ちょこっと本音

自分のこと、趣味のこと、ダイエットのこと・・・
心の声をちょこっと文字に。

柴又紀行/私の寅さん

2011年11月10日 | ブログ・アーカイブス

寅さんのふるさと柴又へ行く。

仕事、忙しくて…、ちょっと疲れちゃったの。
で、寅さんの顔を見たいなー、なんて思って、柴又まで来ちゃった。

  
ここが帝釈天の参道ね。寅さんのウチへ寄る前に、帝釈天でお参りしてくるわ。  
ここ帝釈天は柴又七福神のうちの毘沙門天があるところ。山門を入ってすぐ左にあるのが源公のついていた鐘。午前様が掃き清められた境内を歩いてみる。
寅さんが産湯に使ったという神水、今ももって帰るひとがいるらしいわね。

山本亭のお庭を通り抜けるて「寅さん記念館」へ。
あら、記念館の看板文字をとりつけたているのは寅さん?
今ここで働いているの?  
                 
「寅さん記念館」は映画で使っていたくるまやのセットをそのまま置いてあって楽しいところ。
縁側に腰掛けて、タコ社長のように茶の間をのぞくと懐かしい映画を見ることができる。
寅さんと記念撮影もできるし、寅さんの家系図や、懐かしの名場面などを自由に楽しめる。 
あ、寅さんの商売品(バイのネタ)が並べてあるわ。
あの、名口上が聞こえてきそう。 
「ケッコー毛だらけ、猫灰だらけ、お尻のまわりは……」 
「四谷赤坂麹町、ちゃらちゃら流れるお茶の水、粋な姐さん……」 
「物の始まりが一ならば、国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川五右衛門なら助平の始まりが小平の義雄……」

正月の飾り物から健康サンダル、食器、古本、ぬいぐるみ。
洋行帰りはウィーン製バッグまで。

「さあっ、つまらねえご託を並べていても切りがねえ。買うの、買わないの、えー。
もういいっ!もってけドロボー!」  


ここから江戸川べりはすぐ近く。
矢切の渡しへ行ってみましょう。
寅さん、矢切の渡しに乗って帰ってきたこともあったわね。
でも船は苦手のはず。
この矢切の渡し船でも波の高い時には2回も吐いた経験が・・・。(第36作) 
河川敷のゴルフ場を突っ切って帰ってきたとき、親切にもゴルフボールが転がってきたのを拾ってあげたのよね、ホールに入る寸前の。  

お腹がすいてきたので川甚でお昼を。 
ここは文人たちも愛したという百年も続く川魚料理のお店。  

夏目漱石 彼岸過迄より……敬太郎は久しぶりに晴れ晴れとしたよい気分になって水だの岡だの帆かけ舟などを見回した。・・・二人は柴又の帝釈天の傍まできて、「川甚」という家に這入って飯を食った。 
谷崎潤一郎 羮より……巾広い江戸川の水が帯のように悠々と流れて薄や芦や生茂った汀に「川甚」と期した白地の旗がぱたぱた鳴って翻っている。  

さあ、そろそろまた参道のおみやげ屋さんへ戻りましょうか。
つくだ煮や、せんべい、飴などのお店が軒を並べています
もちろん草だんご屋さんも。


そういえば寅さんの帰るパターンっていろいろあるけれど、どれもまっすぐにお店に入ってこないのよね。
でもみんな帰ってきたのを知っている。

「あぁ、寅が帰ってきたよ。」とおいちゃんの声。
店の前を女学生の一団がキャーキャー言いながら通り過ぎる。
その後を寅さんと源公が着いていく。
「寅ちゃん、寅ちゃんったら。」 
「おにいちゃん、おかえり。」 …とおばちゃんとさくらさんに言われて、
「あ、ここか。」
なんて言いながら、照れくさそうに入ってくる寅さん。(女学生パターン)
 
