もう、20年近く住んでいる家だから、あちこちにいろいろなものが隠されて(?)いた。
昨日、古物商をしている友人にきてもらい、売れるもの、売れないものをみてもらった。
一番多いのは花器。
母がお花を教えていたので、ピンからキリまで。
そして茶道具。
南部鉄の窯なんて、わたしにとっては宝の持ち腐れ。
食器類で使ってないのもあるし、いただきもののシーツや毛布もあるし・・・。
そしてなぜか雉のはく製。
これは売れないそうだ。残念。
ネットオークションに出してみようかな。
食器は確かに一人だとお皿1枚、お茶碗1個でいいのだが、なんとなく持っていきたいものもある。
友達を呼んだとしても、遠いのでそんなに頻繁に来るはずないし。
来たとしてもそんなにたくさん料理を作るわけでもないけれど、なんとなくきれいなものなどは、持っていきたくなる。
今まででも使っていなかったのだから、これから使うとは思えない。
さて、仕分け作業が大変だ。
なるべく身軽に、使うのだけと思っても、なんだか一抹の寂しさを覚えてしまう。
引越に当たり、3社ほど見積もりを依頼した。
一番最初にS引っ越しセンターの営業さんが、開口一番「この時期(3月から4月頭まで)引っ越し料金が倍になるのってご存知ですか?」と言った。
そうか引っ越し屋さんにとっては、繁忙期なのだ。
それでもざっと見積もってもらったら20万近くなってしまった。
いくら単身の引っ越しと言っても、タンスや食器棚、ベッドなど一般家庭に引けを取らないほどあるし、本棚も本も洋服もある。
結局1軒まるごと引っ越すようなものだ。
これがなんと4月で安くなると6万円程になるのだ。
それなら1か月の家賃を足してもまだ安い。
というので、引っ越しは4月になった。
私も片づける時間があるのでそのほうがいい。
というわけで、4月に延期となった。
それからソファーはやっぱり買おうと思い二〇リへ行ったが、あまりいいのがない。
でも家のを持っていくと、気分一新の意味がなくなる。
悩みつつ、エアコンがついていないので、エアコンを買いに行く。
リビングが広いので、大きめのを買う。
カード一括払いで13万円。
高い!
でもしょうがない。
とにかく引っ越しにはお金がかかる。
でも思い出が詰まりすぎているこの家には、やはりずっと住めない。
また思い出して、涙が出てきてしまった。
今日、新しいマンションの契約が終わった。
正式に鍵をもらえるのは3月1日になる。
あの景色が私のものになるなんて・・・・・嬉しい反面、新しいところでの一人暮らしが心配になってくる。
近くには弟家族がいるから、何かあった時には便利だけれど、今のところより、より東京に遠くなってしまう。
でも近くのスーパーは午前1時まで開いているというから、便利なことは便利だ。
部屋数は4部屋&LDK。
今の家と同じ大きさになるから、全然コンパクトに暮らすという趣旨からは離れてしまう。
掃除が大変そう。
もちろんペット不可。(飼わないけど)
そしてピアノもダメ。いつも弾いているわけではないけれど、なくなるとさびしい。
それに指先を動かすのは老化予防にもいいと聞いている。
明日は、引っ越しの見積もりに3社ほどくる。
明後日は古物商の人が、わけのわからない置物やなんやかやを値踏みに来てくれる。
11日に東京の事務所をたたみ、19日に実家から引っ越す。
決まってみれば、このまま今のところにいてもよかったかな、などと思ってしまう。
父と母が愛した家を売ってしまうことに、一抹の罪悪感を感じる。
でも思い出だけが亡霊のように詰まっている家に、一人でいるほうが寂しい。
新しい出発は新天地で。
住めば都。
全部片付くのはいったいいつになるだろう。
とにかくこの3月は忙しくなりそうだ。
先日の電話で、伯母にいわれるまで、雛祭りのことをすっかり忘れていた。
