「 氷室雪月花 」
須田 孝雄さん 撮影
各地で梅は満開、早咲き桜も咲き始め、一斉に木々は芽を吹き花は咲く。
町は急に緑に色づいて、柔らかな風が吹き、青空では太陽がキラキラと
輝いて爽やかで暖かい。1年中で今が一番生きていて良かったと思える頃である。
そんな日に、つい心が誘われて外出しようと言う気になって、3ヶ月ぶりに
出掛けてしまった。しかも東京は新宿までだ。御苑散策、花見、ビル街の散歩、
ホテルで食事して、洒落たカフェで珈琲を飲みながら町の人の流れでものんびり
眺めようかという訳である。
なぁんて言うのは冗談にもならぬ冗談で、本当は腰が痛く歩くのは億劫、脚も痛いで
嫌々だったが、3ヶ月に一度の眼底検査と目への特効薬の注射の日だから渋々出掛けた
というのが真相である。でも天気に恵まれて良かった。
東京はやはり埃っぽくて人が多い。地下鉄では皆がスマホに夢中、ホームでの人の流れは
速く付いていけなかった。
私の東京は変わってしまった。疲れ切ってションボリ帰ってきた。