門限に遅れた時とか、けんかをしたあととか、ちょっと帰りにくい時ってあるじゃない。きっと寅さんも、帰る時なんとなく恥ずかしいんだろうな。  

あ、もう柴又の駅に着いちゃった。
寅さんには会えなかったけれど、柴又はなんだかホッとするようなとてもあたたかいところ。
さっき飴を買ったときに、おまけっていって、できたての飴を手のひらにのせてもらった。
そのほわーっとした暖かさと似てる。
また、時々来ます。寅さんのふるさとに会いに。
 
わたし、寅さんの最後のマドンナだといつも思っています。

寅さんクイズ
寅さんはカバンをいつもどちらの手に持っているでしょうか?

A:右手 B:左手


                                                        

(2003年1月 掲載)

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発売されました

2011年07月07日 | ブログ・アーカイブス

4年前の今日、私の作った本が発売されました。
今、みてもなつかしいなぁ。
版元さんが好き勝手にやらせてくれるところだったので、中に、関連コラムなど書いたりして、ちょっと楽しんで作ったので、思い出深い作品です。

 

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点滴バー

2011年03月31日 | ブログ・アーカイブス

昨日社長が風をひいて食欲もなく元気も出ず・・。
といって、病院でニンニク注射をしてもらってきた。
私はニンニク自体が食べられないので、そんなもの直接身体に入れられない。
それで、以前書いた記事だけど、「点滴バー」というのがあるのを思い出した。

この間、深夜テレビで、点滴バーを紹介していました。
バーといっても、お酒を点滴で入れるわけではありません。
疲れたときとかの栄養補給とか、アンチエイジングとかのためにするもので、
いわばサプリメントのような感覚らしいです。

点滴バー(
病院)に行くと、Dr.によるカウンセリングの後にメニューを決め、その内容も豊富。

【例】  美肌コース・・・・・・しみ、くすみ、肌荒れ改善 
     疲労回復コース・・・・肩こり、腰痛、体力アップ 
     ダイエットコース・・・便秘、代謝アップ 
     発毛・育毛コース

などなどのコースがあり、組合せも自由。
1回が4~5000円からです。
これがどうやら流行っているらしく、たったの20~30分で疲れが取れるなら、
というOLサンたちに人気とか。

ゆったりとした椅子で、くつろいでいるように見えるのだけど、腕には点滴が・・・・。

点滴は命を繋ぐものと思っていたのに、今や気軽にカフェ感覚で利用する時代
になったのでしょうか・・・。  
(2008年5月30日)

今でも点滴バーなどというものはあるのだろうか。
私は口からとるもの以外栄養とならないという主義。
食べたくないときは体が拒否しているからで、自然とそのうちに口から物がたべられるようになると思っている。
それが自然だから。

 

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三年前の新年会

2011年01月31日 | ブログ・アーカイブス

昨日は、年に一度のパズル関係者との新年会だった。
パズル誌が増えるにつれ、年々、協力スタッフも増えていく。
一昨年までは、店を借り切ってゲームをしたり仮装をしたりと、大々的にやっていたが、もともとわが社のスタッフは、そういうことが苦手。
なので去年から一気に縮小し、一番助っ人としての協力量が多い人たちのみとすることにした。
今年は欠席者もいたので結局10名。
会社近くの中華料理店(結構美味しい)で円卓を囲んだ。
10名だと全員で話ができるので、このくらいが一番いい。
また気をつかう必要もないメンバーなので、この飲み会はとても居心地がよく楽しい。
しかし最大の落とし穴を忘れていた。
それは全員が飲む!
それも普通の飲むとは違い、
すごーく飲む!!というレベルなのだ。

会計のときビックリした。なんと料理の倍以上の飲み代だった。

「生ビールを15杯飲まれましたからね」とお店の人は嬉しそうに言った。

そのほか紹興酒は5本をくだらず、ついに店のストックを飲み干し、最後は別なものを頼むはめになった。

「そういえば去年も紹興酒がなくなって、別なものにしたよなぁ」
と言ったのは、飲み干した一番の張本人Iさん。

この I さんとは一年に一度しか会わないけれど、飄々としてとても楽しい人。
新聞社の校閲にいたので、安心して校正を一手にお任せできる。
I さんは、時々絵入りで校正をする。
・・・は○○のことです。
とあった場合
○○のイラストが書いてあり、それがまたとても面白い。

また以前こんなことがあった。
I さんに連絡をとりたくて携帯に電話をしたら

「はい、池袋駅です」

え???? どうして池袋駅???

