夏だし、フュージョンを紹介したらボサノバもでしょう、と自分の心の声が呼んでおります。アントニオ・カルロス・ジョビンの日本公演の様子をNHKで放送していたのを観たのが高校生の頃で、ボサノバってこういう音楽なのね、ということでいきなり「ボサノバの父」のステージをテレビで観ることができたのは幸せな体験だったのかもしれません。このジャンルのCDを買ったのは大人になってからでしたが、ポルトガル語で歌うジョビンより、英語詞が中心のセルジオ・メンデスを聴くようになります。最初はブラジル66のベスト盤を買いましたが、やがてそれぞれのアルバムが欲しくなって・・・今に至っています。セルジオ・メンデスは1994年の来日公演をサンプラザまで観に行きました。パワフルな女性ボーカルと、何よりもお客さんを楽しませようとするステージが印象に残っています。
1 Herb Alpert presents Sergio Mendes & Brasil '66 1966年

ブラジル66してのデビュー盤であり「マシュ・ケ・ナダ」に代表されるグループの代表作。「ワン・ノート・サンバ」や「The Joker」、「おいしい水」などが私のお気に入り。ビートルズのカバーを積極的に歌っているのもブラジル66の特徴で、このアルバムには「デイ・トリッパー」が入っています。このアルバム、スクエアの伊東たけしさんが今でもよく聴いていると語っていました。学生時代に「セルメン」を教えてくれたのは現在模型メーカーの「モデルワーゲン」を主宰されている森川幸一さんでした。
2 Equinox 1967年

「Constant Rain」や「Wave」といった名曲が収録された一枚。Waveはジョビンのそれが有名ですが、こちらもお勧めです。
3 Look Around 1967年

「Tristeza」や「バトゥカーダ」といったブラジルの名曲のほかに「恋のおもかげ」という曲もあり、こちらはバート・バカラックが映画「カジノ・ロワイヤル」(といってもダニエル・クレイグのボンド映画ではなく、1967年に作られたスパイ・コメディの方)の為に書いた曲で、さまざまな歌手がカバーしています。
ブラジル66時代には大阪の万国博のステージでライブを行うなど(この様子もCD化されています)、親日家としても知られています。万博ではさまざまな海外アーチストが公演を行っていますが、私はまだハイハイもできない0歳児でした(泣)。
後のセルジオ・メンデスはポップス寄りになったり、AORの影響を受けたサウンドに行ってみたりということで、ボサノバからは少し遠くなっている感がありますが、若手と共演したり、今年も秩父のジャズフェスに登場したということで、健在ぶりをアピールしています。
続いて日本を代表するボサノバの人ということで、小野リサさんです。
最近でこそ日本語詞の曲も歌われていますが、デビューからしばらくはほとんどがポルトガル語詞の「洋楽」アーティストでした。特に夏向きなものやボサノバの名曲を歌ったものからいくつか
1 エスペランサ 1994年

「サンバの物語」、「ペスケイラの嵐」、「私のカーニバル」、「白い道」といった曲が私の好きなナンバーです。「サンバの物語」ではヨーロッパからやってきた白人やさまざまな人たちが集まり、交わってブラジルという国ができたことを称える内容になっています。サンバのリズムを借りていますが、楽器の構成がシンプルなこともあって聴きやすいです。「白い道」ではアントニオ・カルロス・ジョビンと共演しています。ジョビン最晩年のレコーディングでもあります。この声とピアノとメロディがあれば、夏の太陽と青空と白い道(どこの国でもいいのですが)に思いをはせることができるのです。
2 リオ・ボッサ 1996年

キーワードは「シンプル」と本人が語るように、余分な伴奏を避け、本人の歌唱を前面に出しているようなアルバムで、ブラジルのラジオから流れてくるような曲をセレクトしたそうです。「街のフェスタ」、「終わりなく」、「ボルタ」、「白と黒のポートレート」、「デイシャ」、「サンバドーロ」がお勧めです。海でも眺めながら聴いていたいなあ。
3 ボッサ・カリオカ 1998年