ひな人形は、伯母の作ってくれた木目込み人形で、毎年ちゃんと出して、ちらし寿司やらちょっとしたご馳走で雛祭りのお祝いをしていた。
毎年、その日が近づくと母が、用意をするように言っていたのだ。
そして済むとすぐに片づける。
(でもまだ嫁にいけない・・・・・。)
今年はどうしようかと思っていたけれど、やはり、お雛様は出そう。
そして雛あられを買って、白酒の代わりに梅酒でも開けて。
今まで、母と二人で祝っていたのが、今回から一人。
なんだか寂しい雛祭りになりそう。
そんなことを考えると今から気持ちが滅入ってくる。
でも、母はこのような行事にはうるさい人だったから、やはり一人でも雛祭りはやろうと思っている。
昨日の夜、いつものように夕食後(一人だからすぐ終わる)に、TVをボーっとみていたら、高崎にいる伯母から電話がかかってきた。
母の姉に当たる伯母とは実の姉妹なので、文句もいうけれど仲が良く、よく電話をしあっていた。
そして誕生日には花を贈ったりなどの交流がずっと続いていた。
伯母は仙台に住んでいたのだが、伯父がなくなり一人になったのを機に、娘のいる高崎に引っ越したが、迷惑をかけたくないということで一緒には暮らさず、有料のホームに入っている。
足が悪く持病もあるので、母の葬儀には従妹が来てくれた。
伯母は電話をかけようと思っていたのだが、伯母自身が気持ちの整理がつかなかったらしい。
懐かしい声を聴いて、また嗚咽。
「25日、(母の)誕生日だったね。覚えているよ。それと毎年送っていた梅干し、今年も送るからね。私が生きている間はずっと〇〇ちゃん(私)に送るから△△ちゃん(弟)と分けて食べてね。」
伯母の送ってくれる梅干しは美味しくて、母はテーブルの上に置いて毎日欠かさず食べていた。
暖かくなったら、高崎まで伯母を訪ねてみよう。
日帰りできる距離だから、簡単に行ける。
母とも、もう少し歩けるようになったら車で行ってみようね、と言っていたのだ。
引越しが済み、落ち着いたら会いたい人たちに会いに行こう。
最近、ボーッとしていることが多い。
何もする気がしなくて、次の日伸ばしにすることが多い。
仕事に身が入らない。
山手線に乗っていて、どちら回りに乗ったかわからなくなることがある。
だから会社へ行くのか、帰るのかわからなくなってしまう。
呆けてしまったのだろうか?
しっかりしなくちゃ。
すべてを母がいなくなったせいにしてはいけない。
仕事はきちんとやらなくては、一人で生きていけない。
もっと節約しなければ、一人で生きてはいけない。
もっと強い心をもたなければ、一人で生きてはいけない。
一人は自由だけど、何をしても邪魔されないけど
やはり寂しい・・・
お父さん、ごめんね
お父さんの建てた家なのに・・・
お母さん、ごめんね
お母さんの好きだった家なのに・・・
私、この家を出ます
母がいなくなってから
この家に帰ると毎日泣いてばかりいた
帰ってきたくないとも思っていた
急に一人になったので
寂しくて、寂しくて、ソファで丸くなって
泣いてばかりいた家・・・
今度は弟の家の近く
一人暮らしには変わらないけれど
新しい出発と考えることにして
私、この家を出ます
昨日は朝から曇っていた。
そして寒かった。
でも「資源にならないゴミ」の日なので、普通に起きて炊飯器(大型)のを出してきた。
そのあと、会社に行く気がしなくて、しばしソファでゴロゴロしてしまった。
でもそのまま寝込んだら、きっと休んでしまうだろうと、意を決して起き上がり出かける準備をして外に出た。
ゴミ収集場の前を通ると、私の捨てた炊飯器からコードだけ抜き取って、逃げ去る車があった。
他のものも吟味していたので、ゴミ収集家(?)なんだなと思ったけれど。
会社に行き、仕事があるということはいいことだ。
まだ必要とされているらしい。
でもいつお払い箱になるかわからない。