答えは I さんは池袋駅で携帯を落としたらしい。
駅では誰のものかわからず困っていたところへ、携帯が鳴ったので駅員さんが思わず出たということだったのだ。
こうして携帯は I さんの元へ無事に戻った。

I さんが名古屋の出身だというのを今まで知らなかった。
しばらく名古屋話で盛り上がる。

K さんが名古屋の喫茶店のモーニングについて声を大きくする。
「コーヒーだけでいいのに、必ずみそ汁がついてくるのよ」
「そんなことないよ。たまたま行った店だけじゃないか」 と I さん。
「いやいや、どこへ入ってもそうだった」とひるまない K さん。
「そうかなぁ。高校の時から喫茶店行ってるけど、そんなとこないぜ」
すると Y さんが一言。
「 I さんが喫茶店に行くのは夕方からだろ。今はモーニングの話」

ということで、この件も一件落着。

なんやかんやでこの楽しい仲間と一年間仕事ができるのは本当に幸せだと思う。
(208.1.31)

 

 

懐かしい。といっても今から3年前の今日のブログ。
今はもう、節約節約で新年会も納涼会も、ちょっとした飲み会も何もやらない。
本当は作家サンや関係者たちをねぎらってあげたいのだけど、ねぎらうどころではなく、支払いを値切っている始末。
3年の間に随分と状況は変わったものだ。
あと3年後、いや3ヵ月後すらどうなっているか解らない。

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荒巻鮭のロシア漬け

2011年01月11日 | ブログ・アーカイブス

荒巻鮭が店頭にならぶ季節。
それを使った一品をご紹介。
酒のつまみにとっても美味ですよ!!


もう三十年以上も前のこと、母が暮しの手帖社に、
このお正月料理が書いてあるバックナンバーの問い合わせをしました。
残念ながら希望の号は絶版になっていました。
しかし、編集部の方が、葉書に料理の作り方を書いて送ってくださったのです。
母は、もうすっかり黄ばんでいるその葉書を、今でも大事にとっています。
それは我が家の大事なレシピなのです。



「新巻鮭のロシヤ漬け」
 味付けの分量の割合は( )の中の数字です。
 材料:新巻サケ
     
酢(3)、 日本酒またはスープか水でも(1)、
           サラダ油(1)
     にんにく少々 タマネギ(小さめのもの)
     赤唐辛子、コショウ、ナツメグ(あれば)、レモン

 鮭はは皮を引いて(剥がして)適当な大きさに薄切りにします。
 タマネギは小さめのものを薄い輪切り。
 ガラス、陶器などの入れ物に調味料を合わせていれます。
 細かくきざんだにんにく、赤唐辛子を入れ、タマネギ、
  レモン、鮭を重ねて漬け込みます。
 2~3日で食べられるようになります。

父の会社の人たちが毎年、年始の挨拶にくるたびに、
「これがなくてはお正月が始まらない」
と言い、もちろん家族もお正月の楽しみの一つとしている、
とっておきの我が家の一品。

「暮しの手帖」が300号を重ねたのを知り、
この手紙のことを思い出しました。
もう、作り方などはとっくに頭の中に入っているはずの母が、
この葉書を大事に取ってあるというのも、
なんだかあたたかなものを感じます。
                              (2003年1月掲載)