ボサノバ誕生40年を記念して、アントニオ・カルロス・ジョビンの子息のパウロ、孫のダニエルと製作したアルバム。「サンバしか踊らない」、「ソーホーのサンバ」、「想いあふれて」、「カリオカのサンバ」、「コルコヴァード」、「彼女はカリオカ」など粒ぞろい&多くの人が知る曲が入っています。夏の間よく聴いているアルバム。
4 プリティ・ワールド 2000年

「男と女」、「マイ・シェリー・アモール」、「プリティ・ワールド」、「イエスタデイ」、「マスカレード」、「サンシャイン」、「見つめていたい」など、洋楽ポップスを中心としたカバー集。誰もが知っている曲ですが、この人の曲になっていて好きなアルバムです。「プリティ・ワールド」や「サンシャイン」は聴いていて本当に幸せな気分になれるもんなあ。
5 Music of Antonio Carlos Jobim Ipanema 2007年

こちらはジョビンの子息のパウロ、孫のダニエルと製作したジョビンの曲ばかりを歌ったアルバム。「イパネマの娘」、「ワン・ノート・サンバ」、「フェリシターヂ」、「三月の雨」、「ジェット機のサンバ」、「おいしい水」など、代表曲がずらりと並んでいます。ジョビンへのリスペクトが詰まったアルバム。ジェット機のサンバはブラジルのフラッグキャリアだったVARIG航空のためにジョビンが書いた曲で、リオデジャネイロの国際空港は「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」と呼ばれています。
最後はアメリカから。イーディ・ゴーメのこのアルバムを紹介します。
Blame it on the Bossa Nova (恋はボサノバ) 1963年

アメリカのジャズ、ラテンシンガーのアルバム。日本では「ギフト」という曲が日本たばこのCMで使われたことで知られています。アルバムの方はタイトル曲をはじめ「ワン・ノート・サンバ」などの有名曲もあります。アコースティックギター、ピアノ、フルートといったボサノバと違い、どちらかというとジャズ寄りな感じもしますが、「ワン・ノート・サンバ」は暑い夏空を飛んでいく飛行機(今どきのジェット機じゃなくてC-46とかDC-3、CV-240あたり)をイメージしています。
ということで今回もストレートど真ん中ではない選曲でした。ではまた。
1 Herb Alpert presents Sergio Mendes & Brasil '66 1966年

ブラジル66してのデビュー盤であり「マシュ・ケ・ナダ」に代表されるグループの代表作。「ワン・ノート・サンバ」や「The Joker」、「おいしい水」などが私のお気に入り。ビートルズのカバーを積極的に歌っているのもブラジル66の特徴で、このアルバムには「デイ・トリッパー」が入っています。このアルバム、スクエアの伊東たけしさんが今でもよく聴いていると語っていました。学生時代に「セルメン」を教えてくれたのは現在模型メーカーの「モデルワーゲン」を主宰されている森川幸一さんでした。
2 Equinox 1967年

「Constant Rain」や「Wave」といった名曲が収録された一枚。Waveはジョビンのそれが有名ですが、こちらもお勧めです。
3 Look Around 1967年

「Tristeza」や「バトゥカーダ」といったブラジルの名曲のほかに「恋のおもかげ」という曲もあり、こちらはバート・バカラックが映画「カジノ・ロワイヤル」(といってもダニエル・クレイグのボンド映画ではなく、1967年に作られたスパイ・コメディの方)の為に書いた曲で、さまざまな歌手がカバーしています。
ブラジル66時代には大阪の万国博のステージでライブを行うなど(この様子もCD化されています)、親日家としても知られています。万博ではさまざまな海外アーチストが公演を行っていますが、私はまだハイハイもできない0歳児でした(泣)。
後のセルジオ・メンデスはポップス寄りになったり、AORの影響を受けたサウンドに行ってみたりということで、ボサノバからは少し遠くなっている感がありますが、若手と共演したり、今年も秩父のジャズフェスに登場したということで、健在ぶりをアピールしています。
続いて日本を代表するボサノバの人ということで、小野リサさんです。
最近でこそ日本語詞の曲も歌われていますが、デビューからしばらくはほとんどがポルトガル語詞の「洋楽」アーティストでした。特に夏向きなものやボサノバの名曲を歌ったものからいくつか
1 エスペランサ 1994年