それでも今は仕事をしていると、泣くことを忘れている時がある。
昼ごろから晴れてきた。
でもなかなか、仕事に集中できない。
今まで通販で取っていた「水」のキャンセルの電話をしたら、また母を思い出して涙がでてしまった。
夕方になると、鬱がひどくなる。
仕事する気にももうなれず、早々に退社。
電車の中でジワジワくるが、本を読んでごまかす。
デパートで1人分のおかずを購入。
店員さんが「それは1人分ですけどいいのですか?」と聞いてきた。
食欲のない私にはそれで十分、もちろん一人だし。
バス亭から家まで住宅街をちょっと歩く。
暗い道で涙が出てくる。
家につくと、朝つけておいた灯がみえるが、中をのぞくといつもいた場所に母はいない。
ドアをあけ中へ入り、雨戸を全部占めてから、声を出して大泣きをする。
留まることを知らない涙があふれでてくる。
昨日はバレンタインデー。
今年は、父が母を連れて行ってしまったから、チョコレートをあげるのをやめようかとも思った。でも例年通り、父にチョコレートを買ってきた。
母と一緒に食べてね。母もここのチョコレートは好きだったから。
そしてまた声を上げて泣く。
泣き疲れソファで居眠りをしたらしく、気がつくと午前1時半になっていた。
それからベッドに入っても、昨日は涙が止まらなくて、泣きながらようやく寝たのは2時を過ぎていた。
そしてまた朝。
ちょっと寝坊をしてしまった。
なんだかボーッとしていて、電車に乗っても、これから会社へ行くのか帰るのか一瞬わからなくなっている。
今日は心療内科の診察日。
たぶん時間が経てば次第に落ち着くと言われて終わりのような気がする。
違う。
いくら時間が経っても、哀しいものは哀しい。
涙は減ることがない。
普段の自分は、いつも通りの自分を演じているだけ。
賃貸といっても、保証人がいるといっても、やはり女性の一人暮らしの道は遠い。
まず、きちんと仕事をしているか、社員証を見せてほしいと言われた。
それから身分証明書。(免許証か保険証)
そして審査を得てから合格か不合格かが決められる。
ちょっと気持ちが萎えてしまった。
今の家にずっと居ようかな。
寂しいのは今だけだから、雨露しのげる場所があるだけいいかもしれない。
でも一応、名刺と出版している雑誌(私の名前のでているもの)を持っていくことにした。
なんだか出鼻をくじかれた気がして、もうどうでもよくなってしまった。
父が残してくれたこの土地と家。
やはり私が守っていかなければならないのだろうか。
とりあえず四十九日がすむまでは、この家に居ようとおもっている。
でも、お線香をあげたり、ご飯をあげたり、いつも母の居る場所に誰もいないと寂しくてまた泣いてしまう。
泣くことは病気ではない。
自律神経がみだれているからだと、科学的にDr.は判断してくれたけれど、哀しいものは哀しい。
声をあげて何度も泣いてしまう。
早くこの家をでようと賃貸でいいから、マンションを先週からさがしていた。
でも帯にもたすきにも短いのばかり。
やはり私は、この父の建てた家を守る運命なのかと思ったら、昨日、別の物件を見に言っている最中に、新しい物件の情報が入ってきた。
弟の住む街の一画で、3Fと高層の11階があいているそうだ。
3Fは78000円、11階はつい昨日まで9万円だったのが7万円まで下がった直後の情報だった。
さっそく見にいく。
さすが11階。
遠くはスカイツリーから富士山まで、反対側からは筑波山が見える。
4LDKだから、ちょっと広いかもしれないが、景色が気にいった。
すぐに押さえてもらいここに決めることにした。
さあ、問題は引っ越しだ。
家1件分を片付けなければならない。
ひとり暮らしにはいらないものばかり。
片付けは大変なことになりそうだ。
どこから手をつけたらいいかわからない。
でも決まったら一刻も早く引っ越したい。