後日談
このコラムを掲載した雑誌を暮らしの手帖編集部へ送りました。
編集部からは(たぶん編集長?)、丁寧なお礼のお電話を頂きました。
私も、読者の心に残るような編集をしていきたいと、
この時しみじみと思い、日々、努力をしているつもりですが・・・。(

 

暮らしの手帖からのはがきについて質問をいただいたので、当時、自分の書いた記事を載せてみました。
読み直すと、懐かしい時代へフワッと戻りそうです。
2011年は、去年からの風邪を引き継ぎ、母と二人で本当の寝正月。
私のほうが早く治ったので、冬休みは24時間介護ヘルパーになったようだった。

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わたしのオススメ、時代小説!

2010年09月10日 | ブログ・アーカイブス

年齢とともに、オススメの本が変ったけれど、今のオススメは  

用心棒日月抄(藤沢周平)

わたしが藤沢周平作品と出会ったのは「蝉しぐれ」が初めて。
読もうとした動機も単純で、蝉しぐれを宝塚の舞台でやることになったので、原作を読んでみようと思ったから。
しかしずぶっとはまってしまった・・・藤沢作品に。
そして次から次へと手を出し、おなか一杯になるまで読み尽くした!!
なかでも一番が「用心棒日月抄」
主人公青江又八郎の用心棒生活に、忠臣蔵が絡んでくるという、江戸物好き、忠臣蔵好きにはたまらない作品。
いきがかりとはいえ、なにしろ吉良邸の用心棒までしてしまうのだから。
藤沢作品は、市井のかたすみで生きる庶民をやさしく書いている。
時代小説は今、流行で沢山出ているけれど、藤沢作品はどれとっても面白い。
軽く読みたいのなら「よろずや平四郎活人劇」も楽しい。
 
今NHKTVの時代劇で「居眠り盤音(佐伯泰英)」をやっていて、毎週楽しみにみているけれど、これにでてくる浪人たちは、藤沢先生の用心棒シリーズの浪人たちと構成が似ているといつも思っている。
といはいえ、この居眠り盤音シリーズも半分くらい読破した。
あまり長く続いているので途中でギブアップ。
だれか結末を教えて!

(2007.9.30)

確かに時代小説は大好き。
池波先生のものも大好き。梅安シリーズの最終回はまだ読んでいない。
なぜなら読んだら終わってしまうから。
終わったらもう梅安先生にもあえないから。

いまは高田都さんの作品にはまってる。
今日も一冊、新作を買ってしまった。
コミック作家サンからの転身で、最初に読んだのは「澪つくし」
大阪から江戸へ、息子を捜しにきた御寮さんとみおが、江戸の料理屋で働く人情話。
江戸前と関西の味の違いが客の口に合わなかったりで苦労をする。
だから読んでいてもとても美味しい?!
最後につくり方も出ている。
ただ、今電車の中では寝てしまうので(家へ帰っても寝てしまう)、読書時間がない。

私にとって本は、なんとなく持っているだけで安心する、精神安定剤みたいなものだ。
本を読めるような元気が早く戻ってくるようにと、いつも願っている。

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江戸料理指南塾

2010年09月03日 | ブログ・アーカイブス

こう暑くては、本当に食欲もおち麺類ばかり食べている。
そうめん、冷麦、うどん、そば・・・と炭水化物ばっかり。
野菜は高いし物が悪いし。
根菜(じゃがいも、さつまいも)にすら芽が生えてきた。
あともう少しの辛抱といえ、つらいのぉ~。

ということで、暑い江戸の夏を吹き飛ばす、さっぱりおそばのご紹介です

 

簡単だけどちょっと一手間。
素材よければすべて良し。
ヘルシー江戸料理をお試しあれ。

霙蕎麦(みぞれそば)

材料(1人前) 
 豆腐 1/2丁  そば(ゆで麺でも乾麺でも)  
 めんつゆ 適量 
 薬味 ねぎ・大根おろし・わさび

作り方 
 1 そばは普通の固さにゆでて(ゆで麺は温めて)器に盛る 
 2 薬味の用意(お好みで、海苔、ゴマ等も) 
 3 鍋に少しめんつゆを適量入れ、味をみながらつかみ崩した豆腐をいれる 
 4 豆腐が煮えたら、熱いまま、そばにかける




ワンポイント&応用編
 豆腐は多い方が美味しい。
 まためんつゆは濃い目で調整を。
 七味をきかせてご飯にかければ、和風麻婆丼のできあがり!

