグラーシュを作ったこともあります。モデルアートで「パンツァーグラフ」という増刊が出ていたことがあり、2006年春号で戦場の料理が第二特集として組まれていました。
軍装などのコレクターでもある「シュタイナー」氏が当時のレシピを元にグラーシュを作っています。模型雑誌に料理の作り方の記事というのはかなり珍しいと思いますが、料理の初心者でも理解しやすいよう、かなり細かく紹介されています。
この通り作ると時間も相当かかりますし、入手がちょっと難しいスパイス類もありましたので、そこは適宜妥協しながら作ったのがこちらです。
グラーシュは私もウィーンで食べたことがあります。グラーシュの専門店、というお店で食べました。中欧、東欧では国民食みたいなものなのでしょうか。レシピはドイツ軍のものにこだわらなければネットで様々なものが公開されています。次のお休みの日に、皆様もいかがですか。
実はこのジオラマ、今年の3月頃に作っていたのですが、完成したころにはだいぶ暖かくなって、季節感も薄れたなあということでご紹介が遅くなりました。ちょうどその頃、深緑野分さんの「戦場のコックたち」という小説を読んでいて、こちらは米軍の空挺師団に所属するコックたちが主人公ですが、プラモデルと小説で戦場の「食」に思いをはせておりました。ちなみに現代のドイツ連邦軍でも個人戦闘用糧食にグラーシュは入っていて、戦場カメラマンの宮嶋茂樹氏が実食したところでは携行食とは言っても侮りがたい味、だそうです。
食後はこちらもどうぞ。日本にも入ってきているカフェイン入りチョコレート、ショカコーラです。
左がビター、右がミルクです。放射状の線の入ったデザインは第二次大戦中も同じでした(当時は国家鷲章が入っていたようですが)。私が買ったビターの方はタミヤが輸入元でした。
私自身、1/35というと日本軍の戦車を作ったりしたこともありましたが、大砲のついたものよりもソフトスキンと呼ばれるものを作る傾向にあります。いつかは勇ましいドイツ兵とか、「コンバット」の世界そのままにGIたちを再現したいと思うのですが・・・。もっとも、馬に牽かれたフィールドキッチンもストックにあるので、こちらも忘れずに作りたいところです。手綱や馬具を細いプラ板で作るのと、馬を塗るのに二の足を踏み続けて幾星霜となっているのですが、まだまだどこかの戦場で、兵士たちが「シチューの大砲」を待っていることでしょう。
タミヤ1/35ミリタリーミニチュアシリーズでは、第二次大戦ドイツ軍の食を支えたフィールドキッチンがラインナップされています。フィールドキッチンセット(35103)と、野戦炊事セット(35247)がそれにあたりますが、今回は後者の方を作ってみました。
シチューを煮炊きできる大きな鍋や、コーヒーなどを沸かせる鍋などがついたキッチン部分と前車が入っており、さらに炊事を担当する兵士2体、食事にありつこうとする兵士2体が入っているほか、パン、チーズ、リンゴといった小物も豊富です。
キットはストレートに組んだだけなので、特段ディテールアップや一部素材を金属に置き換えたりといったこともしていません。ただし、フィールドキッチン部分のキットは1978年登場で寄る年波というものもあってか、さすがにパーティングラインなとが目立つところもありますので、丁寧に処理してあげましょう。
フィールドキッチンそのものはちょっと年季が入った状態にしたかったので、やや退色したジャーマングレーにしました。Mr.カラー515番の「ジャーマングレー「グラウ」(退色時)」というものです。こちらをベースに塗り、ファレホなどの塗料でハイライトやウェザリングをしました。逆にミルク缶の一つは新品ということで退色していないジャーマングレーにしています。