「サンバの物語」、「ペスケイラの嵐」、「私のカーニバル」、「白い道」といった曲が私の好きなナンバーです。「サンバの物語」ではヨーロッパからやってきた白人やさまざまな人たちが集まり、交わってブラジルという国ができたことを称える内容になっています。サンバのリズムを借りていますが、楽器の構成がシンプルなこともあって聴きやすいです。「白い道」ではアントニオ・カルロス・ジョビンと共演しています。ジョビン最晩年のレコーディングでもあります。この声とピアノとメロディがあれば、夏の太陽と青空と白い道(どこの国でもいいのですが)に思いをはせることができるのです。
2 リオ・ボッサ 1996年

キーワードは「シンプル」と本人が語るように、余分な伴奏を避け、本人の歌唱を前面に出しているようなアルバムで、ブラジルのラジオから流れてくるような曲をセレクトしたそうです。「街のフェスタ」、「終わりなく」、「ボルタ」、「白と黒のポートレート」、「デイシャ」、「サンバドーロ」がお勧めです。海でも眺めながら聴いていたいなあ。
3 ボッサ・カリオカ 1998年

ボサノバ誕生40年を記念して、アントニオ・カルロス・ジョビンの子息のパウロ、孫のダニエルと製作したアルバム。「サンバしか踊らない」、「ソーホーのサンバ」、「想いあふれて」、「カリオカのサンバ」、「コルコヴァード」、「彼女はカリオカ」など粒ぞろい&多くの人が知る曲が入っています。夏の間よく聴いているアルバム。
4 プリティ・ワールド 2000年

「男と女」、「マイ・シェリー・アモール」、「プリティ・ワールド」、「イエスタデイ」、「マスカレード」、「サンシャイン」、「見つめていたい」など、洋楽ポップスを中心としたカバー集。誰もが知っている曲ですが、この人の曲になっていて好きなアルバムです。「プリティ・ワールド」や「サンシャイン」は聴いていて本当に幸せな気分になれるもんなあ。
5 Music of Antonio Carlos Jobim Ipanema 2007年

こちらはジョビンの子息のパウロ、孫のダニエルと製作したジョビンの曲ばかりを歌ったアルバム。「イパネマの娘」、「ワン・ノート・サンバ」、「フェリシターヂ」、「三月の雨」、「ジェット機のサンバ」、「おいしい水」など、代表曲がずらりと並んでいます。ジョビンへのリスペクトが詰まったアルバム。ジェット機のサンバはブラジルのフラッグキャリアだったVARIG航空のためにジョビンが書いた曲で、リオデジャネイロの国際空港は「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」と呼ばれています。
最後はアメリカから。イーディ・ゴーメのこのアルバムを紹介します。
Blame it on the Bossa Nova (恋はボサノバ) 1963年

アメリカのジャズ、ラテンシンガーのアルバム。日本では「ギフト」という曲が日本たばこのCMで使われたことで知られています。アルバムの方はタイトル曲をはじめ「ワン・ノート・サンバ」などの有名曲もあります。アコースティックギター、ピアノ、フルートといったボサノバと違い、どちらかというとジャズ寄りな感じもしますが、「ワン・ノート・サンバ」は暑い夏空を飛んでいく飛行機(今どきのジェット機じゃなくてC-46とかDC-3、CV-240あたり)をイメージしています。
ということで今回もストレートど真ん中ではない選曲でした。ではまた。