<試食> 
 
 豆腐とそばの出会いは大成功! 
 一度食べたら病みつきになること間違いなし。
 自分流にアレンジをしてみて

                                 
(漢字パズル誌 2007年12月号掲載)
参考:江戸料理百選(2001年社発行)

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源氏物語

2010年09月02日 | ブログ・アーカイブス

書店で本を選んでいたら、源氏物語のことを店員さんに聞いている人がいた。
客 「初めての人でも読みやすいのがいいのですが・・・」
店員「そうですね、与謝野晶子、井上靖とかありますけど、田邊聖子さんのもよく 売れていますよ、私は読んだことがないんですけど」

実は私は源氏物語にはちとうるさい。
その3人の訳を全部読んでいる。(そしてさらに大和和紀さんの「あさきゆめみし」も。)

与謝野晶子訳の場合 歌人が訳した源氏物語。
源氏には和歌がたくさん出てくるので、いいかなと思った のだけど、文体全体が難しい。古典の教科書を読んでいる感じ。 
そして和歌には注釈を読まないと進むことができない。

井上靖訳の場合 小説家の訳した源氏物語。
現代の小説として、普通にスムーズに読める。 私的にはこれがおすすめ。

田邊聖子訳の場合  個人的に言えば、宝塚の舞台「源氏物語」を観てから読んだので、どうしても 舞台とダブってしまう。 
それを抜きにして考えれば、これもスムーズに読める源氏物語だとおもう。 
続きとも言われている宇治十帖も是非読んでほしい。

番外編 田邊聖子氏の小説で「私本源氏」というのがある。 
もちろんこれも源氏物語。
登場人物は光の君さまはじめお馴染みの人々。 
ちょっと違うのは、語り手が従者だということ。 
従者といってもあの有名な(?)惟光ではない。
そのまた下の従者で 熊五郎みたいな人が、ウチの大将(源氏の君)を語る「裏源氏物語」です。 
ここでの光の君さまは気さくなおっさん。
 関西弁丸出しで、朝帰ってくるなり 「後朝の別れ? へ、それってなんです?」 なんて言いいながら、すぐに湯漬けを所望し、サラサラと・・・。   
ここまで全部読めば、「源氏物語」を制覇したと言えるかな?

(2008年3月9日)
☆コメントももらいました。

GUESTさん1
はじめまして。
私は、男の癖に更級日記やかげろう日記を高校生時代に読んでおりました。源氏物語はチャレンジしておりません。大作過ぎて、手に負えない気持ちでした。
先日ラジオで瀬戸内寂聴さんが、私と源氏物語という講演をしておられました。与謝野晶子、谷崎潤一郎、田邊聖子の三氏を取り上げて比較しておりました。瀬戸内さんの源氏物語はどうなんでしょうか?

紫苑 
いらっしゃいませ。
古典の教科書で勉強するのと違い、訳とはいえ古典も普通の小説として楽しめますよね。
私は更級日記、かげろう日記はまだ読んでいませんが、枕草子もなかなか面白かったです。
源氏物語も瀬戸内寂聴さんのもありましたね。
読んでみようかな。
自分が読む時期、環境によって、感じ方は違うと思いますが、1000年も前にこんな大作が書かれていたなんて、すごいですよね。
優しくハンサムな源氏の君、だけど実はなにかにつけ、すぐよよっと泣く軟弱な男なんですよ