鍋の蓋は開くようになっており、鍋も再現されていますので、当然中身も欲しくなります。ドイツ軍の食事と言えばグラーシュと呼ばれるトマトのシチューです。グーラッシュとか、グヤーシュなど、国によって呼び名は違いますが、中欧、東欧でよく食されているシチューです。写真では分かりづらいですがエポキシパテでシチューを作り、具材はランナーをニッパーでランダムに切り、パテに差し込むようにして野菜などがゴロゴロしている様子を作りました。コーヒーの鍋の蓋まで中途半端に開いていますがご愛敬ということで。
人形も基本的にストレートに作り、ファレホなどで塗っています。なんか実にいい表情ですね。緩みきった感じが戦場というよりは「ドイツ軍に昼が来た」という感じです。
ストレートに組みました、ということでしたが、タミヤのドイツ国防軍は食料の補給がかなり充実しており、パン、果物、チーズなどを置くところがありません。今回の付加工作ではありますが、1/35のテーブルのキットにパンやリンゴを、ドラム缶の上にプラ板でまな板にしたものなどを置き、その上にもチーズやパンを置きました。なお、パンのパーツについてはファレホのオフホワイトで塗り、乾いたら薄茶色を塗り重ねることでパンの質感を出すようにしました。リンゴについてもクリーム色で地色を作り、その上からそれぞれの色を塗っています。また、前車を支えるためドラム缶を倒して前車のバーを渡してあります。
地面はタミヤの情景テクスチャーペイントを使っています。設定が平地ですし、手軽に地面を再現できるので気に入っています。ところどころ「ミニネイチャー」の草を貼っています。
母親が食に関わる仕事をしていたせいなのか、私がただ単に食べることが好きなせいなのか、食べるということや料理を作るつくることが昔から身近にあり、私も週末には台所に立つことが多いです。その中でグラーシュを作ったこともあります。モデルアートで「パンツァーグラフ」という増刊が出ていたことがあり、2006年春号で戦場の料理が第二特集として組まれていました。
軍装などのコレクターでもある「シュタイナー」氏が当時のレシピを元にグラーシュを作っています。模型雑誌に料理の作り方の記事というのはかなり珍しいと思いますが、料理の初心者でも理解しやすいよう、かなり細かく紹介されています。
この通り作ると時間も相当かかりますし、入手がちょっと難しいスパイス類もありましたので、そこは適宜妥協しながら作ったのがこちらです。
グラーシュは私もウィーンで食べたことがあります。グラーシュの専門店、というお店で食べました。中欧、東欧では国民食みたいなものなのでしょうか。レシピはドイツ軍のものにこだわらなければネットで様々なものが公開されています。次のお休みの日に、皆様もいかがですか。
実はこのジオラマ、今年の3月頃に作っていたのですが、完成したころにはだいぶ暖かくなって、季節感も薄れたなあということでご紹介が遅くなりました。ちょうどその頃、深緑野分さんの「戦場のコックたち」という小説を読んでいて、こちらは米軍の空挺師団に所属するコックたちが主人公ですが、プラモデルと小説で戦場の「食」に思いをはせておりました。ちなみに現代のドイツ連邦軍でも個人戦闘用糧食にグラーシュは入っていて、戦場カメラマンの宮嶋茂樹氏が実食したところでは携行食とは言っても侮りがたい味、だそうです。
食後はこちらもどうぞ。日本にも入ってきているカフェイン入りチョコレート、ショカコーラです。
左がビター、右がミルクです。放射状の線の入ったデザインは第二次大戦中も同じでした(当時は国家鷲章が入っていたようですが)。私が買ったビターの方はタミヤが輸入元でした。
私自身、1/35というと日本軍の戦車を作ったりしたこともありましたが、大砲のついたものよりもソフトスキンと呼ばれるものを作る傾向にあります。いつかは勇ましいドイツ兵とか、「コンバット」の世界そのままにGIたちを再現したいと思うのですが・・・。もっとも、馬に牽かれたフィールドキッチンもストックにあるので、こちらも忘れずに作りたいところです。手綱や馬具を細いプラ板で作るのと、馬を塗るのに二の足を踏み続けて幾星霜となっているのですが、まだまだどこかの戦場で、兵士たちが「シチューの大砲」を待っていることでしょう。