今連載している「海を越えて」は、勝海舟の息子の嫁であるクララと、赤坂教会の歴史です。
クララのお母さんが、亡くなった時、多額のお花料が与えられました。
それで、兄のウィリイが、勝海舟の屋敷の前の土地を勝から買って病院を建てたのです。
そこで、礼拝がもたれていました。
ウィリイは、数十年後、日本人のため医学を学びに行った先のイギリスで死にました。
病院は、記念館になり、それが赤坂教会になりました。
昭和20年日本は、戦争に負けました。
医師であり牧師であった井上哲雄先生は、満州で終戦を迎え、ロシアの捕虜になりました。
捕虜収容所には、私の父も含め5万人の日本兵がいました。
その中で、日本人の婦女子13万人を守るために10人が選ばれました。
そして、井上先生も選ばれましたが、父たちは、シベリヤに送られました。
井上先生は、ハルビンで働いていました。
同じ時、勝の孫で、後に女医として大きく用いられる方もそこにいたのです。
当時、道端で凍死している子供たちがたくさんいたので、ロシア兵は、井上先生に孤児院をやるように言いました。
井上先生は、子供が苦手なので、断食して神様に祈ると「私に従いなさい。」と言われたのです。
孤児院には、350人の子供たちが集まってきました。
やがて、静岡に帰り孤児院をされていましたが、後に東京の赤坂の牧師として活躍されました。
不思議な、神様のお導きですね。