GUESTさん2
私は田辺聖子さんの 全部よみました。 丁度妊娠4ヶ月ころ、切迫早産で入院して、時間たっぷりあったので。 聖子さんのはとても楽しく分かりやすいですね! ぐいぐいひきつけられて 全部よめたのを思い出します。瀬戸内寂聴さんのは知らないな。今はとても人気の方ですよね。 ただ小説のタイプとしては あまり好みじゃないので 自然と避けていました。
比べて読むのも それぞれの個性が出て面白いね

紫苑 
田辺聖子さんは、源氏の君を人間らしくえがいたのが話題になっていたような。
若かりし頃、義母、藤壺と不義密通した源氏の君。
後年になって、女三宮が柏木と・・・。
源氏は自分の罪がここで罰せられたのかと、そして父は、自分の罪を知っていたのかと愕然と・・・。
なんともどろどろした世界ですね、源氏って。
そして女三宮と柏木の間に生れた不義の子、匂宮のは宇治十条に出てきます。
これもなかなか面白い!
そういえば、橋田壽賀子さんも源氏を訳しているらしいですよ。
どんなのかな。
「渡る世間は女人ばかり」とか?

実は源氏物語が流行していた宮廷にも、やはり女の戦いはありました。

身分の高い女性は、様々な才能を持つ女房をそろえて、セレブサロンをつくっていました。そのサロンの評判が高まると天皇が遊びにくる可能性が高いからです。

お互いをライバル視していた清少納言と紫式部。
清少納言の方が年上で、日本で初の随筆「枕草子」も早くから評判をとっていました。

もちろん紫式部も負けてはいません。光源氏を中心としたもののあはれを書き上げた大作・源氏物語は、現在にもつながる傑作です。
しかしお互いをライバル視するあまり、紫式部と清少納言はそれぞれの作品の中で、それぞれの悪口を書いていたのです。

枕草子の中に書かれている男性評価、といっても清少納言は馬鹿にしているのですが、その中に「質素な格好でする御獄参りを、宣孝は派手な格好をして皆があきれていた」と笑いものにした文章があります。

この宣孝こそが紫式部の夫藤原宣孝なのです。

それに対向するように紫式部も日記の中でこうやり合っています。
「清少納言こそ、得意顔のはなはだしい人。あれだけ利口ぶって漢字を書きまくるけれどその知識まだ不十分。」

当時、漢字は男性が使い、女性はかな文字を書いていました。しかし二人は漢字の教養をももっていたため、そこでもまた火花を散らすことになるのです。
清少納言が得意げに漢字力を披露しているのを見て、紫式部は能ある鷹は爪をかくすものよ、と批難しているのです。
 
とはいえ、千年の時を超えてもなお、宮中の人々の生活が楽しく読めるのも、この二人の才女のおかげではないでしょうか。

(参考資料:酒井順子意地悪の系譜/ Webマガジン幻冬舎)

 

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うどんこさえているほうが・・・

2010年08月29日 | ブログ・アーカイブス

「うどんこさえているほうが…」というのが、最近の母と私の合言葉。
それはつい先日読んだ、週刊朝日に連載している内舘牧子さんのエッセイによるものです。
そのエッセイとは、内館さんがたまたま耳に入ってきたおばあさん二人の会話を書いたものです。
おばあさんA「私、行きたくないのよね。いくら息子に言われても・・・」
おばあさんB「でも我慢しなくちゃ」

内館さんは、てっきり老人ホームへ行く話かと思ったそうです。
しかし次ぎに聞こえてきた会話にビックリ。

おばあさんA「嫁がこの時期、フランスの牡蛎が美味しいから、是非        お母さんも一緒に行きましょうって誘うんだけどね」

おばあさんB「せっかく息子さんたちが連れて行ってくれるっていうんだから、10日間くらい我慢しなさいよ」

なんと海外旅行に行く話でした。そしてさらに

おばあさんA「牡蛎なんてフランスで食べなくてもいいのよ。わたしはウチでうどんこさえたり、安い花屋で花を買ってきて飾ったりしていたいのよ」

このおばあさんの楽しみは、旅行ではなく「家でうどんこさえていたり」することなのでした。

私も母を旅行に連れて行こうと何度も誘うのですが、母はなんだかんだと理由を作り断るのです。
あぁ、母も「家でうどんこさえる派」だったんだなと気づきました。

人にはそれぞれの幸せの感じ方があります。母やこのおばあさんみたいに、家でほっこり、まったりしているのが好きという人や、90歳になってもハワイへ行くのが、楽しい人もいます。
そして親切は押しつけてはいけない。
その人の生活や考え方を理解して、自分が出来る範囲のことをしてあげる、それが自分も幸せになることだと思うようになりました。

(2007年12月29日)

母は戦中後半、戦後が青春だった。
物資もなく今のようないろいろな遊びもなく、もちろん結婚も親の決めた相手との見合い。
そんな母をみていると、どこかに遊びに連れて行ってあげたいといつも思う。
でも今の私は精神的に長距離の運転ができない。
自分のことで精一杯だから母の世話もみることができないかもしれない。
悪いと思う。かわいそうだと思う。
でも、おかあさん、私も同じ。
今はあなたをおいてでかけられないから、どこにもいけないんだよ。
時々芝居にいくだけ。

だから、毎日ふたりでごろごろしているのが、私達の幸せなのかも知れないね。

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粋で素敵な江戸しぐさ

2010年08月24日 | ブログ・アーカイブス

昨日、地下鉄の駅で階段の手すり側をおりていたら、前から男性が昇って来た。
このままいくと正面衝突。
私は手すりにつかまりながらおりていたし、相手のほうが全然若い(たぶん学生)。当然のごとく、よけてくれると思っていた。
ところが彼は、ぶつかる寸前で立ち止まり、仁王立ちになって私をにらんだ。
ま、おばあさんじゃないから、わたしだってすぐによけられるけれど、何もにらまなくてもいいじゃないか。
その上、手すりにつかまらなければ降りられない人なのに、手すりを放してよけなければ危ないじゃないか。
ちょっとしたことだったが、とても嫌な気分になった。
その時、前に受けた「江戸しぐさ」のことを思いだした。


「江戸しぐさ」の講演会へ行ってきた。
東京商工会議所文京支部女性懇話会の主催で、講師は「江戸しぐさ語り部の会」主宰の越川禮子氏だ。
朝日新聞のコラムの連載で江戸しぐさのことを知り、江戸好きの私は一も二もなく飛びついて、今日を楽しみにしていた。
越川さんはふんわりとした雰囲気をもつ、とても素敵な人だった。
もちろん講演会の内容も楽しく、なるほどと思うことばかり。

江戸しぐさの「しぐさ」は「思草」と書く。
江戸しぐさとは江戸の商人が作り上げた、江戸っ子のセンスであり、生活の上でのクセであり、そして常識のことである。

江戸っ子はべらんめぇ調だというのは大間違い。
べらんめぇ調は職人の言葉で、本当の江戸弁は美しい響きをもつ丁寧なことばなのだ。

往来しぐさ=傘かしげ、肩引きというのは、知っている人も多いと思う。
しかし私は特に「江戸しぐさの本質」の中にある2つを、ウチの営業部長と広告のヤツに聞かせたい。

1)見てわかる事は言わない
2)結界覚え=分際をわきまえる

ウチの営業部長ってお世辞たらたらで、部下や業者にまで一言、二言、三言、四言…。
社長がいつも呆れかえっているからだ。
その営業部長は江戸っ子だといっているけれど、どうも本物の江戸っ子ではなさそうだ。

江戸っ子でなくても、思いやる心をもてば、事故もおきないしケンカも起きない。
人間として、最低限もっていてほしい心だと思う。

(2003年7月3日)

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